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石狩川・川向こうの札幌市の飛び地

2023-07-10 21:42:00 | 札幌 見・遊・食

 地図を見ていると、石狩川の対岸にも札幌市になっている場所があります。

   
                              googleマップより


   
                        今昔マップ 0n the web より

   左: 大正5((1916)年 測量の2万5千分の1(丘珠)  右: 国土地理院地図

  元々、石狩川の流路が左側の地図のように蛇行した川の流れであったようです。
 篠路村(昭和30年に札幌市に合併)と当別村(現・当別町)の境界が確定後に石狩川の河川改修が行われ
 流路が直線化された結果として、石狩川の対岸に札幌市の一部が
残されて飛び地化してしまいました。

  石狩川はその昔から洪水で氾濫しており、弘化2(1845)年に氾濫で決壊した石狩川堤防の修築
 のため、石狩場所請負人の村山伝次郎が越後から10名の技術者を雇い入れた事が記録にあり、これが
 石狩川治水の始まりといわれています。明治31(1898)年に浸水家屋159戸、被害田畑430町歩という
 大水害があり、この水害が契機となり「北海道治水調査会」が設けられ、明治43(1910)年には、石狩
 川治水事務所が創設(初代所長:岡崎文吉)されて、本格的な治水事業がスタートしました。
  しかし、国の財政難から、最初は石狩川下流の護岸工事を細々と施工するにすぎませんでしたが、大正
 7(1918)年になり、第一次世界大戦後の好景気で財政にもゆとりができ、生振・対雁間捷水路の工事が
 着工されました。
  これは、川の流れを円滑にするため、5ヶ所の捷水路(しょうすいろ)(生振、当別、篠路第1、第2、対雁)

 を掘削して、湾曲蛇行した部分をカットするものでした。昭和6(1931)年、生振捷水路が完成、同8年には
 最後の対雁捷水路も完成して、33.4kmだった旧河道の総延長が11.3kmに短縮されました。
      (いしかり砂丘の風資料館HPより)
                                  
   篠路第2捷水路(約900m・大正8年6月着工・大正10年9月通水)によって河口側と
      篠路第1捷水路(約1.6km・大正11年4月着工・大正12年11月通水)によって上流側の飛び地が生まれたようです。


   グーグルマップで見ると、なんとか車でも行けそうな場所だったので行ってみました。

  このマニアックぶりが当ブログっぽいですが、Yahoo検索すると既にこの場所に行った方のブログ記事が
 存在します。
私が第一人者
ではないようです…。二番煎じですがレポートをご覧ください。

 
    当ブログでは便宜上、「篠路町福移の飛び地」「中沼町の飛び地」と表記させていただきます。

 まずは、北区篠路町福移の飛び地へ。

      グーグルマップに「新太美排水機場」と入力
   国道337号から農道に入り、ナビの導くままに走りこちらへ。
 
  ゼンリン地図や銘板には「太美排水機場」と表記されているのですが…。

   石狩川の堤防道路に出ます。

 
          なにやら看板があります。

       

  
           河川改修の名残で池が残っています。
  どうやら、篠路町福移は上の写真の中央部付近のようです(旧篠路清掃工場の煙突が左側に見えます)

  車止めがある部分から歩いていけば、篠路町福移(飛び地)に行けそうでしたが、パラソルを立てて
 釣りを楽しんでいる人達がいたので撤収…。



 続いて、東区中沼の飛び地

  

     堤防道路を走り、当別川に架かる十九号線橋を渡ります。
  

    当別川の河口を目指して堤防道路を走ります。


          こちらにもあの看板が
 

      

  折角なので車止めの前に車を停めて、歩いて行けるところまで行ってみました。

  

  
                  九ノ池               中沼町の飛び地の中に到達。



 
              道は途中で途切れます

 
                  六ノ池



  誰も住んでいる人もおらず、畑もがあるわけでもなく、湿地帯と原野が広がるこの場所は
 石狩川の河川改修が生み出した副産物です。

 何もない場所だからこそ、あえて当別町や江別市に編入させることもないのかもしれません。


 2023.07.17 加筆

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