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いわき市のおやじ日記

K流釣り、K馬、そして麺食いおやじのブログ。
山登り、読書、映画、陶芸、書道など、好きなことはいろいろです。

「国宝」

2025年06月29日 | 映画

吉沢亮さんはこれで日本アカデミー賞を取るんではないでしょうか。

いい俳優だと思います。この年代の男優は他にもこの作品にも出ている横浜流星さん、窪田正孝さん、成田凌さん、染谷将太さん、菅田将暉さんなど、ストイックな演技派が多い気がします。

ストーリーは、任侠の子、喜久雄(吉沢亮)が歌舞伎の名門当主、花井半次郎(渡辺謙)に引き取られ、半次郎の息子、俊介(横浜流星)と切磋琢磨し、血筋と才能の呪縛に揺れながら、歌舞伎界で浮き沈みするというものです。

歌舞伎を観たことがない方でも、圧倒的な二人の演技に強く惹きつけられるでしょう。

3時間の長い映画で、私は1時間ほど過ぎたところでトイレに行きたくなりましたが、見逃せないシーンの連続で2時間ぐらい我慢しました(ポレポレ小名浜のCinema6ってトイレから一番遠いし)。

どの映像も美しく、どのセリフも聞き逃せない、素晴らしい映画だと思います。

春江(高畑充希)の心変わり、喜久雄が挫折から一転して俊介と共演するまでの流れ、喜久雄と彰子(森七菜)の出会いなど、端折ったところがいくつかありましたが、これは仕方がないかなと思います。それ全部入れてたら4時間になってしまいそうです。

田中泯さん演じた人間国宝の歌舞伎役者、万菊の存在感もすごいです。本当の歌舞伎役者かと思いました。

他にも寺島しのぶさん、少年時代の喜久雄と俊介を演じた黒川想矢さん(「怪物」)と越山敬達さん(「ぼくのお日さま」)など、すべての俳優が良かったです。

最後に、観客のスマホがあちこちで鳴っていました。観る側のレベルは低かったです。


F1/ エフワン

2025年06月28日 | 映画

F1はネルソン・ピケ、ナイジェル・マンセル、アラン・プロスト、アイルトン・セナが活躍していた頃は深夜でもワクワクしながら観ていましたが、ホンダが撤退し、セナが亡くなってからは観なくなってしまいました。

かつてはフジテレビで放送していたんですよね。

 

この映画は大変面白かったです。ブラッド・ピットの代表作になりそうな作品だと思いました。

落魄れた元カリスマF1レーサー(ブラッド・ピット)が最弱のF1チームを救う話です。

仲間と揉めながらも次第に成績を上げ、最終戦のアブダビGPでは・・・。これ以上は書かないほうがいいと思います。

 

ドライバー目線の疾走感溢れる映像が素晴らしい!

超高速体感エンターテインメントと言っているだけあってスピード感が凄いです。

女性エンジニアとのロマンスはいらないと思いましたが、ストーリーは分かりやすく、F1を知らない、興味がない方にもウケる映画です。

「トップガン/マーヴェリック」制作チームが作ったらしいですが、トップガンのようなツッコミどころもありませんでした。

この映画は大画面で吹き替え版で観るのがお勧めです。IMAXだったら最高でしょう。

F1、DAZNでやっているので久々に観たくなりました。


ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング

2025年05月30日 | 映画

最初からオフラインにすれば良かったんじゃね、という突っ込みをしてはいけません。

また、深海に沈んだ(しかも寒い場所)潜水艦から素っ裸で脱出はさすがに無理があるだろう、という指摘をしてもいけません。

さらに、ソースコード不明なのにどうやって修正プログラムを作ったんだろうとか、ソースコードが潜水艦の中ってどうなのとか、ハードディスクみたいな部品にピッタリくっつく部品をよく作ったなとか、10分の1秒で部品を外せばプログラムは外部に出ないってそんな馬鹿なとか、とっとと予備のパラシュートを開けばよいのに等という追及をしてもいけません。

ここまでくると、もはやギャグなのか、と言いたくなる気持ちはわかりますが、ミッション:インポッシブルはただただアクションを楽しめば良いのです。

その意味では最高傑作です。一緒に観た息子もそのように話していました。

イーサン・ハントは両津勘吉、ルパン3世、007のジョーズ並みに不死身なので、数々の危機に遭遇し、ドキドキするものの、どこか安心して観ていられます。

本家?の007はアクションよりストーリーにシフトしているように思いますが、ミッション:インポッシブルは回を重ねるごとにアクションがすごくなりますね。トム様、私とほぼ同世代ですが、すごいなと思います。

3時間があっという間でした。平日なのに観客もまずまず入っていました。これは劇場で観るべきです。

このところの映画は邦高洋低らしいですが、この映画はロングランになりそうです。

核兵器廃絶どころか増加傾向にある現実に、警告を発しているようにも感じました。


「犬と戦争 ウクライナで私が見たこと」

2025年05月29日 | 映画

冒頭から衝撃的な映像でした。

キーウ市近郊のボロディアンカ動物シェルター内で、たくさんの犬が倒れています。

女性が悲痛な思いで1匹1匹の名前を呼びますが、犬は起き上がることはありません。

ロシア軍の侵攻で500匹近い犬が放置され、1ヶ月以上餌も水もない状況で、222匹が衰弱死しました。

一輪車で運ばれ、犬の死骸は捨てられます。

中盤と終盤にも出てくるこの映像、予告編で一部を見ることができますが、胸が締め付けられます。

人間の犯した悪事によって多くの犬の命が奪われた、という事実は、たぶん新聞でもテレビのニュースでも報道されなかったと思います。

本作の最後に「小さな命を犠牲にしないという覚悟こそが、戦争という大きな暴力に対するゆるぎない意義のあるレジスタンスかもしれない」という言葉がありました。

この映画の価値は、戦争によって亡くなっているのは人間だけでなく、何の罪もない多くの動物たちもそうであるということを私たちに伝え、無慈悲な侵略戦争に対して、自分は何ができるだろうかと考えさせることかなと思いました。 

後半、やや話が発散気味の所もあったように思いますが、動物嫌いな人にも是非見てほしい映画です。


「型破りな教室」

2025年05月26日 | 映画

2011年、メキシコのマタモロスの小学校での実話をもとに作られた映画です。

マタモロスはアメリカとの国境近くにあり、殺人、麻薬取引など犯罪が多く、ガルフ・カルテルというメキシコ最古の犯罪組織の本部がある都市です。

ここのホセ・ウルビナ・ロペス小学校は全国の学力試験は最下位。児童も先生もやる気なし、6年生の半分以上は卒業が危ぶまれるという状況でした。

新学期に、フアレス先生が、出産で学校を辞めた先生の穴埋めとして赴任してきました。

先生はこれまでの常識、慣習を打ち破り、カリキュラムを無視し、子どもたちに疑問を持たせ、解決するような教育をしていきます。「間違ってもいい、いや、むしろ間違えてほしい」と、子どもたちの発言を促し、自ら考える力を育てていきます。

物語はフアルス先生と3人の子どもたちを中心に進みます。ごみを拾って生活費をかせぐパロマ、犯罪組織に協力をせざるを得ない状況のニコ、ヤングケアラーのルぺ。この子たちが学ぶ楽しさに目覚め、目がキラキラと輝き始めます。

良いことばかりではなく、取り返しのつかない悲劇や、どうにもやるせない大人の都合による理不尽もありますが、それらが映画に幅を持たせていました。

全国の学力試験でクラス全体の成績は飛躍的に上昇します。そのうち10人は全国上位の0.1%のトップクラスに食い込み、パロマは数学で全国1位になります。

大人のちょっとした言葉が子どもたちに非常に大きな影響を与えるし、先生も子どもたちと一緒に成長することを改めて感じました。素晴らしい映画でした。

アインシュタインの「私の学習を妨げた唯一のものは、私が受けた学校教育である」ということばが最後に出てきます。

まさにこの映画を象徴していると思います。