〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(37)

2016年02月04日 16時33分16秒 | 伝記
彼の愛は私のはじらいと抑制とのすべてを一掃させ私の過去の失敗と不幸との数々を拭い去ってくれました。彼のために私は新しく、みずみずしくなって、小鳥のようにのびのびと軽やかに生きることができるようになりました。彼は私という人間の解放のために闘ってくれ、且つ勝ったのでした。これと全く同様に彼は書き物のうちで、人間同胞に対する烈しい愛情、責任感からする愛情によって彼らを沈滞した過去から解放し、幾百年に渡る死んだ思想や感情のすべての重荷を自ら引き受けたのです。
世界も私と同様に彼から得るところがあるでしょうか。やがていつかは、あると私は思うのです。
「私ではなくて 風が… D.H.ロレンス伝」フリーダ・ロレンス著 二宮尊道訳 
彌生書房 昭和59年
                                富翁
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