コンブの日記

山登り、旅、その他コンブが感じたことを綴った日記です!

続・両神山

2005年09月08日 | 日記
こちらは昨日の続きです、昨日の記事をお読みいただいてからご覧くださいませ。

--------------------------------


昼食タイムになって、山中さんトークは、遭難のおはなしに移行した。

聞くところによると、この両神山など奥秩父の山は、かなり遭難者が多いそうで、山中さんも捜索にかりだされるらしい。
しかも、ボランティア・・・!


遭難ってことは・・・・
やっぱり、ダメだった人もいるのかな・・・?
と、思い、聞いてみた。


すると、山中さんはこう言った。
「私が今までにこの山で遭遇した仏さんの数はざっと200体ってとこですねぇ。」


200体?!?!?!
あたしゃ、今までに見た死体って、うちのじいさんの1体だけよ~!
まじすげぇぇぇ・・・!!!!


しかも、遭難だけではなく、自殺とかもあるらしい。


ちょっと具体的なリアルな話をも聞いてしまったが、その話はあえていたしません





ところで、この両神山、北海道にはないような、植物がいっぱいあって、実に楽しい。

しかし、私は植物の種類や名前はイマイチわからん。
「人間の付けた名前など、どうでもよい」と、思っていたのだが、
いしまるさんと山中さんはめっちゃ詳しくて、
「この草は○○の仲間ですか?」
「そうですねえ、これは○○で、あっちは◎◎ですね。」
「この**には◇◇◇の花が咲いて、△△がどうのこ~の・・・」
などという会話が交わされ、ついていけない。
なんだか、お二人がとってもかっこよく思えた。




そうして、頂上にたどりついた!!

曇りで展望はイマイチ。

頂上には2人組の登山者がいた。


頂上についてすぐに、事件は起こった。



山中さんが崖下に携帯を落っことしたのだ!!!

しかも、木は生えているとはいえ、絶壁!

「ちょっくら取ってくるわ~」
と、言い残し、彼は崖の下を降りて行った。

山の主が遭難したらシャレにならんぞ~!
大丈夫かなあ・・・
まあ、大丈夫だとは思うが・・・

先にいた2人組の方に、「どこから登ってきたの?」と聞かれた。
「白井差です。」
と答えると、「ええ~!あそこって通れないんでしょう?」
って言われたので、「今、新道があって、有料で通れるんですよ」
と言ったら、「は?何で有料なの?!」と聞かれてしまい、頭の悪い私にはうまく答えられなかった・・・
ってか、その張本人が今、崖の下だし。


山中さんはなかなか登ってこなかったので、まじでちょっと心配した。

何分か後にやっと戻ってきた。

携帯はなんと70mも下に落ちていたらしい・・・。

しかも、山中さんのではない携帯やらデジカメやらコッヘルやらも手に持っている。
みんなけっこう落としてるんだな~。

やっぱ、一般人はあきらめてるんですよね・・・


そして、下ることに。
私は膝が痛くなったら怖いので、あとからゆっくりと、ついていくことに。

下山中も、山中さんのしゃべりが止まることはない。
むしろ、登りよりもヒートアップしているかんじ・・・!!

いしまるさんの声は、「ええ」とか、「へえ~」とかしか聞こえてこない


お二人はときどき、私の膝を気遣ってくれる。
「もっとゆっくりでいいよ~!」というやさしい言葉もかけてくれ、
あげくのはてには、山中さんは私のザックも背負ってくれた。
(何度も断ったが、押しの強さに負けてしまった・・・)
おかげさまで、山道もとってもやわらかいのも手伝って、全然痛くならなかった。

しかも、すんごい広い山なのに、どこに何が生えているかとか、そこの川には何という魚がいるとか、この山の生態系すべてを把握しているかのように思えた。
それって、ほんとにすごくないかい?!


登山口に戻り、山中さんのお宅でお茶をいただき、帰りには超おいしいきゅうりとワインまでいただいてしまった
ほんとにありがとうございました。
また、会いたい!!



最初、入山料1000円払わなければならないということを聞いたとき、ぶっちゃけ「がめついおやじだなあ」と思ってしまったが、
がめついのは私のほうだった。
私は、登山=無料だと思いこんでいた。
そうではないのだ。
こうして登山を楽しんでいられるのは、偉大なる大自然の力と、その自然を守るために多くの人が整備してくれているおかげなのだ。
人が入れば、自然がこわれる。
それはあたりまえのことで、自分だけが特別というわけではない。
自覚がたりなかった。なんだか恥ずかしくなってしまった。

自分の子供のようにかわいがってきたこの山が、大勢の登山客によって荒らされてゆく様を目の当たりにし、勝手に入ってきたくせに遭難とかして、捜索しなきゃならない。
国立公園のため、林業もできない。
それなのに、アホほど税金を払わなければならない。
そんな割に合わないことってあるだろうか。
しかし、こういう問題は日本全国各地で起こっているそう。

こういう人々のおかげで山が守られているということを忘れてはならない。


山中さんは、自然を愛する、かなりイカしたおっちゃんだった。

ここに来なければ、きっと気づくのが遅れていただろう。
すばらしい体験をさせてくれた、いしまるさんに感謝します。

帰りの車で寝てしまって・・・ほんと、すいませんでした・・・