コンブの日記

山登り、旅、その他コンブが感じたことを綴った日記です!

嵐の羅臼岳・中編

2005年09月29日 | 日記
こちらは前回のつづきです!

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弥三吉水という水場の手前まで来ると、立ちション中のおっちゃん発見!!!

こちらに気づくと、あわててベルトを締めるが、あせってうまくいかないご様子。
コンブも可愛げの無い女なので、「キャッ」などという気の利いたリアクションもできず、無表情にて通過。

水場で、手を洗い、お水を飲み、少々休憩。
お水はとっても冷たくておいしかった。

再出発し、しばらく歩くと、だんだん空気が冷たくなってきて、ガスっぽくなり、風が出てきた。

次の水場、「銀冷水」にて、空のペットボトル2本にお水を汲む。
昼食は頂上で、カップ麺と、コーヒーだ!
そのためにガスとコンロを担いできたのだ。

ダケカンバ林を過ぎると、枯れた沢のような地形である「大沢」というところに出た。
もんのすごい追い風である。
ジャンパーを着用し、軍手もはめた。
しかし、すごい風だ。
湿っぽいし、強烈な上昇気流である。
この風は、背中を押してくれるかんじで、急な坂道も走って楽々登れた。

やがて、ハイマツ帯の「羅臼平」に出たとき、風は「非常に強い」から「猛烈な」に変化した。
ハイマツを掴んでないと飛ばされそうだ。
すれ違うお兄ちゃんは髪の毛濡れててレインコートを着ている。
「雨降ってるんですか?」と聞くと、
「いや、雨は降ってないけど、湿った風で服がびしょ濡れなんですよ!頂上はもっとすごい風ですよ!」
と教えてくれた。
ここよりもっと強い風?!
は?ってゆうか、今日の天気予報「快晴」だよ?!
こりゃあ、「嵐」じゃないっすか!!!

「羅臼平」を過ぎると、風はますますひどくなってきて姿勢を低くしていないとこけそうになる。
大雪の御鉢平や利尻のときも強い風だったが、比較にならないほどひどい。
突風が吹いたので木にしがみついた。

若い男の子(ちょっとかっこいい)がこちらに近づいてきて、何か喋っているが、風の音がすごすぎて何を言っているのか全く聞き取れない。
5回くらい「ええっ?!」と聞き返して、やっと聞こえた言葉は・・・
「この先もっとひどいんで気をつけてくださいっ!!!」
であった・・・。(何度も聞き返してごめんよ)
わしゃ耳の遠いじいさんか。

次にすれ違ったおじさんに「帽子飛ばされるよ!頂上でみんな飛ばされてたよ。」と言われた。
こないだの二の舞になっては困るので帽子はザックにしまった。

ザックを見ると、びしょ濡れである。
軍手も濡れてきて、強風にさらされて死ぬほど冷たい。

岩場に出たとき、ヒヤリとする出来事があった。
崖のような岩をよじ登っていると、手がすべり、ザックの重みと強風にあおられて、後ろ向きのまま落ちそうになったのだ。
しかし、必死に立て直した。
落ちてたら死んでいたであろう。

もうすぐ頂上というところで、空を見ると、ちょっと青空が出ていた。
雲の流れるスピードが尋常でない。
まるで、雲の流れのようすを10倍速の早送りで見てるみたい・・・!!

岩の高いところにでると・・・

「うわあああああああ!!!」
自分は雲の上にいた。
真昼の月が青空の中にぽっかりういている。
月もこころなしか近く感じた。
しかし、感動とは裏腹に、風強すぎて寒くて長時間見ていられない。
はやいとこ頂上の写真を撮って退散するに限る。
ってゆーかこんなところでメシなんか食えるかっ!!!
120%コンロに火がつかないし、ここに長い間いたくない。
水2本、ガス、コンロ・・・
こんな重いもん担いでくるんじゃなかったぜ。

頂上はとても狭く、地面にしがみついていないとあっという間にあの世行きだ。
ところがまたしても、意に反して頂上にてマヌケな事件が起きた。

つづく