〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(52)

2016年02月19日 16時28分04秒 | 映画
1940年代のセックス・シンボル、ラナ・ターナーの美しさを語るこんなエピソードがある。
彼女は1948年にMGM映画「三銃士」に出演した。ウインター公爵夫人という、ジーン・ケリー扮する主人公ダルタニヤンの行く手に立ちふさがる敵役である。悪役である。ところが映画のなかで悪役の彼女が、善玉の王妃アンジェラ・ランズベリーよりも、ボナシュー夫人役のジューン・アリソンよりもはるかに美しかった。そのために「三銃士」を見に行った子どもファンは話がわからなくなって当惑した。どちらが善玉でどちらが悪玉なのかわからなくなってしまったのだ。「彼女(ラナ・ターナー)はたいへん美人である。そんな女性が卑劣な人間である、というのはおかしいではないか」というわけだ。
このエピソードはアメリカの社会学者デヴィッド・リースマンの大衆社会論の名著『孤独な群集』のなかに出てくる。……
「ハリウッドの黄金時代」川本三郎著 サントリー博物館文庫 1987年
                               富翁
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