私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

サプライチェーンの悲愁

2016-05-09 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 今回の三菱自動車・燃費ごまかし問題に関連してである。発見の端緒となった、ニッサンによる性能検証で、ニッサンは見て見ぬふりをしなかったから、この企業の倫理は正常なものであった。ところが、三菱は、過去2度も会社の存続を危ぶむ程のリコール隠しを繰り返してきた中、繰り返しのごまかし問題なのである。やはりこの企業は、企業事態に強烈に染みついた、倫理観の欠如があるのだろう。

 さて、近年企業コンプライアンスが厳しく叫ばれ、三菱自動車の従業員にも、過去何人も処分を受けた者がいるだろうと想像する。また、関連会社にも高いコンプライアンスを求め、何らかの罰を与えた事例もあるのだろう。しかるに、本体上層部(指揮発令部門)が関与すべき、あまりにも杜撰なごまかし問題の発覚が発覚したのである。ノーブレス・オブリージュ(高い地位程に責任は重い)という言葉があるが、正にその逆を行く企業運営と感じることである。

 ところで、燃費ごまかしの問題車の製造は中止され、生産ラインは停止した。関連する従業員は、自宅待機を命じられているが、早くも給与減額の話が持ち出されているという。そして、関連会社であるが、三菱電気やジャトコ等の一次メーカーは、三菱に対する依存度も低く大した影響も受けぬであろうが、二次、三次、・・・といった、世に大きく名も知られない中小、零細メーカーの中には、100%三菱の受注によって、売り上げを得ているという会社も、水島や岡崎周辺には多いのではないだろうか。正に途方に暮れていることが思われる。

 このことは、当然販売店にも大きな影響を与えている。軽自動車については三菱本体以上に販売してい日産は、パートナーとして三菱を選んだこと自体が自業自得とも思えるが、その他の三菱ディーラーなど、過去のリコール騒動の再来とも云うべき苦境に陥っているのではないか。

 最後に、まったくの私見であるが、多くのファンもいるのだろうが、三菱自動車の再建は甚だ難しいのではななかろうかと思っているのである。というのは、過去の三菱財閥のブランドを何度も棄損させたとして、財閥関連グループからは、不定的意見が噴出し、再建投資を行おうという意欲は湧かないであろうからなのである。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。