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またまた排ガスインチキが再燃か(トヨタフォークとベンツEクラス)

2023-03-22 | 事故と事件
またまた排ガスインチキが再燃か(トヨタフォークとベンツEクラス)
 昨年の排ガスおよび燃費不正に関わり、1年を経た最近、排ガス関連で2つの注目すべき不正が報じられている。
 一つは自動車と云うより産業用機械というべきフォークリフトだが、フォークリフトシェアでは世界最大のトヨタフォーク(トヨタ自動織機)だからして驚くのだが、今なおその内容や背景に不明な部分を残しているが、日野の場合と同じく、米国での発覚と改善への動きが端緒となっている様だ。

 もう一つは、ベンツ社のEクラスで、2015年にVWディーゼル詐欺で有名になった感がある「ディフェードデバイス」という特定条件を持って廃ガス検査中かを検出し、マジメに排ガスを浄化し、その他の条件では排ガス浄化はしないで、燃費や動力性能を重視させるいというエンジン制御コンピュータープログラムアルゴリズム(手順)の内蔵が発覚したということだ。なお、このベンツの件は、発覚は相当以前だが、最近その訴訟が改めて注目を集めているという記事の様だ。

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豊田自動織機、フォークリフトエンジンで試験不正 主力機種出荷停止
朝日新聞 江口英佑 奈良部健 2023年3月17日 20時30分
 トヨタ自動車グループの源流企業で、フォークリフト世界最大手の豊田自動織機は17日、国内向けフォークリフト用エンジンについて、排ガスなどをめぐる劣化耐久試験で不正があったと発表した。該当するエンジンを積む主力のフォークリフト3機種の出荷停止を決めた。特別調査委員会を設け、原因を調べる。
 不正が確認されたのは2009年に国に認証申請したガソリンエンジンの1機種と、14年に申請したディーゼルエンジン2機種。排ガスの成分の実測値を使わず推定値を使ったり、試験中に部品を交換したりしていた。ディーゼルの2機種は実際には、経年劣化によって排ガスの成分の一つが規制値を超えたという。
 3機種は21年度に計1万6500台が売れ、同社のエンジン車全体(1万7400台)の95%を占めた。売り上げは国内向けで約420億円だった。累計販売台数は計15万9600台。

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メルセデス・ベンツ 排ガス検査で不正疑い 違法な「無効化装置」使用か
公開 : 2023.03.22 06:25
 欧州司法裁判所は3月21日、メルセデス・ベンツが排出ガス検査において違法な「装置」を使用して購入者に損害を与えた場合、補償を命じる判決を下しました。違法か否かの最終的な判断はドイツ裁判所に委ねられます。

違法か否か 最終判断はドイツ裁判所へ
 ECJ(欧州司法裁判所)は3月21日、メルセデス・ベンツが排出ガス検査において違法な「ディフィート・デバイス(無効化装置)」を使用したことにより購入者に損害が生じた場合、当事者に補償しなければならないという判決を下した。
 この訴訟は、メルセデス・ベンツの中古車の所有者が、外気温が一定の基準値を下回ると排気再循環率が低下し、NOx(窒素酸化物)排出量が増加するという「ソフトウェア」を発見したことから、ドイツ連邦裁判所に持ち込まれたものだ。
 ディフィート・デバイスは、排出ガス検査で実際よりも有利な結果を作るための装置またはソフトウェアのことを指す。ECJによれば、このような装置の使用は排出ガスに関する型式認定規則に違反するとともに、購入者に発行する適合証明書にも違反するという。
 メーカーと購入者はこの適合証明書によってつながっている。このことからEU加盟国は、違反によって影響を受ける購入者に対して、メーカーからの補償を受ける権利を与えるよう求められている。
 今回指摘されたメルセデス・ベンツのソフトウェアがディフィート・デバイスに該当するかどうか、また、その使用に正当な理由があるかどうかは、最終的にドイツの連邦裁判所が判断することになる。
 ECJの判決では、同ソフトウェアが規則に違反し、購入者が対象車両を購入したことによって損害を被った場合、自動車メーカーは補償しなければならないとされた。EU加盟国は、該当する場合、その補償を独自に決定しなければならない。
 英ロイター通信によると、メルセデス・ベンツの広報担当者はこの判決に対し、各加盟国の裁判所がECJの判決をどのように適用するかはまだわからないと述べている。
 ドイツ連邦裁判所はこれまで、損害が故意である場合にのみメーカーに賠償を請求できるとし、当初の損害賠償請求を却下していた。
 メルセデス・ベンツの広報担当者は、ソフトウェア更新のためにリコール対象となった同社の車両は、これまで通り制限なく使用できると話しているという。AUTOCARはメルセデス・ベンツにコメントを求めている。


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