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ダイハツ ハイゼット用FR・CVTとATサプライヤのこと

2022-01-30 | 技術系情報
ダイハツ ハイゼット用FR・CVTとATサプライヤのこと
 昨年暮れ(2021/12)にダイハツ アトレー、ハイゼット(商用バン・トラック)のFMCが行われた(トラックはMC)が、一つの注目点は、これらはすべてFR駆動なのだが、FR用ATにCVTが採用されたと云うことがある。この初の商用FR用CVT果たしてその実力はどうかと感心を持つところだ。


 考えてみれば、今やFF車ベースで考えるとおよそ軽自動車のすべて、普通車でも最大で3.5Lモデル(これはジャトコを使うニッサンのみだが)にまでCVT・ATは増えているのだ。しかし、記した様にFFベースモデルで、FR用のCVTと云うのはなかったのだ。ただし、正確に云えば、1999年にセドリックとかスカイラインで1モデルのみ、FR式CVTと云うのがあり、これはハーフトロイダルCVTという金属ベルトでなく、局面円盤の内部を駒の様に接触したコアローラーの傾きが変移することで、変速比を変えるというものだったのだが、何故か1モデルの短寿命で終わってしまったモデルがあった。

 先にも述べた様に、FFベース車で考えれば、軽自動車とか2500ccクラスの1BOXやSUVモデルのAT方式はCVTが非常に多いのだが、これは実は日本に特有の現象なのだという。世界的に見ると、欧州などは、未だMTとATに比率でMTの方が多いのだが、2ペダルのATを前提としても、従来同様のプラネタリギヤセットを組み合わせたステップAT、従来のMTを電子制御自動シフトするAMT、従来のMTのギヤセットを2軸で持ち、その2つのシャフトにクラッチを持たせ自動シフトするDCT(ディアルクラッチトランスミション)がほとんどで、CVTは少数派なのだと云う。

 何故に、日本は、こうもCVT比率が高まったのだろうか、そして原理的にはFR用にもFF用と同じく金属ベルト式CVTは搭載可能なことは判っていただろうに、何故今まで作られなかったのかと云うことを不思議に思う。この理由を想定してみると以下の様な要素が想定できる。
①CVTは型式審査における台上テストでの燃費試験(と云うか排ガス試験の結果から求められる燃費試験値だが)において、エンジン回転数を的確に燃費重視(これは排ガス有意とも云えるのだが)で凄く有利。

②CVTも最大3.5L搭載車があると云えども、今や2Lを越えるFRモデルは少数比率になっており、そうなるとドライブフィールだとか、耐久性でも不安のない、従来式ステップATの採用となってくるのだろう。

③先の②で記した耐久性に不安のあると云うところが、今まで軽自動車でも商用車となると、CVTが開発されない理由になっていたのではないだろうか。

 なお、補足しておくと、現在世界最大のAT製造メーカーはアイシン(従来のアイシンAWだが既にアイシングループとして経営統合)だが、およそ3トンクラスまでのトラックやマイクロバスまでに対応するATを作っている。そして、それ以上のモデル(中・大型バストラ)では、2ペダルATは、TM本体は従来同様の方式でクラッチ機構も持つが、それを電子制御するAMTがほとんどとなっている。ついでに記すと、大バストラやラフタークレーン車などは、トルクコンバーター式ATだが、この場合の多くは、GMアリソンを使っている場合と、大型バスの世界シェアでは独ZF製が多いと云うことだ。

 ここで、本記事を記すに当たりNet探索していたら、世界の車両メーカー毎にATを何処が作っているか、つまりアイシンとかZFというAT専業サプライヤか自製かというデータがあり参考となる場合もあると思い連載させてもらう。


 なお、自製だからと云って、AT内部のすべてを作っている訳でもなく、例えば日本のマツダとかスバルでは、おそらく内部のプラネラリユニットとかCVTバリエーターなどを、アイシンとかジャトコから仕入れている様だ。
 また、CVTの金属ベルトおよび多数のコマ(エレメント)は、作っているのは日本で1社の専業で、CVTEC(シーヴイテック)という企業だそうだ。









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