私の思いと技術的覚え書き

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いすゞエルガ路線バス(現行型)の紹介

2018-12-30 | 技術系情報
 先日、藤沢市にあるいすゞプラザで見た路線バスエルガの現行仕様を紹介してみます。エンジンルームの写真のみNet入手です。

 ご存じの通り、いすゞと日野のバスはJBUSを設立し、それぞれのブランドとして販売しています。この内、観光系は日野が主体のJBUS小松で、路線系はいすゞが主体のJBUS宇都宮で製造している様です。従って、この路線系となるエルガも、JBUS宇都宮で、ほぼいすゞのテクニカルデザインで設計、製造されているのでしょう。以下、気付いた点などを記載してみます。
①ボデースタイルは様々なバリエーションがあるのでしょうが、長らく変更されていないものです。バスのフロントバンバーは観光系もしくは路線系とも、3分割のデザインとなっています。この理由はスペアタイヤの装着位置にあります。現在のバスはリヤエンジンですので、トラックのように後部には装着できません。また、サイド部も低床化とか観光系ではトランクスペースのため、スペアの収納スペースは、前部中央しかなく、その脱着のため、フロントバンパー中央部が開閉式構造になっているのです。

②前後およびサイドですが、非常にガラス面積が大きくルーミーな室内空間を生み出しています。現在のバスは、トラックの様に縦に縦貫するフレームを持たない、メーカーで云うところのスケルトン構造、すなわち比較的薄板(3t程)の角断面パイプを組み合わせて、前後左右上下の6面体をそれぞれ作り、それを立方体として組み合わせることで、車体の剛性を確立させています。但し、前後のサスペンションおよびエンジン付近だけは、局部剛性を確保すためのサブフレームで補強しています。なお、今回見たエルガの左側面など、乗降口扉廻りは大きく開口しており、このままでは面剛性の大幅に低下しますから、この開口部周辺の厚板かつ平断面を大きくして補強していることと想像します。

③エンジンリッド開口部の写真はNetで入手したものです。新車諸元をNetで眺めると、今やこのエルガシリーズ(11m級、10m級)でさえ、5.2L・4気筒ディーゼルで、AT(トルコン)もしくはAMT(電子制御クラッチ制御)しかなく、MT仕様はない様です。なお、写真を見て判る様にラジエーターはエンジン右側に並んで装着されていますが、このスタイルはリヤエンジン移行以来、ずっと踏襲されてきたものです。現行の観光系など、ラジエータおよびインタークーラーは、ボデーサイド面に沿って、エンジン軸と平行に装着することで、大面積の熱交換性能を確保しています。

④運転席廻りですが、観光系に比べると、非常に簡素な印象を受けます。観光系は、右サイドコンソール部など、室内照明など、多くのスイッチが並んでいますが、このクルマではドアの開閉レバー程度しかありません。なお、室内サンバイザー上の右側に見えるテンキーパットみたいのは、前後のLEDマトリクス表示板のコントローラーだろうと想像します。詳しくは触れたことないので想像ですが、予めPCなどで表示する文字列もしくはアイコンの書体や色等の属性を何種類かメモリーカードにセットしておき、そのカードを車両側の表示器にセットすることで、簡易な操作で表示を切り替えできるというものでしょう。






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