広島の大規模PCR検査の行方
2021年02月08日(月)
残念でありますが、広島の大規模PCR検査は見送りになりそうであります。
これまで、実施に強い意欲を持っていた湯崎広島県知事でありますが、感染者数の動向を踏まえてといった趣旨の微妙な発言になったのです。
最近の広島市の感染確認数は次です。
・02月01から07日まで 35人
・(参考)4週間前 344人
4週間前と比べ約10分の1と激減しています。PCR検査の一番の目的は、感染者を見つけ出して、保護・隔離することにありますので、その数が少ないと効果は少なくなるということになります。もっと具体的に言うと、感染者が多い時(先のデータで344人の時)発見できる感染者数を仮に3千人とすると、直近の一週間ではその10分の1になりますので、300人ということになります。このように大きな差でも所要経費は約10億円と同じなんです。
私は、01月25日に友人に、次のメイルをしました。
残念な予想はよそうかと思いましたが・・、
何の予想かと言うと、広島県が行おうとしている80万人のPCR検査についてです。予想の結論は、中止ということです。理由は、感染確認数の減少です。直近1週間では人口10万人当り14人程度です。ピークの頃は、50人超でしたのでかなりの減少です。
そもそも、全員検査は中国のようにロックダウンとセットでなければ効果はあまり期待できません。(中略)
ただ、私は、社会的実験という意味において実施する価値はあると思っていましたので、冒頭「残念」と言ったのであります。「価値」というのは、氷山の全体を見ることができるようになるということです。
社会的実験ということでは、価値は大いにあるとは思いますが、10億円という経費のことを考えると、やっぱ、残念でありますが、見送りが正解かと思います。
ただ、このような取り組みは、今後感染が拡大した際は、きっと役に立つことになりますので、我が湯崎知事は大いに評価したいと思います。
01月26日の朝日新聞です。
私から見ると、この検査にイチャモンを付けているとしか思えない意見があります。
例えば、「『偽陰性』は約3割と言われる」とあります。何を言ってんのと思います。それでも10人中7人は把握できる訳で、検査しないより圧倒的にマシであります。
また、「『偽陽性』が多くでる懸念がある」とあります。確かに、偽陽性で「隔離」されたりなぞしたら大変であります。ただ対策としては、重ねて検査を行い確率を下げたり、医師の診察を行ってチェックすれば劇的に少なくなります。例えば、偽陽性の確率を10%と仮定して、2度検査をすると確率は1%になるのであります。
06日の朝日新聞です。
厚労省が抗体検査のデータを公表しました。興味深いデータでありました。
5都府県のデータが表示されています。東京で0.91%(去年6月0.1%) 感染が多い諸外国に比べて圧倒的に低いです。インドのある都市部では4割といった報道がありましたです。
広島はこれらの地域より更に少ないと思われますし、感染が収束している時点での検査は、効果が低いと言わざるを得ません。
06の朝日新聞です。
この記事でありますが、諸々の事情により検査を受けたくないという人が多いのではないかと推察させる内容になっています。
・仕事に行けなくなる
・店を休まないといけない 食べ物を扱う店としての信用にも響く
・(保育士)陽性だと休園となり、保護者にも迷惑をかける
それぞれ、もっともな事情のように見えますが、率直に言って短絡的です。それは、これらの「事情」の人の感染が明らかになって、その時は既にクラスターが発生しているという状況を想像すれば理解できると思います。
この大規模PCR検査ですが、私は「社会」という言葉を加えるベシと思います。その意味するところは、自分の事情だけではなく、社会の一員としての意識を持つということです。
もっとも、「社会的大規模PCR検査」と銘打って効果が出るかと問われると「?」で、そこに社会的問題があるのであります。→自分でも訳わかんなくなりました。(^_^;)