クルマの販売不振が云われていますが、高級車により顕著に表れている様です。ベンツの対前年同期比が9%減、BMWが15%減、レクサスが22%減と報じられています。この内、レクサスの苦戦が目に付きます。米国で大成功を収め鳴り物入りで国内投入がなされたレクサスですが、私みたいな貧乏人でもその商品性や販売手法に疑問を持ちますが、そのことが裏付けられたとも感じられることです。
まず商品性ですが、レクサスと云っても所詮は他車種と共通のプラットホームを流用したクルマであって、外装や内装を若干豪華にした程度のものです。装備品でも日進月歩の電子デバイスは、一時は最先端であっても、あっという間に新型車に比べ訴求優位点が劣化してしまいます。また、ブランド力ですが、やはり一定の歴史がなければ、一朝一夕に育つものではありません。やはり、現状の日本ではベンツやBMWと比べれば、まだまだブランド力は弱いし、消費者はそんなに簡単にメーカーのプロパガンダに踊らされるものではないと云うことです。
販売手法ですが、豪華で気取った営業マンが対応する敷居が高い店舗展開を特徴としますが、あまりにもユーザーフレンドリーという意識から遠いものと感じられます。そもそも、こんな近寄り難く入り難い店舗イメージをよくぞ作ったものと感じていました。また、ある記事によれば、高級車に乗る様な顧客は、わざわざ店舗に出向いて購入する習慣はなく、彼らのクルマ購入の決め手になるのは富裕層間での口コミや紹介にあるのだとしています。やはり優秀な営業マンが富裕層の中に入り込み、その信頼を勝ち取ることが求められるのだとも記しています。
トヨタでは、LSの新車効果が落ちて販売減となっただけ等と説明している様です。しかし、LS(従来名セルシオ)を従来と同様にトヨタ店とトヨペット店で併売していた方が、売れてたんじゃないのかとも感じられてしまいます。
このレクサスの苦戦を眺めたかどうかはしれませんが、トヨタ以外の国内メーカーの高級車販売チャネルとして、日産のインフィニティやホンダのアキュラの各ブランド導入にもためらいが生じていることが伺われます。