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デンソーのフューエルポンプ事業を売却する話しから想像する

2022-01-21 | コラム
デンソーのフューエルポンプ事業を売却する話しから想像する
 デンソーがフューエルポンプユニット事業を同じくトヨタ系のサプライヤー企業である愛三工業に売却するとの方があった。これをどう理解すべきか、私見として記して見たい。

 デンソーのフュエルポンプは、国産および外国車を含め採用している車両は極めて多い。であるから、当初の不具合発覚からリコール対象車は次々増え続け、今やその対象台数は1千万台を超えた様子が伺える。

 また、デンソーという企業は、自動車サプライヤー部門としては、ボッシュに次ぐ世界第2位の大メーカーなのだが、察するところフュエールポンプユニットの核心部位となるモーターとポンプ部品の製造は、予て愛三工業に委託生産させていたと想像できる。その愛三工業生産のポンプモーターを使用し、これも何処かのメーカーのフューエルセンダーゲージとか、タンク取り付けフランジなどと組み合わせ、フューエルポンプユニットとして完成し、出荷していたのが現状だったのではないだろうか。

 つまり、今回のフューエルポンプ不具合の理由は、ポンプ部の樹脂インペラの射出成型の温度管理が不十分なことを起因として、ポンプインペラが膨潤して寸法が拡大することによりポンプケーシングと接触してしまうことでポンプが回転し続けることができなくなってしまうと説明されているが、先の想像の通りだとすれば愛三工業に真の原因があったことになるだろう。

 そんな前提で思考すると、現在のデンソーと愛三工業の企業業容を比べれば資本金ベースで18倍もの格差があり、デンソーにしてみればフューエルポンプ部門など取るに足らず、そんな些末な部品の不始末で(それも委託先がトリガーとなり)ブランド価値を毀損してしまったことについて苦々しく感じていることがあったのかもしれないとも思える。

 という前提の上に、デンソーの首脳陣は、今後不具合が生じたら自己責任でやれという思考が出て来て、今次売却ということになったのではないだろうかと勘ぐってしまう。

 それと、今次のリコールにより委託生産していたとすれば、デンソー側にも管理者たる役員か部長級、そして課長級の担当する上級職が存在したと思えるが、業務譲渡に伴う業務の速やかな移転という名目だろうが、デンソーから愛三工業への移籍という一種の懲戒にも相当するかの処置が取られているのかもしれないとさらに想像は膨らむ。

 こういうことを考えると、いかな大企業と云えども、見栄とプライド、発注先企業への見下しなど、極めて泥臭いというか、ある意味人間的とも云える心理が働いているとも考えられるという想像だが、あながちないあり得ないといえないと考えている。

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デンソー、愛三工業へフューエルポンプモジュール事業を事業譲渡
編集部:椿山和雄2022年1月17日 16:39
2022年1月17日 発表
 デンソーと愛三工業は1月17日、デンソーから愛三工業へフューエルポンプモジュール事業を事業譲渡する契約を締結したと発表した。同事業譲渡に伴い、愛三工業は、米国のKDMK(KYOSAN DENSO MANUFACTURING KENTUCKY, LLC)の全持分を取得する。

 今回、事業譲渡が決定したフューエルポンプモジュールは、燃料タンクからエンジンへ燃料供給するために必要な部品を機能として一体化した製品。

 デンソーと愛三工業では、2019年5月20日の基本合意以降、両社のパワートレイン領域における重複分野の競争力強化に向けた「デンソーから愛三工業へパワートレイン事業の一部譲渡」、および将来の成長領域における相互の連携強化を目的とした「デンソーによる愛三工業に対する出資比率の引き上げ」について検討を進めてきた。

 両社で議論を重ねてきた結果、フューエルポンプモジュール事業をデンソーから愛三工業へ譲渡すること、それに伴い、KDMKの全持分を愛三工業が取得することを決定。なお、デンソーによる愛三工業への出資比率の引き上げについては、見送られた。

 デンソーと愛三工業では、「引き続き連携をしながら互いの強みを生かすことにより、地球にやさしいモビリティ社会の実現に貢献します」とコメントしている。

 なお、譲渡実行日は2022年8月1日(予定)で、同事業譲渡は各国・地域の競争法当局の承認取得などが条件となっている。
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愛三工業、燃料ポンプ事業買収=デンソーから、190億円
2022.01.17 時事通信
 愛三工業は17日、自動車用の燃料ポンプなどを一体化した部品「フューエルポンプモジュール」に関わる事業を8月1日付でデンソーから買収すると発表した。デンソーのグループ各社が持つ関連事業に加え、燃料ポンプを製造する米孫会社の全持ち分も取得する。役員や従業員、土地や建物は譲り受けの対象外で、買収総額は190億8100万円。 

 愛三工業とデンソーはともにトヨタ自動車系の部品会社。2019年5月、デンソーのパワートレイン(動力伝達装置)事業を愛三工業へ譲渡することなどで基本合意し、協議を続けていた。

 ただ、当時合意した内容のうち、デンソーによる愛三工業への出資比率(現状8.7%)引き上げについては、得られる相乗効果などを勘案し、見送ることになったという。

 デンソーの同事業の業績は、21年3月期実績で売上高が703億円、営業利益は3億円だった。
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2 コメント

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記事削除希望 (匿名希望)
2023-12-13 15:56:02
愛三工業の社員です。
私見とはいえ、会社の実名を出して、あたかも不具合原因が当社の責任にあるのではというのはおかしい。(読者に誤解を与える表現です)
デンソーがリコールを出した当時、当社とデンソーは競合関係にあり、当社からデンソーに燃料ポンプを供給していたという事実は一切ありません。事実無根のことを記事として掲載するのはやめていただきたい。
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愛三工業 (wiseman410)
2023-12-21 09:41:03
愛三さんは、デンソーと「当社とデンソーは競合関係にあり、当社からデンソーに燃料ポンプを供給していたという事実は一切ありません。事実無根のことを記事として掲載するのはやめていただきたい。」とある件は、心根だろう。つまり、デンソーと愛三では、同所ポンプの異常を一切でおらす、デンソーは後のフーエルポンプ所要を愛三に致したが、もともとの愛三は同社では同ポンプは愛三工場との密約なかたった。
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