最近、若者のクルマ離れが喧伝されています。確かに都会では、クルマ以外の公共交通機関が発達し、機能のしてのクルマを所持するメリットは薄れているのだと感じます。そんなクルマより、IT関連機器だとか、美味しい食の楽しみとか、個別の趣味指向は多様化しているのでしょう。
一方、地方では、クルマは唯一の個人としての交通手段であり、クルマなしでは生活が生活し得ないという人々も多いのが現実なのでしょう。でも、貧しい地方の方々は、より低コストな機能としてのクルマを求める訳です。そんなことから、軽自動車は大都会より田舎程需要があるのだというのが現実なのでしょう。そんなことから、地域別にクルマの保有台数に占める軽自動車の割合を算出すれば、田舎度が計れるんじゃないだろうかと思ってしまいます。
話しは変わりますが、人はその人物の評価を所有物で行う場面というは往々にして見られることです。立派な豪邸に住んで居る人を見れば、なんて金持ちなんだというものでしょう。クルマの場合も似たような類似のことがあります。高価なクルマの乗ってる人を見て、同様に思う方がいる訳です。
特に、滑稽だと思うのは、クルマの価値というものを知らない方の中には、二束三文のベンツでも、外車に乗っているというだけで同様に思う方がおられることです。まあ、これはある意味のどかな話しだと感じます。
しかし、もっと滑稽でロクでもないと思うのは、俺は外車に乗って居るんだぞとか、高級車に乗って居るんだぞという意識のオーナー達だと思います。この様な人物というのは、私の業務絡みでも、時々触れ合いますが、下らん人物と思わざるを得ません。
これに関連した話題として記します。知り合いの板金屋さんでのことですが、レクサス(それもたかがISですよ)を修復中、突然現れたクルマのオーナー(女性らしいです)が「何で私のクルマのタイヤを床に置いているのよ!」等々と騒ぎまくられて「まいったよー」という話を聞きました。
また話しは変わりますが、これは修理屋さん等に多いのですが、外車を「ボロクソ」に評価する方が結構います。曰く、作りが悪い、信頼性がない、すぐ壊れる、等々、悪評だらけです。確かにクルマを移動手段たる機能の側面だけで評価すれば、その様な思いも判らんでもありません。
さて、私のクルマに対する価値観ですが、やはり移動手段たる機能としての評価ではないというものです。その評価の基準ですが、誠に曖昧なものですが、デザインであったり、絶対性能を度外視した走行時の喜びとしての官能であったりというものです。それと、歴史やプロダクトメーカーやプロダクトマネージャー(設計者等)に対する拘りというのも、落とせない要素と感じられます。