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【過去の紀行文】観艦式見物行のこと 2003年10月26日

2003-10-26 | 過去の紀行文
【過去の紀行文】観艦式見物行のこと
 10月21日の火曜日に、待望の観艦式(予行)に参加できましたのでレポートしてみます。

 当日は朝5時に起床、5時53分沼津発の東海道線に乗り、一路横須賀へ向かいました。横須賀駅に8時ごろ到着、駅は同様の観艦式参加者らしい沢山の人達で混み合っていました。そして、今回のチケット入手等で、大変お世話になった某センター長さんと落ち合い、横須賀・吉倉港へ徒歩で向かいます。港には、多数の護衛艦が立ち並び壮観です。

 今回乗艦できる船は、「きりしま」という最新鋭イージス護衛艦です。乗艦時にもらったパンフレットによれば、排水量7千余トン、ガスタービンエンジンを4基を備え、馬力は10万馬力とのことが記載されています。航海中は流石にガスタービンエンジンです、従来のレシプロエンジンの様な鼓動は感じられません。

 9時30分に出港です。タグボートで引き出され、いよいよ発艦します。天気は、快晴、波も少なく、艦は右手に三浦半島・観音崎を見ながら東京湾・浦賀水道を滑るように進行して行きます。浦賀水道といえば交通の要衝と聞きますが、タンカー、自動車専用船、LNG専用船、等々、結構な数の船とすれ違い、そのことを感じさせてくれます。そして、三浦半島を右に巻くようにして相模湾沖に出ますが、ここが観艦式の会場です。

 観艦式は、観艦する船が縦2列になった間を、観艦を見せる方の艦列が対抗してすれ違うという方法で行われます。護衛艦、輸送艦、潜水艦などのパレードです。その後は、5インチ砲の発射、対潜水艦ロケット弾の発射、P3C航空機からの潜水艦爆弾の投下、等々が続きます。5インチ砲(口径120mmぐらい)の発射は空砲ですが、結構大きな音が出ます。対潜水艦ロケット弾では、発射されたロケット弾は、弾道が目に見えるような比較的遅い速度で飛んで着水し、暫くして爆発します。

 ところで、この観艦式が始まってからは、艦はほとんど停止状態になって波間に漂う状態になったのですが、ゆっくりと軽く上下の揺れが続きます。暫くしてから軽い船酔い状態に陥ってしまいました。そんな中、気を取りなおし好奇心に駆られて「きしりま」の艦内を歩き回って見ました。立ち入り制限がされて、一定の範囲しか見ることはできないのですが、うろうろと歩き廻りました。思っていたより艦内は綺麗で、床もオフィスと変わらないリノリウム張りです。しかし、通路は狭く、途中に何カ所も仕切の防水扉を超えていかねばならず、頭上と足下に気をつかいます。それと上下フロアへの移動は、狭く急な階段と、フロアへの出入り口が開閉式のハッチ構造のため、足を滑らせないように気をつかいます。操舵室へは、何層も階段を上ってたどり着きました。流石に艦橋は高く見晴らし良好です。艦橋後部のデッキに、多数の信号旗がアルファベットおよび数字で順番に格納されているのが目を引きます。「坂の上の雲」でも、日・露の両艦隊の描写において、信号旗で艦の意志を示す状景がありましたが、そのことが思い出されます。なお、予想していた通り、イージス艦の戦闘指揮室(CIC:コンバット・インフォメーション・センター)を覗くことは出来ませんでした。

 観艦式は26日の日曜日が本番なのですが、これに向けてこの一週間は海上自衛隊の方々は、連日同様のプログラムを繰り返し大変なことだと感じます。ちなみに「きりしま」だけで、800名以上の見学者が乗船しているとのことでした。航海中は、艦尾に2名のウェットスーツ姿の隊員が待機し、万一の転落者の際にも備えている様でした。そして、隊員の方々で印象的だったのは、年配の方(たぶんご自分の父母)の相手をされている姿や、奥さんと子供さんを招待している様子である姿を見るに付け、彼ら隊員にとってもこの観艦式が記念すべき日なのだと感じられたのです。  天気は快晴で暖かい日差しでしたが、方向を変えたりして風が強まると海上での風は冷たく感じます。これが雨天や日差しがないような陽気であったら、寒くて楽しさも半減したものと思います。そして15時を過ぎるころになると、日差しが弱まり風が冷たく感じられてきました。予定通り16時30分頃に横須賀港へ帰着、順調に家路に向かい、20時ちょっと前には帰宅できたのでした。ということで、非日常的な体験を楽しめた1日が終わりました。

※添付は当日のへたくそな写真ですが、若干は雰囲気が判ると思います。送信日時: 2003年10月26日 日曜日 22:40(写真17枚)

















01 横須賀・吉倉港の多数の護衛艦。(出航前) 03/10/20
02 出航前の護衛艦上から。「きりしま」へは、横付けされた護衛艦2艦を通り乗船した。 03/10/20
03 護衛艦の誘導ミサイル発射ランチャー。1本だけの旧式のもの。最新鋭イージス艦である「きりしま」のVLS(垂直ミサイル発射装置)は、前部29、後部61の計90発を装備出来る様だ。03/10/20
04 護衛艦「しらね」の5インチ砲2門。03/10/20
05 護衛艦「しらね」の艦橋部分。この「しらね」だが。この後2007年にCICで火災事故を起こし、同室を全焼し修復、2015年に除籍となっている。火災事故の原因だが、本来の複雑なる機器と配線によるものでなく、調査結果は無許可で同室内に持ち込まれた艦内の電圧に変圧されていなかった中国製の「保冷温庫」の過熱が出火原因となったと結論付けたそうだ。03/10/20
06 ハープーンと云う対艦ミサイル発射筒。 07/08/13
07 「きりしま」の5インチ速射砲。 昔の戦艦大和の用に中に人が入っている訳ではなく、すべての動作が遠隔制御の様だ。なお、オートフォーカスカメラと同様に、精巧なジャイロによる艦の揺動検出に応じ、標準は自動修正される様だ。03/10/20
08 「きりしまの」艦橋部。SPYレーダーが艦橋の4面に装備されている。フューズドアレイレーダーというもので、従来のレーダーの様に回転せず、瞬時に全周の相手物を検出する。03/10/20
09 「きりしま」艦内通路の様子。03/10/20
10 「きししま」の銘板です。H7年式です。三菱重工・長崎は戦艦「武蔵」を建造したところ。03/10/20
11 「きりしま」の艦橋上部から後方を写した写真。 僚艦等に艦の意志を示す、多数の信号旗がアルファベットおよび数字で順番に格納されている。03/10/20
12 「きりしま」から眺めた併走する僚艦である「しらね」です。 03/10/20
13 「きりしま」艦尾より見た、後続する僚艦です。 03/10/20
14 「きりしま」艦尾より見た写真。旭日旗(きょくじつき)が風にはためく。03/10/20
15 「きりしま」より見た潜水艦が浮上する様子。03/10/20
16 僚艦の5インチ砲の発射(空砲)の様子。03/10/20
17 「きりしまの」の操舵室内の様子す。こんな練習航海でも、乗員には緊張感が漂い伝わってくる。 赤い椅子が艦長席だろう。03/10/20


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