ミャンマーで翻訳をやっているといろいろな事情に出会う。
昨日の翻訳のお客さんはこうだった。
おきまりの書類の翻訳のついでに質問してきた。
身分証明カード(NRCカード)と住民表(家族リスト)には生年月日が
1343年4月10日(年はミャンマー暦だが、月日は西暦という混在)となっている。
「これを西暦に直すと、1982年4月10日ですよね。」
と確認を求めてきたのだった。
日本ビザの申請のとき、生年月日が正しくないと絶対に受理してくれない。
だから、ミャンマー暦から西暦に直す場合は細心の注意を払わなければならない。
そのために、ミャンマーではミャンマー暦から西暦に直すために便利な暦の本がある。
この本を使えば、1900年代から2000年代までの100年間の全ての年月日の西暦とミャンマー暦を調べることができる。
で、調べた結果は.....
1982年4月10日を基準にして調べると、ミャンマー暦は1344年4月10日になる。
ということは、変換するときにミスをしたことが考えられる。
では、ただしい年月日は1年前の1981年4月10日になるかというと、そう単純な話ではない。
暦の本によると、
1981年4月10日はミャンマー暦で1342年4月10日
1982年4月10日はミャンマー暦で1344年4月10日
実は1343年4月10日という日は存在しなかったのだ。
(「私の誕生日は6月35日です。」と言っているようなもの。)
どうしてこんなことが起きたのだろうか?
これがわかる方は真のミャンマー通です!
ヒントは「ミャンマーの正月に関係がある。」
と言えば、ピンと来た方もいると思う。
ミャンマーの正月は4月中旬の9日頃から20日頃までに迎えることが多い。
それは年によってバラバラである。
1981年のミャンマー正月は4月20日だった。
つまり、誕生日の4月10日はまだ正月前の年である1342年だったのだ。
ところが1982年のミャンマー正月は4月9日だったから、誕生日の4月10日は次の年の1343年ではなく、さらに次の年である1344年ということになる。
というわけで、1343年4月10日という日は存在しないのだ。
存在しない日を西暦に変えることは不可能である。
(いくら変えたとしても正しくないから、ビザは出せないと言われるだろう。)
この人は今、日本に行くためにパスポートを申請中というが、身分証明カードも住民表も結婚宣誓書もそしてパスポートもゼロから全てやり直さなければならない。
翻訳者である私がそこまでアドバイスする必要はないのだが、後で困るのは確実なので外国人である私がミャンマーの人にミャンマーの習慣を教えてあげているのである。
「私が言うことが信じられないのなら、だれか他に法律の専門家に聞いてみてください。」
と一応、念は押してある。
ミャンマーの人たちは自分の生年月日を知らない人が多い。
またミャンマー暦がどんなものであるかも知らない人が多い。
さらに、学校の申請のとき間違った生年月日を書く生徒も多い。
それが後で色々な問題を起こしてしまう。
身分証明カードと高校の卒業証書の生年月日が違うというケースは数えられないほど経験した。
ミャンマーの人たちが大切にするのは誕生日の年月日ではなくて曜日なのだ。
誕生日はうろ覚えなのに、曜日だけははっきり言える。
何曜日生まれは性格がきつい、何曜日生まれはおとなしいとか、
何曜日生まれと何曜日生まれは相性が良いから、結婚できるとか、
そのように曜日だけは大切にする。
これは仏教徒だけの習慣かと思っていたが、キリスト教徒である妻も何曜日生まれというのをよく気にしている。
いつも生徒たちに言っていることは、
「生まれた曜日も大切だけど、生年月日をしっかり正確に書けるようになりなさい。」
特に海外(日本)へ行きたい生徒はいつも注意するように言っている。
昨日の翻訳のお客さんはこうだった。
おきまりの書類の翻訳のついでに質問してきた。
身分証明カード(NRCカード)と住民表(家族リスト)には生年月日が
1343年4月10日(年はミャンマー暦だが、月日は西暦という混在)となっている。
「これを西暦に直すと、1982年4月10日ですよね。」
と確認を求めてきたのだった。
日本ビザの申請のとき、生年月日が正しくないと絶対に受理してくれない。
だから、ミャンマー暦から西暦に直す場合は細心の注意を払わなければならない。
そのために、ミャンマーではミャンマー暦から西暦に直すために便利な暦の本がある。
この本を使えば、1900年代から2000年代までの100年間の全ての年月日の西暦とミャンマー暦を調べることができる。
で、調べた結果は.....
1982年4月10日を基準にして調べると、ミャンマー暦は1344年4月10日になる。
ということは、変換するときにミスをしたことが考えられる。
では、ただしい年月日は1年前の1981年4月10日になるかというと、そう単純な話ではない。
暦の本によると、
1981年4月10日はミャンマー暦で1342年4月10日
1982年4月10日はミャンマー暦で1344年4月10日
実は1343年4月10日という日は存在しなかったのだ。
(「私の誕生日は6月35日です。」と言っているようなもの。)
どうしてこんなことが起きたのだろうか?
これがわかる方は真のミャンマー通です!
ヒントは「ミャンマーの正月に関係がある。」
と言えば、ピンと来た方もいると思う。
ミャンマーの正月は4月中旬の9日頃から20日頃までに迎えることが多い。
それは年によってバラバラである。
1981年のミャンマー正月は4月20日だった。
つまり、誕生日の4月10日はまだ正月前の年である1342年だったのだ。
ところが1982年のミャンマー正月は4月9日だったから、誕生日の4月10日は次の年の1343年ではなく、さらに次の年である1344年ということになる。
というわけで、1343年4月10日という日は存在しないのだ。
存在しない日を西暦に変えることは不可能である。
(いくら変えたとしても正しくないから、ビザは出せないと言われるだろう。)
この人は今、日本に行くためにパスポートを申請中というが、身分証明カードも住民表も結婚宣誓書もそしてパスポートもゼロから全てやり直さなければならない。
翻訳者である私がそこまでアドバイスする必要はないのだが、後で困るのは確実なので外国人である私がミャンマーの人にミャンマーの習慣を教えてあげているのである。
「私が言うことが信じられないのなら、だれか他に法律の専門家に聞いてみてください。」
と一応、念は押してある。
ミャンマーの人たちは自分の生年月日を知らない人が多い。
またミャンマー暦がどんなものであるかも知らない人が多い。
さらに、学校の申請のとき間違った生年月日を書く生徒も多い。
それが後で色々な問題を起こしてしまう。
身分証明カードと高校の卒業証書の生年月日が違うというケースは数えられないほど経験した。
ミャンマーの人たちが大切にするのは誕生日の年月日ではなくて曜日なのだ。
誕生日はうろ覚えなのに、曜日だけははっきり言える。
何曜日生まれは性格がきつい、何曜日生まれはおとなしいとか、
何曜日生まれと何曜日生まれは相性が良いから、結婚できるとか、
そのように曜日だけは大切にする。
これは仏教徒だけの習慣かと思っていたが、キリスト教徒である妻も何曜日生まれというのをよく気にしている。
いつも生徒たちに言っていることは、
「生まれた曜日も大切だけど、生年月日をしっかり正確に書けるようになりなさい。」
特に海外(日本)へ行きたい生徒はいつも注意するように言っている。