たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

日の丸、君が代

2006-10-03 10:41:51 | Weblog
 秋たけなわ。小中学校では運動会が盛んなシーズンである。先日、孫の運動会を見に出かけた。開会式では国旗掲揚の合図とともに、国歌「君が代」の音楽が鳴り、日の丸の旗が静々と上ってゆく。生徒は起立して日の丸が天辺につくまでじっと見つめている。これから賑やかに始まる各種競技を前にして、この静粛なひと時は意義のあるものだ。
 先般国旗国歌の強制は違憲であるとの判決が東京地裁であった。東京都立高校の教職員ら4百人が都と都教委を相手取り、入学・卒業式で日の丸掲揚と君が代斉唱に従う義務がないことの確認と、都教委による懲戒処分の禁止を求めた訴訟においてなされた判決で、「国歌斉唱などを強制するのは思想・良心の自由を保障した憲法19条に違反する。都教委の通達や指導は、行政の教育への不当介入の排除を定めた教育基本法に違反する」というものであった。都教委はただちに控訴した。
 世界中どこの国でも国歌と国旗があり、その国の誇りとして大切にされ、機会あるごとに歌われ、掲げられている。これは狭隘なナショナリズムとは異なる。デモなどで他国の国旗を焼き捨てる光景を見ることがあるが、これはその国に対する最大の侮辱であるとされる。
 判決の中で「日の丸、君が代は明治時代以降、第二次世界大戦終了まで、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきたことがあるのは否定しがたい歴史的事実で、現在も国民の間で価値中立的なものと認められるまでには至っていない」といっているが、過去にそうした事実があったからといって、日の丸、君が代を今もって危険視するのは如何なものか。愛国心という言葉さえ危険視されるわが国では、いつまでたっても自虐的歴史観から脱却できず、日本国民としての誇りはなかなか確立できない。


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