生活保護基準引き下げ違法
2021年02月25日(木)
生活保護費を減額した決定の取り消しを求めた訴訟の判決が22日、大阪地裁でありました。
23日の朝日新聞です。
判決は、厚生労働相の判断過程に「過誤、欠落がある」として裁量権の逸脱による違法を認定しました。
これ、下級審の方が上級の判断をするという見本のようなものであります。(笑)
原発再稼働の判決もそうでした。
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大飯原発歴史的判決
2014年5月22日(木)
今朝は、ショックが2回ありました。
いつものように、早朝ウォーキングに出る際ドアの郵便受けに新聞が半分に折って挟まっていたのですが、「大飯原発再稼働・・」と見えましたので、やっぱ再稼働を認めたのかと、これが一回目のショックでした。
ウォーキングから帰り新聞を全部開いて見ると、「再稼働認めず」とあるではありませんか!しかし、二度目のショックはそのことではありません。その判決内容に対してです。これほどの歴史的価値のある判決はあるでしょうか!!
「人格権は憲法上の権利であり(13、25条)、わが国の法制下においてこれを超える価値を他に見出すことはできない。」
「原子力発電技術の危険性の本質及びそのもたらす被害の大きさは、福島原発事故を通じて十分に明らかになった。福島原発事故の後において、この判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しい。」(注 いわゆる「事情判決」に対する痛烈な批判とも思えます。)
「被告(関西電力)は本件原発の稼働が電力供給の安定性、コスト低減につながると指摘するが、・・多数の人の生存そのものにかかわる権利と電気代の高い低いの問題等を並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的に許されないと考える。」
「コスト問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止で多額の貿易赤字が出るとしても、国富の流失や喪失というべきものではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻せなくなることが国富の喪失だと当裁判所は考える。」(注 原発のコストは高いというのが、もはや通説になっていると思いますので、裁判所がそのことについても見解を表明してもらえば良かったと思いますが・・。)
私は、この判決に賛成の人も反対の人も、共通の価値観を持ち得ると思います。それは、その格調の高さです。
(蛇足)忘れていました。この裁判長は、福井地方裁判所の樋口英明氏です。
4、5年前でしたけど、クラス会で生活保護基準が話題になりまして、生活保護基準が高いという人がいたんですね。それで、私、実際に検証してみたんです。
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生活保護の基準
広島市における生活保護の基準は次のとおりです。
・70歳と69歳の二人の生活保護費 月額約115,000円
これで、住宅、医療、介護を除く全ての費用を賄う必要があります。それでは、どのような費用がかかるか見てみましょう。
①光熱水費 12,000円
②被服費 4,000円
布団類、靴等も含めます。スーツの新調は困難でしょう。
③耐久消費財 4,000円
TV、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、家具等も10年乃至20年で更新が必要となります。
④通信費 4,000円
固定電話をやめて、ガラケー2人分で、その更新も必要です。インターネット環境は困難と思います。
⑤衛生、化粧代 5,000円
理美容費、化粧品代は特に女性にとっては不可欠です。
⑥交際費 5,000円
甥や姪の結婚披露宴に招待されても、二人分となると最低でも3万円包む必要があり、とても無理です。しかし、お祝いはせざるを得ません。近親者の葬儀に行かない訳にはいきません。
⑦新聞・書籍代 5,000円
⑧旅行代 3,000円
年に一回一泊旅行をするのは、決して贅沢ではありません。
⑨文化、芸術費 4,000円
月に一回、演奏会、演劇、美術鑑賞、映画等も決して贅沢とは言えません。
⑩外食 5,000円
月に一回二人で外食することも決して贅沢とはいえないでしょう。むしろ、二人で5000円の外食って、最も安い居酒屋を探すしかありません。
⑪第三のビール 5,000円
適度なアルコール飲料は、食欲増進にもなり健康にもプラスです。しかし、5000円では、一番安い350ml缶の第三のビールを飲むことしかできません。
⑫雑費 3,000円
什器、ごみ袋、封筒、ボールペン等、目に見えない費用も多くあります。
⑬こづかい 20,000円
外出の交通費、趣味の会の会費、たまに友達と飲みに行く等の費用です。
以上合計で、79,000円也
先ほどの115,000円との差36,000円が食費となります。
これ、誰が見たって、無理です。一日1,200円で二人の食費が賄える訳ありません。
でも、生活保護を受けて生活しているじゃないの?という疑問が湧くと思います。そうなんです。「文化・教養・娯楽」的費用を削っているのです。⑦、⑧、⑨、⑩等ですね。
生活保護は、憲法第25条により、「健康で文化的」な生活を保障されることになっています。生活保護の基準を見る場合、そういう観点が必要となります。ただ、生存するだけの保障ではありません。
短期間はなんとか生活できても、長期になると生活の質が劣悪になることは、明白であります。
ところで、
総務省ぐるみの接待ですが、これほど規模が大きいと、本来秘密にしておかなければならない部下職員に知れ渡ることになると思います。
幹部A「SSが宴席を設けると言うんだが、これヤバくない?」
幹部B「何言ってんだい!後ろにいるSFに人事で睨まれる方がよっぽどかヤバイでしょ!」
なんて隠語での会話でも、SSって菅son、SFって菅fatherと見抜かれるのであります。何故か?「人事で睨みを効かす」って菅氏の十八番でありますので。
文春が何故音声記録を入手できたか?これ疑問でありますが、私は、ノンキャリの勇気ある告発と推測しております。権力を私物化する菅氏に対する義憤であります。
菅氏が権力を私物化し乱用すればするほど、このような義憤による告発は増えるでありましょう。菅氏はジレンマなのであります。「権力を私物化し乱用」しなければ、菅氏の存在意義・価値が無くなるからであります。(ハハハッ)