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ホンダは欧州と同期した全EV化方針を国内メーカーとして真っ先に打ち出したのか

2021-09-28 | 問題提起
ホンダは欧州と同期した全EV化方針を国内メーカーとして真っ先に打ち出したのか
 過去何度か述べた様に、EV化の各国政府方針は、欧州は正にEVとFCVのみを2035年までに100%にすると云っている。それに対し、米はPHVも加えたものを2030年までに50%にするとしている。そして、日本はHV、PHVを含めて、2035年までに100%としている。

 こういう政府方針の基に、欧州自動車メーカーではEV化が進める車両メーカーが目立つ訳だが、国内および米国を見れば、未だ内燃機関の存在も許される余地があるのだが、何故ホンダは国内メーカーではいの一番に欧州に同期した方針を打ち出したのだろうか。

 このことは、国内メーカーの中でも、ことエンジンに対し思い入れが強かったと思える車両メーカーだけに、驚きを感じる。確かに、欧州市場へのホンダの依存度が高いという側面はあるだろうが、米国もいち早く米国工場を立ち上げたのはホンダだし、市場依存度は高い。

 では、EVにおけるホンダのポテンシャルが十分あるのかと考えてみる訳だが、HVやPHVについては、取り立てて独自の光を見せる技術があったとは思えない。また、FCVについては、一時期トヨタと拮抗する開発体制を感じたが、市販車を出す頃になって、パッタリとその開発を沈めてしまった様に見える。

 そんな中、ヨーロッパのEV規制の2035年の10年前に当たる2025年に、国内プラント事業所を閉鎖すると発表したと云うことは、ホンダのEV化宣言は抜き差しならぬホンモノで、4年後にはエンジン製造を止めることを宣言したことになる。こうなると、今現在から新規エンジンの開発は、もうしないという腹であろうことは容易に判る。

 しかし、現時点でホンダのEV車で特にヒット作と云うべきクルマは出されてもいない。この面では、国内メーカーでは、ニッサンのリーフが、単独で量産車を作っているに過ぎないのだ。

 しかし、ホンダの経営人はどうやって、あと4年でEVに切り替えるつでもりなのだろうか。何とも背水の陣をひき、早期決断をしたのは良いとみるべきなのか、あまりに拙速とみるべきか。

 現在、世界市場におけるEVの比率は、いいところ数パーセントと低いものであるのが現状だ。これが、EV比率が増していくとき、どの様な今は見えていない大きな落とし穴たるべき問題が表出する可能性すらある様に思える。結論としては、ホンダの決断は、あまりに冒険的で成功の確信がないまま、断を下した旧日本の開戦を思い出さずにはいられない。


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