私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

失敗に学ぶのは大切なことだけど・・・

2011-06-10 | 事故と事件
 未曾有の原子力災害を生じているところの福島第一原発事故ですが、過日の報道によると政府の「事故調査・検証委員会」(委員長・畑村洋太郎東大名誉教授)の初会合が開かれたそうです。この畑中教授は「失敗学」として、失敗に学び同じ愚を繰り返さないようにするための学問の権威だそうです。失敗に学ぶとする同委員会の原因追及には期待が持たれるところですが、種々の懸念も感じるところです。

 懸念の一つは、居座り首相は「政府から独立してしっかり判断して欲しい」などと発言したと報じられているが、政府が委員を任命して作った機関が、何処まで独立した判断ができるのだろうかと云うことです。

 二つ目は、畑中教授(委員長)は、、「原因究明の動作ができなくなってしまう」として責任追及は目的としないとしていることです。このことは、同委員会として止むないことであろうが、起因者(東電および政府関連組織と組織内の責任者達)の過失が免責にされやしないかという怖れも持つものです。

 しかし、原子力ってのは不思議な産業と感じます。今回の様な壊滅的事故は日本では今までなかったとはいえ、JCOの臨界事故や冷却水配管の減肉破断による死亡事故などを含め、何度も小事故(あくまで今次事故に比してのこと)を繰り返して来たのですが、今まで起訴され個人責任までの判決を受けたのはJCO臨界事故くらいでしょう。幾ら、核物質の秘密があるからと云って、民間企業が起こした責任追及もほとんどなされてこなかったというのが実態だった様に思われてなりません。



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