【過去の紀行文】感心すべきレストア工場のご紹介
ご無沙汰もしておりますが、皆様お元気で益々ご活躍のことと想像致しております。
私も単身赴任で三河の地(安城市)の住人になって、1月半を経ました。そんな中、つい先日のことですが、仕事絡みで昭和40年式クラウンのパーツを探す中で、隣町である岡崎市にトヨタS800(通称ヨタ8)を得意にする驚くべきレストア工場さんと知り合うことが出来ましたので紹介してみたいと思います。
この工場さんは、元々が鈑金屋さんでなく整備工場さんで、社長さんは52才だとお聞きしました。先にも記したと通り、ヨタ8が得意で、ほぼ専門ともいえるレストアを手がけているとのことです。現在、お客さんから預かっているヨタ8が20台位あるとのことです。
まず、レストア済み車両を見せてもらいましたが、外観は丁寧な作業さえ行えば十分このレベルのことは何処の工場さんでもやっていることと思います。しかし、エンジンルーム内を見れば、ボルト1本が、単なる金属製のブラケットが、新車同然の輝きというか質感を持っているのです。(新品同様の再メッキ処理をしているとのことです。)これは、エンジン搭載前の作業途中の写真を見てもらえば、更に良く判ってもらえると思います。
そして、別工場でのホワイトボデーのレストアの様子も見せてもらいましたが、ロッカーパネルからフロア関係等はほとんどが作り直している様子が伺えました。しかし、驚くのは工場内にベンダーやシャーリングがあるのはともかく、プレス機までが鎮座しており、ある程度のパネルやブラケット類は内製しているとのことなのです。別工場におけるボデー作業写真を見てもらえれば判ると思いますが、フロアパネルの凹凸加工等もオリジナルに忠実に綺麗にプレス加工されています。何しろ、錆の生じたパネルはすべて切り取り、新設パネルに付け直すという作業を行っていることが判ります。インナーパネルについては、オリジナル同様にほとんどパテ付けなどはなく作業がなされていることが判ります。但し、アウターパネルは、面出しのために総パテにはなるとのことでしたが・・・。
しかし、驚くべきことは別にあります。それは、工期(というか納期)のことなのです。ここまでの作業を行う前提で、ユーザーからは3ヶ月を目処として受託しているとのことなのです。この内、ボデー関係の修復に2ヶ月、そして組立に入って1ヶ月で仕上げるペースで進めているとのことなのです。この工期については、私が今まで見聞きしてきたレストア作業とは一線を画す信じられない工期であるとも思います。(通常レストア受託は納期なしの前提で受託する工場さんがほとんどだと思います。)
ボデー作業者は3名体制で何れも比較的若い方ですが、以下の様な理由によって作業期間の短縮を達成されていることとお見受けました。
・予め頻度の高い部分パネルをプレス機等で作りストックしていること。
・同一車種を繰り返し行うことによる作業の標準化が達成されていること。
・メカニカルパーツ等も膨大な在庫を保有していること。
以上の様な理由により、いわゆる部品待ちの期間がないことも、工期短縮の大きな要因であると思います。しかし、同社社長さんの説明でも、当初は時間が掛かってしまって、どうしたら短縮できるかを何度もミーテングを繰り返して来たと話されていたのが印象的でした。また、同社長さん話では、当初はボデー修復を板金工場に外注していたが、納期が長く思った様な仕上がりにならないことや、こちらの要求を聞いてもらえず喧嘩になることもあったとか。
しかし、私が今まで読んだり見たり聞いたりして来た車両のレストアというのは、事業として採算を取ることが極めて困難であるというものです。(工期が掛かり過ぎその分の総てを請求しきれないというもの。)しかし、車種を特化し、総員10名弱だとお見受けする体制を維持しつつ、レストアを事業として進めているこの様な工場があることを知ったことは驚き感心する出来事となりました。送信日時: 2004年5月16日 日曜日 23:37 写真15枚
ご無沙汰もしておりますが、皆様お元気で益々ご活躍のことと想像致しております。
私も単身赴任で三河の地(安城市)の住人になって、1月半を経ました。そんな中、つい先日のことですが、仕事絡みで昭和40年式クラウンのパーツを探す中で、隣町である岡崎市にトヨタS800(通称ヨタ8)を得意にする驚くべきレストア工場さんと知り合うことが出来ましたので紹介してみたいと思います。
この工場さんは、元々が鈑金屋さんでなく整備工場さんで、社長さんは52才だとお聞きしました。先にも記したと通り、ヨタ8が得意で、ほぼ専門ともいえるレストアを手がけているとのことです。現在、お客さんから預かっているヨタ8が20台位あるとのことです。
まず、レストア済み車両を見せてもらいましたが、外観は丁寧な作業さえ行えば十分このレベルのことは何処の工場さんでもやっていることと思います。しかし、エンジンルーム内を見れば、ボルト1本が、単なる金属製のブラケットが、新車同然の輝きというか質感を持っているのです。(新品同様の再メッキ処理をしているとのことです。)これは、エンジン搭載前の作業途中の写真を見てもらえば、更に良く判ってもらえると思います。
そして、別工場でのホワイトボデーのレストアの様子も見せてもらいましたが、ロッカーパネルからフロア関係等はほとんどが作り直している様子が伺えました。しかし、驚くのは工場内にベンダーやシャーリングがあるのはともかく、プレス機までが鎮座しており、ある程度のパネルやブラケット類は内製しているとのことなのです。別工場におけるボデー作業写真を見てもらえれば判ると思いますが、フロアパネルの凹凸加工等もオリジナルに忠実に綺麗にプレス加工されています。何しろ、錆の生じたパネルはすべて切り取り、新設パネルに付け直すという作業を行っていることが判ります。インナーパネルについては、オリジナル同様にほとんどパテ付けなどはなく作業がなされていることが判ります。但し、アウターパネルは、面出しのために総パテにはなるとのことでしたが・・・。
しかし、驚くべきことは別にあります。それは、工期(というか納期)のことなのです。ここまでの作業を行う前提で、ユーザーからは3ヶ月を目処として受託しているとのことなのです。この内、ボデー関係の修復に2ヶ月、そして組立に入って1ヶ月で仕上げるペースで進めているとのことなのです。この工期については、私が今まで見聞きしてきたレストア作業とは一線を画す信じられない工期であるとも思います。(通常レストア受託は納期なしの前提で受託する工場さんがほとんどだと思います。)
ボデー作業者は3名体制で何れも比較的若い方ですが、以下の様な理由によって作業期間の短縮を達成されていることとお見受けました。
・予め頻度の高い部分パネルをプレス機等で作りストックしていること。
・同一車種を繰り返し行うことによる作業の標準化が達成されていること。
・メカニカルパーツ等も膨大な在庫を保有していること。
以上の様な理由により、いわゆる部品待ちの期間がないことも、工期短縮の大きな要因であると思います。しかし、同社社長さんの説明でも、当初は時間が掛かってしまって、どうしたら短縮できるかを何度もミーテングを繰り返して来たと話されていたのが印象的でした。また、同社長さん話では、当初はボデー修復を板金工場に外注していたが、納期が長く思った様な仕上がりにならないことや、こちらの要求を聞いてもらえず喧嘩になることもあったとか。
しかし、私が今まで読んだり見たり聞いたりして来た車両のレストアというのは、事業として採算を取ることが極めて困難であるというものです。(工期が掛かり過ぎその分の総てを請求しきれないというもの。)しかし、車種を特化し、総員10名弱だとお見受けする体制を維持しつつ、レストアを事業として進めているこの様な工場があることを知ったことは驚き感心する出来事となりました。送信日時: 2004年5月16日 日曜日 23:37 写真15枚