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自動車整備士の志願者が激減している

2021-09-28 | 問題提起
自動車整備士の志願者が激減している
 これは、私の職業柄も既知のことであったが、自動車整備士の志願者が減っているという報だ。
 下記に転載した報道によれば、自動車整備士は全国の約34万人いるが、毎年行われる整備士の国家試験申請数が05年に約7万であたものが、20年には約4万名と減少しているということだ。

 この影響は、整備士を養成する、全国の専門学校や大学の入学者数の減少も。05年11,200名から20年は6,639名と半減しているという。

 また、整備の現場でも、高齢化と想像するに若年齢の整備士を欲しているのだろうが、人手が集まらないと云うことだが、これも前々から聞いていたところだ。

 記事では、この原因にまったく踏み込んでいないが、一つは有能な整備士には、結構広範な車についての知識が求められるものだが、それに伴う給与が払われていないことに根本理由はあると思える。なお、この理由には、整備工場が単純作業だけでなく、結構な知識を求められる割に、十分な収益が上がらないことに理由がありそうだ。このことは、ディーラー系以外の整備工場にフィランチャイズの幾つかのブランドを持った工場があるが、大資本が自製業に乗り出さない理由もここにあると思える。

 それと、関連することで記しておきたいが、損保調査員(通称アジャスター)は、損保の合併により、総数は往時より微減していると思われるが、高齢化しており、欠員補充のため、求人しても有望な者が集まらないという話しは、だいぶ以前から聞いている。この損保調査員のなり手としては、いわゆる専門学校などの学卒者も居るが、どちらかと云えば、ディーラーなどで整備の経験者多いと知見しているが集まらず、採用する事例として合併によりある意味社風の違いからスピンアウトした、既アジャスターが多いと漏れ伝わり聞いている。なお、損保調査員の給与は、往時に比べ低下しつつあるが、それでも地場の修理工場などと比べれば、全国ネットで給与は同じだし、かなり優位にあるのだが、交渉事が大変だとか、昨今は調査件数など数を求められるとか、転居を伴う転勤もあり得るとなると、応募が躊躇われるのか・・・。

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自動車整備士の志願者激減、現場で人材の奪い合い…工場の社長「引き抜きの電話ある」
9/28(火) 15:31配信 読売新聞オンライン
 車検などを行う国家資格・自動車整備士の担い手不足が深刻化している。若者の車離れや職業の多様化などが要因といい、試験の申請者は15年で5割近く減った。自動車整備工場などの現場では人材の奪い合いも起きており、国は車の安全確保にも影響を及ぼしかねないと懸念している。(越村格)

 「ここは異常なし」。専門学校「東京自動車大学校」(東京都葛飾区)の実習場で22日、つなぎ姿の生徒たちが声を掛け合いながら、ボンネットの中をのぞき込み、故障箇所を探した。

 タブレット端末を車の電子システムに接続して異常をチェックし、リフトで車を持ち上げて底面も点検。3年生の男性(20)は「子どもの頃から車が好きで、実習で組み立てたエンジンが動いた時は感動した。整備士として就職したら、色々な車を扱ってみたい」と笑顔を見せた。

 同校は、4年制の1級整備士コースや2年制の2級コースなどがあり、約500人が学ぶ。教材にレクサスやフェラーリなどの高級車や燃料電池車もそろえ、即戦力の人材育成を強みとするが、数年前から定員割れが続く。小倉基宏校長は「大学へ進む人が増えたうえ、車に憧れる子が減っていると感じる。車社会を支えるやりがいのある仕事なのに、生徒の確保は難しくなっている」と語る。

 自動車整備士は、法令で義務づけられている車検と定期点検、修理などに従事し、整備工場には一定数が必要とされる。全国で約34万人にのぼるが、新たに整備士になる人は年々減っている。

 全国48の整備士専門学校でつくる「全国自動車大学校・整備専門学校協会」などによると、2020年度の入学者数は約6300人で、05年度(約1万1200人)の半数近くに落ち込んだ。

 試験(学科)の申請者数も05年度の7万人から、20年度は3万6630人とほぼ半減した。18歳人口の減少や大学志向、若者の車離れなどが要因だという。

 現場では人手不足と高齢化が進んでいる。20年度の自動車整備要員の有効求人倍率は4・5倍で、全職種の1・01倍を大きく上回り、平均年齢も45・7歳で全職種の43・2歳より高い。

 横浜市の自動車工場「玉野自動車」では、5年ほど前からハローワークで求人募集しても、応募者が集まらない。整備士5人で仕事を回しているが、追いつかず、修理に4か月待ってもらったこともあった。平林潔社長は「人材会社から従業員に引き抜きの電話もあり、取り合いが始まっている。技術継承の観点からも若手を採りたい」と危機感を募らせる。


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