たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

原理主義

2007-10-07 14:26:03 | Weblog
 11月で期限が切れるテロ特措法の代りとなる法案の提出を目指す自民党とこれに反対する民主党とのせめぎ合いで、その成り行きが注目されている。
そもそも民主党小沢代表の考えでは、自衛隊の海外派遣は正式な国連決議があった場合に限るとしており、インド洋上の給油活動は正式な国連決議に基づくものでないから賛成できないとするものである。いわば国連決議を唯一絶対の判断基準とし、この基準から外れるものは一切認めないとするものだ。一見明確で分かり安いが果たしてこの論理は正しいのだろうか。
 現在のめまぐるしい国際情勢においては価値観も時々刻々変化し、多様化している。また何が善で何が悪であるかの判断基準も一様ではない。国連に加盟している各国はそれぞれの国内事情に基づいて国連で意見を述べ賛否を投じている。その最大の根拠とするところは国益である。自国の国益を放棄してまで他国に協調する国はない。もっとも何をもって国益とするかは議論のあるところだが。
 キリスト教用語で、聖書にかかれていることのすべてが、文字通り真実であると信じる立場を原理主義という。従ってそこにはもはや議論の余地はなく、思考停止の状態だ。国連で決議されることが唯一絶対の条件だとする姿勢は正しく原理主義といえよう。これではいくら理解を求めようとして協議を持ちかけても入口で拒否されるだけだろう。しかし政治の世界に絶対はない。多様な論議が必要だ。