糞尿譚
2021年01月07日 | 本
滅茶苦茶面白い。
最近読んだ本の中では屈指の面白さ。私が読んだ芥川賞作品の中で最も読みやすく、ワクワクした。
スルメを噛むようにじっくり読もうと思っていたのに、一気に読んでしまった。
昭和初期の話。
主人公は糞尿汲取会社を立ち上げ、無くした財産を取り戻そうとする。
しかし、市からの補助金は汚物搬出を請け負う会社と比べると20〜30分の1。
同じ汚物掃除でありながら多額の差がある。
市と掛け合っても「予算がない」の一点張り。
しかし実は政党政派の党略によって、糞尿汲取が軽くあしらわれてきたのである。
そんな中、主人公は成功を夢見て頑張るが。
主人公が言う「政党とかなんとかそんなことは糞くらえだ」(しかし糞くらえって、すごい言葉だな)。
実は糞尿は、政党に支配され翻弄されている行政に対する比喩なのかもしれない。
糞尿は肥料として役立つが、市民のことを真剣に考えない市議のための行政は糞尿より質が悪い。
これを痛烈に皮肉ったように読める。
ラストは秀逸。
ところで今日は郡山市の総合南東北病院で検査。
CTにRI。
1ヶ月半ほど前にMRIもやったし、身体中の癌細胞を調べてもらった。
とりあえずどこにも転移は見つからず。まずは一安心。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます