令和2年6月18日(木)
ずいずいずっころばし
作家でシンガーソングライターの合田道人さんの
著書「童謡の風景」(中日新聞社発行)には、
春夏秋冬の童謡50曲が紹介されている。
(2007年4月~2008年3月迄、中日新聞に
掲載されていたものを出版されたもの)
この中に、夏の童謡として「ずいずいずっころばし」
の歌詞が紹介され、その歌に纏わるエピソードが詳し
く解説され、知らなかった詩の意味が、、、、
正に、「目から鱗が落ちる」である。
ずいずいずっころばし : わらべ歌
ずいずいずっころばし ごまみそずい
ちゃつぼにおわれて トッピンシャン
ぬけたら ドンドコショ
たわらのねずみが こめくってチュウ
チュウ チュウ チュウ
おっとさんがよんでも おっかさんがよんでも
いきっこなしよ
いどのまわりで おちゃわんかいたのだあれ
解説
ずいずいずっころばし「茶壷道中がやって来た」
何しろ難解な歌詞。
「ちゃつぼにおわれてトッピンシャン、、」
実はこれ、江戸時代の「茶壷道中」の歌だという。
毎年新茶が出来ると、先ずは京から江戸将軍様へ
送られる。 庶民はひれ伏し、茶壷が通り過ぎる
のを待つ。
たとえ子供であっても不作法は許されない。
「切り捨て御免」がまかり通る時代だ。
行列が近づくと子供等は「トッピンシャン」と
家の戸を閉め、行列が通り過ぎるのを静かに待った。
そんな様子を唄ったのだという説だ。
「いどのまわりでおちゃわんかいたのだあれ、、」
ちょっと触れただけでも井戸に落っこちてしまい
そうな危ない様子を、ことわざで「井戸端の茶碗」
という。 そんな茶壷道中に苦しめられた庶民の
抵抗の思いが形を変へ、わらべ歌になったとされる。
一方で、ネズミ、茶壷などは過っての「遊郭」で
使われていた隠語で、この歌の裏側にはなかなか
艶っぽい噺が隠れているいう説もある。、、、
(合田道人著:童謡の風景より、紹介しました。)
今日の1句
新茶汲む伴の菓子折り明けてをり ヤギ爺
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます