私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

Dino の記憶

2016-12-22 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 ディノ(ディーノ)と聞けば、3つのことが思い浮かぶ。1は、クルマ好きなら誰もが思い浮かべるフェラーリ・Dino(246GT & 206GT)だろう。2は、FIAT・Dino で、これもエンスーだったら知ることだろう。3は、それらに搭載されるエンジンの俗称(型式 Tipo135B & Tipo135CS)であり、後のランチア・ストラトスにも搭載されたものだ。

 元来がメカ屋である視点からすると、エンジンに感心が湧くところだ。エンジン設計は、航空機用エンジンデザイナーのフランコ・ロッキという方の様で、Dino206 市販以前のF1マシーンにも、型式246ディノとして登場していたが、戦績はパッとしなかった様である。この理由として、エンジン出力は当時の水準を超えていたが、レーシングマシンとして、時は既にFRの時代からMIDの時代を迎えていたということらしい。このことは、「より非力のMIDマシンたる、クーパークライマックスにコーナー入口で簡単にアウトブレークされたのであった」との「中村良夫」氏の著述にもある。

 さて、市販車 Dino の方は、206が手作りアルミボデーであるが、エンジンブロックもアルミ鋳造製である。246になると、生産効率重視だろうが、スチールプレスボデーで、なおかつエンジンブロックも鋳鉄製となる。どちらも65°V6で吸排2バルブ仕様のエンジンである。キャブレーションは、ダウンドラフト・ウェーバー(40DCNF)3連装というものである。

 写真は、さるべきところで、知り合いの板金屋さんに、私が「クルマ好き変人」を意識して、連れて行ってもらった、廃屋みたいな工場でのものである。(キャブレター単体写真はNETから借用のもの)極短時間の見学であり、工場主とも挨拶程度の話しかしなかったので、失礼ながら、「こんなところに、こんなクルマ(他にF40もあり)があるとは」と驚いたものだったのだ。

 しかし、程度の良い旧車とか高額車が入庫している工場とは、一般に腕の良い方なんだろうなーと想像していた。しかい、後日談があり、今回のことを以前から信頼している、フェラーリ通ならたいてい知っている町田のA板金さんとか、三島の箱根山の麓でアバルト系を特異とするレストア屋として高名なH氏に聞くと、両名共が共通して「あいつかー」とか「まだやってるのかー」とか、詳しく聞くつもりもないが、極めて評価は低いのには驚いたのだ。つまり、立派な高価なクルマが入庫している工場だからといって、必ずしも信頼されるべき立派な仕事をしているとは限らないという一つの事例なのだった。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。