私の思いと技術的覚え書き

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日野・大型トラックプロフィア・低床4軸車でフロントハブリコール

2021-04-01 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 日野の大型トラックについて、低床4軸車のフロントハブ(ということは前2軸4箇所)のフロントハブアウターベアリングとナックルシャフト(スピンドル)の寸法関係が悪く、アウターベアリングが焼き付き(過熱)して火災や脱輪に至る恐れがあるとリコールを届け出た。

 このリコール届け出は、メーカーが記述して国交省に提出するものだろうが、相変わらず技術者として意味を誤解しかねないような記述が次の様に目に付く。

メーカー記述
基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因
 大型トラック低床4軸車のフロンハブベアリグにおいて、ナックルシャシャフトの圧入代が大きいとフロントハブ組付け作業時に ベアリングを傷つけることがある。そのため、使用過程でベアリング損傷して火災や脱輪 火災や脱輪 火災や脱輪に至るに至るおそれがある。

 ここで、「圧入代が大きい」とは、シャフト外径とベアリング内径の差が小さいことを指すのか、大きいことを指すのか判り難いもしくは誤解を生じる表現であると思える。一般的な表現として圧入代の「代」とは代わりになる余白で、遊びを指すとも思えてしまう。しかし、どうやら組み付け作業で正規のプレロードが生み出せなかったと考えると、寸法差が小さ過ぎ、アウターベアリングの動きが極めて固く、過剰なプレロードを生じていたと解される。

 製造後に故障が連続してリコールの届け出となるまでは、ある程度の使用期間が必要になるのだが、本リコールの対象製造年は2010年~2017年の7年間で、対象台数13千台余となっており、不具合件数13件、事故の有無として火災3件(ハブ付近のみ)と記してある。もっと早くリコールを出すべき原因の究明ができなかったのかとも思えて来てしまう。

 この13千台余のリコール費用だが、全額日野自動車が負担するのだろうが、ナックルスピンドルシャフト外径か、もしくはベアリング内径の寸法較差が原因だろうが、ベアリングの内径交差が原因となったとは考え難い。となるとスピンドルシャフトの外径較差が最大要因とも推定できるが、いわゆる協力工場で製造しているのかもしれない。だとすれば、リコール費用の一部は、その強力工場に求償が求められることになるのかもしれない。

 なお、市販部品で本作業を行う場合は、推定となるが、ナックルスピンドル1ヶ5万×4+全フロント2軸ハブベアリング(8ケ)の4万でグリス再充填などを含め24万位の部品代となるのだろう。ただし、メーカーの部品入手価格は、市販価格の1/10程度とも推定されるので25千円程度となるのだろうか。それとディーラーに保障する作業費だが、方1輪1.0h×4で4.0hとなり、クレームレバーレート6千円×7で24千円だ。部品と工賃の合計は1台約5万円となり、それが13千台だから65千万と拙人は見込むが実態はどうか? 興味の湧くところだが、何れにせよ6億や7億の費用は痛くも痒くもないものだろう。





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日野自動車、1.3万台リコール 火災3件、脱輪の恐れも
3/31(水) 17:20配信 時事通信
 日野自動車は31日、脱輪や火災の恐れがあるとして、トラック「日野プロフィア」1万3643台(2010年6月~17年5月製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。

 火災3件を含む計13件の不具合が報告されたが、けが人はなかった。

 国交省によると、前輪の車軸の回転をタイヤに伝える部品の組み付けが不適切で、脱輪などにつながる可能性がある。

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