Natural Mystic ~ナチュラルミスティック~

There's a natural mystic blowing through the air

国道352号

2008-07-27 23:14:44 | 
清四郎小屋を後にして国道をぶっ飛ばす。まだ日の入には時間があるため非常に快調にスピードが出せる。曲がりくねった道を走りながら時折見える東洋一の人造湖である奥只見湖を見ながらやはり唖然とする。万一国道から落ちたら助かりはしないであろう。

来るときに苦しんだ道路に溢れ出た沢の水は笑ってしまうことに道路の一部を流れるように設計されていた。


【国道を沢筋が横切る】

普通こういった沢水は道路の下に土管を通したり橋を架けたりして車や人が通れるようにしているものだが何故かこの道は国道にもかかわらずそういった類ではなく道路の上を川が流れるように造られていたのだ。これでは落石や浮き砂があってもおかしくはない。一昨年からバイクの通行も認められるようになったが通行禁止にしていた理由も分かる気がする。

...と思いきやこんなニュースが。

観光バス転落 カーブ曲がれず、27人けが 福島・檜枝岐
7月24日20時53分配信 毎日新聞

 24日午後3時ごろ、福島県檜枝岐(ひのえまた)村の国道352号で、「西部観光バス」(同県郡山市、丹治一郎社長)の中型観光バス=滝一吉運転手(54)、乗客28人=が道路右側の斜面から約10メートル下の雑木林に転落した。この事故で骨折した人を含む27人が軽傷を負い、病院で手当てを受けた。

 県警南会津署の調べでは、現場は急カーブが連続する下り坂で、バスは左カーブを曲がりきれずに転落し、斜面の雑木にぶつかって止まった。現場にはガードレールはなかった。

ウルシパニック

2008-07-26 23:49:05 | 登山・アウトドア
小学校の頃のこと、朝登校すると私とは帰る方向が違うクラスの友人3人欠席となっていた。原因はウルシかぶれであった。学校帰りに山道を帰りかぶれたらしい。翌日は熱が引いたようで登校してきたが顔を始め体のあちこちに白い軟膏が異様な程塗りたくられ何とも不気味だった記憶がある。

平ヶ岳下山時のことである。急斜面のヤセ尾根を下りるとき何気に掴んだ木の枝を見て凍り付いた。しかし手を放すとバランスを崩して転倒となるので慎重に足場を確保してから手を放す。掴んだ枝は何とウルシであった。手袋さえしていない素手である。私はウルシかぶれこそ起こしたことはないものの同類の果物マンゴーを食っても口の周りが痒くなる体質である。それが毒素の濃いウルシとなればただでは済まないだろう...。パニックになりそうであったが、必死で小学校の頃教わった対処方法を思い出す。とにかく体の他の部位にウルシを掴んだ手が触らないように注意しながらザックを下ろす。水の入ったパックを出すがそれ自体が柔らかいためどうにも片手では上手く水を出せない。やむなくハイドレーション経由で口に含み適当な石を見つけ触った方の手に口から水をかけ石にこすりつけて念入りに洗う。

その後ザックから救急パックを取り出す。確かアンモニア系の薬はあまり意味がないはずである。高校の頃教わった知識を必死に思い出そうと色々記憶を辿るとステロイド系の軟膏が効くはずである。以前チャドクガの幼虫の毒針毛にやられたときに貰った軟膏が出てきた。有り難いことにステロイド系であったため手に擦り付ける。下山後念入りに手を洗い再度塗布。


【抗副腎皮質(ステロイド系)塗布薬リンデロン】

笑い話だがこれでようやく安心してトイレに行けると心底思った。

実際にウルシにかぶれた場合翌日に症状が強くなることが多いようだがとりあえず翌日も翌々日も何事もなかったので何でもなかったと言うことであろう。

単純に軍手でもいいから手袋をしていればこんなにあせらずにすんだのかもしれないがこれで済んだという事実に心底ほっとした。秋口に比べウルシかぶれが報告されにくい季節であるがやはり油断は禁物と心底思った出来事であった。

清四郎小屋

2008-07-25 13:40:35 | 登山・アウトドア
下山後、恒例の山バッジを手に入れるべく近くの清四郎小屋に寄る。購入後冷えたジュースを飲んでいると小屋のオヤジが話しかけてきた。今夜は満員のため明日は朝からマイクロバスで皇太子ルートの入口の林道のゲートを開けそこから更に10km先の登山口まで客を送っていくとのこと。今日は山頂部でそのルートからの登山客は誰もいなかった旨を伝えると他の民宿は知らないがオヤジの小屋では申し込みがなかったという。

実は私はある思惑があって一昨日、この小屋に電話していたのだ。ところが電話に出た人物は、
「満員なのでバスには乗れません。」
と私に回答した。

その旨を伝えるとオヤジは、
「にーさん元気そうだし、無事行ってこれたんだからよしとしなきゃなぁ...。」

と悪びれずに答えた。これに、
「最低人数に達しなかったんでしょ...。このご時世マイクロバスの燃料代もバカにならないから満員って言って断ったんでしょ...?」

と返すとオヤジは苦笑いをしてごまかした。
実は、今回のように往復を同じルートでピストンしてピークハントをするよりも登りを皇太子ルート、下りを今回のルート。あるいは逆ルートでバスの迎えの時間に併せて交渉し帰りにバスに乗せて貰う。またはジムニーに積んである折りたたみのマウンテンバイクを皇太子ルートの登山口までマイクロバスで運んでおいて貰い自力で国道まで下り、そこに自転車をデポしヒッチハイクで小屋まで車を取りに戻ろうかと画策していたのだ。


【皇太子ルートとなる中ノ岐林道起点。左右どちらからもバイクでではいることも不可能】

その話をオヤジにすると、
「タイミングが合えば構わないよ...。でもうちは皇太子様ルートの奥までの送りはやっても迎えはしてないんだよ。登った人はみんな縦走で帰りはこちら側(今回のルート)に下りて貰ってるんだ...。」
との答えであった。

その後、又来るように言うオヤジに見送られながらの帰路となった。

平ヶ岳3

2008-07-24 23:29:47 | 登山・アウトドア
先ほどの雪渓の途中から下る。水場で水を飲んだところ流石に雪解け水のため冷たくて美味い。しかし持参した水はまだ2㍑強残っていたため給水することはなかった。暫く進みとまたもや分岐となりそこで一緒に登ってきた夫婦とすれ違う。きけば頂上までは15分程でピストンとなるとのこと。面倒なので荷物を道脇にデポして頂上へ向かう。


【平ヶ岳山頂手前】

薮を暫く進み抜け出ると辺りは開けまたもや高層湿原の広いなだらかな空間となった。木道を進むと程なく三角点があり山頂となった。


【平ヶ岳山頂】

しかしその先にも木道は続く。進んでみると積雪量を測る長いアンテナがありその先は立ち入り禁止となっていた。


【山頂部の池塘とその向こうに広がる越後三山】

頂上部で少し休もうとも思ったが、目の前に見えるはずの燧ヶ岳は雲に覆われその右手に至仏山が見えるのみである。姫ノ池の景色の方が私には印象深かったため程なく池へ引き返す。昼食を取りながら地図とコンパスで山座同定を行う。あまり展望はきかないが遥か遠くに昨年登った巻機山が確認出来た。

12:00、下山開始。しかし展望のきく池ノ岳のピーク部分で再び山座同定を行う。越後三山の峰々。そして至仏山、また雲を被った燧ヶ岳雲の切れ間の右横に日光白根が確認出来た。北側は残念ながら雲に阻まれ展望はあまりなかった。


【雲を被った燧ヶ岳山頂部・その右手に日光白根山が見える】

下りだして気が付いたが尾根沿いのルートのため下山までの行程がよく見える。


【写真中央部・手前から3つ目の段が下りの尾根道】

しかもその長さは登りのときの高揚した気分とは裏腹に忌々しい程長い。しかし早く樹林帯へ入ろうと軽快に進む。14:30、大蔵清水着。まだ1㍑以上あるが水を汲んでおこうと思ったが水場までの急斜面を見て辟易しパス。組んできた人の話によればここの水は冷たくておいしいらしい。その後台倉山を通過した辺りからペースダウンはしたものの17:30、無事駐車場着となった。

総行程13時間30分のまさにrush tacticsとなったわけである。

ルートはこちら

平ヶ岳2

2008-07-23 20:16:30 | 登山・アウトドア
7:30、緩い尾根道歩きを繰り返し1,695.3m地点の台倉山に到着。暫く進むと第1の水場である登山口の沢に続く、第2の水場となる大倉清水の案内が右手に現れた。水は十分にあるので通過。ここから先は木道で整備された樹林帯歩きとなる。ところがこれが濡れていて非常に滑りやすい。注意はしているものの気を抜くと転倒。私の背後の夫婦も転んでいた。

8:14、第3の水場となるはずの白沢清水着。ここで約2/3地点である。ここは湧き水なのであろうが湧水量が少ないためか水溜まりと化し飲めそうになかった。軽く休憩の後出発。ここから先、樹林帯を抜けると一気に登り坂となる。笹尾根を縫うように登っているのだがこの道がべらぼうに荒れていた。人が歩く部分の土が露出し凹み、雨が降るとそこが水路になるようで深いところでは1m以上の段差も出来ていた。この状況が分かっていればストックを持って来たのだが嘆いても後の祭りである。


【尾瀬側の谷に湧き上がる雲】

暑くなる一方の気温と急登であったが、左手に開けた尾瀬側の谷の景色は迫力がある。9:40、とうとう池ノ岳のピークに登り詰めた。ピークの向こうの茂みをちょっと進むと姫ノ池という池塘がありその向こうに緑に被われた湿原が広がり木道が延びていた。尾瀬・苗場・巻機等上越の独特の湿原風景に感激してしまう。確かにここらから北の山には飯豊・朝日・月山等高層湿原の山が多く何とも味わい深い。


【姫ノ池から平ヶ岳を望む】

姫ノ池で休憩していると、登ってきた人々は一様に平ヶ岳山頂を目指して木道を進んでいく。私も歩き始めるが途中玉子石への分岐を見つけそちらに向かう。折角なので人のあまりいないところをゆっくり歩きたいと考えたからだ。


【前方の雪渓を抜け玉子石へと続く木道】

のんびりと木道を進むと雪渓に行き当たる。軽アイゼンを必要とする程ではないようだし崩落するような地形でもない。キックステップで歩き出すが思いの外夏の日差しが雪に反射し眼がきつい。渡り終え暫く進むとまたもや分岐に出る。しかし直進路に『玉子石』の表示があるのみでもう一方は表示がない。地図で確認したところどうもこの分岐は『皇太子ルート』の起点となるらしい。


【奇岩・玉子石】

程なく玉子石着。予想通り全く人がいなく閑かそのものである。確かに自然に出来たとしては不自然な石で何とも興味深い。何よりもその向こうに見える池塘群が非常にきれいである。しかしのんびり座れる場所でもなかったので適当に引き返し山頂を目指すことにする。

平ヶ岳1

2008-07-22 23:15:27 | 登山・アウトドア
3:00、携帯の目覚ましが鳴った。辺りは真っ暗である。雨は止んでいるようだが星が見えない。少し微睡むが意を決して起きあがる。車のボンネットに弁当を広げゆっくり食う。次第に周りの車の登山者達も起き出したようだ。

4:00、おそらく頃合いと見て出発。ヘッドライトは点けずに林道を歩き始めた。沢を渡り暫く植樹された杉の樹林帯を進むと『平ヶ岳登山口』の案内がありそこから登りの始まりとなった。40分程登ると徐々に空が白みだした。丁度ヤセ尾根の始まりである。決して歩きにくい道ではないが流石にここをヘッドランプで照らしながら登る程愚かではない。長いヤセ尾根をだらだらと登る。一瞬毎に周りは明るくなりだし、眼下には雲海が広がる。振り返るとこの尾根を登ってくる人達が数人あちこちに点在していた。



所々にバランス確保のためのロープ設置されている急坂を登り6:30、急登も終わり標高1,604m地点下台倉山着。ここで1/3の行程をクリアしたことになる。辺りはきれいに晴れ上がり気温は上昇する一方である。途中で一息入れた際に先行された私のジムニーの隣に車を停めた夫婦と一緒になる。この夫婦とはこれから先付かず離れずでの行程となった。



ここから遥か前方高み右手には緑に被われた池ノ岳そして左手には平ヶ岳が青空の下に姿を現した。

奥只見シルバーライン

2008-07-21 22:53:19 | 
98年秋のこと、福島からの帰り道全長約22kmのうち約18kmを計19本のトンネルで結んでいるという奥只見シルバーラインを車で走った(このルートバイクは走行禁止)。トンネルは途中2又に別れていて一方は尾瀬に通じる国道352号と銀山平で合流し、もう一方は日本最大級の重力式ダムである奥只見ダムへと通じる。

このトンネルやダムは、後に映画化された新保裕一の小説『ホワイトアウト』の舞台となった所である。余談だが映画の出来は疑問だが冒険小説としては最高に面白い作品であると思う。



18日(金)、仕事を適当に切り上げ関越道小出インターを降りる。翌日の食料を買い出し、早めの夕食を取り19時前にこのシルバーラインに入った。今回は途中から銀山平方面へ抜け平ヶ岳の登山口まで向かうのである。対向車も2台すれ違ったのみで前にも後ろにも車はなかった。トンネルは所々大きく曲がっていて霧も立ちこめ山深さを感じさせなかなかの迫力である。


【トンネルの中の右折表示の矢印】

銀山平に出て尾瀬方面へ向かうと徐々に雨が強くなり出した。あろう事か降雪の時期から場合によっては5月末まで雪に閉ざされているというこの国道352号は道がかなり高低差がある上、曲がりくねっている。おまけに反射鏡が殆ど設置されていないため暗闇の中を走っていると雨のせいもあってか進行方向が車のヘッドライトだけでは分からなくなり、ときどきスピードを落とし行く先を確認しなくてはならない。更に気をつけねばならないのは道路のあちこちに沢の水が溢れ場所によっては川を形成しているのだ。平ヶ岳登山口の鷹ノ巣までの30km、この状態のためろくにスピードが出せない。対向車も後続も一切ないため緊張の連続である。そのため運転していて久々に車酔いしてしまい、休憩しながらの鷹ノ巣着となった。22時、どうにか登山口に到着すると辺りには5台程車が止まっていた。雨脚はかなり強かったためテントを張る気にもなれずそのまま狭いジムニーの中で足を折り曲げての仮眠となった。

rush tactics

2008-07-20 23:16:18 | 登山・アウトドア
登り7時間弱。下り6時間弱。頂上部散策1時間強。山小屋なし。テン泊(基本的に)禁止。群馬・新潟県境の平ヶ岳である。このような状況のため日帰りを強いられる...。名のある山でこんな山はそうはないだろう。

最近話題になっているのが皇太子が登ったときに開かれたルートである。それまであった私有地をまたぐ林道を整備し、終点部から登山道を整備したいわゆる皇太子ルートである。これは林道の入口にゲートが設けられ一般車両が通行禁止になっているが、地元の旅館に泊まればそこのマイクロバスで林道の終点まで送迎してくれてそこから歩いて3時間で山頂まで行けるルートである。地元の旅館にすれば年に半年近くは雪に閉ざされているこの地域。少ない観光シーズンでの登山客相手のかきいれ話。ある意味ではそれほど責めることは出来ない気がする

登山の安易性・自然保護等々問題とされているようだが、ゴミ問題で荒れる富士山も5合目からの登山者が主流を占め、馬返しの1合目から入山する者も少ないご時世、それぞれの山への考え方がある中でそういったルートがあるならそれはそれで良いのではないであろうか...。



今年は宿泊を伴う尾根縦走も出来そうもない。しかし平ヶ岳の一般的な登山ルートは尾根歩きの13時間コース。色々思惑はあったがこの尾根歩きのコースを選ぶことにした。久々の鬼歩き、横文字で言うとrush tactics、文字通り最低装備での突撃登山となるわけである。無線・GPS・発煙筒・救急用品・合羽・ツエルト等どうしてもはずせないもの以外に食料と4㍑の水を併せてどうにかザックの重さを9kgに抑えてこの平ヶ岳を目指すことにした。

トリプルスチール

2008-07-17 23:00:48 | Weblog
いつものように帰宅し落ち着くとテレビを点けケーブルで野球中継を見始める。甲子園で対阪神戦である。8回まではエース石川の好投による0対0の投手戦だった。これじゃ延長かな...?
と思い始めた9回表一死満塁となった。展開を食い入るように見ているとバッター田中がスクイズを空振り。何とも落胆のため息が出た瞬間であった。捕手矢野がボールを前にこぼした隙に3塁ランナー福地が滑り込んできた。一瞬ワイルドピッチかと思ったがスクイズ狙いのランナースタートとなるため盗塁が記録されるらしい。



しかしおまけが付いたのはその隙に1・2塁各ランナーがそれぞれ進塁。結果、トリプルスチール(三重盗塁)となった。年間おそらく100試合以上スワローズ戦は何らかの形でチェックしているがこのような試合は初めてである。

ちなみにこの記録は18年ぶりらしい。またその直前にも福地・青木が二重等、後にもウィルソンが2盗塁を決めて同一イニング6盗塁は50年に南海(現ソフトバンク)が記録した以来だという。

結果3-0でスワローズの勝利。何とも面白い珍記録続出の試合を見てしまったのであった。

恵那山3

2008-07-16 22:14:00 | 登山・アウトドア
3組と抜きつ抜かれつを繰り返しながらようやく尾根部分となる黒井沢ルートとの分岐に取り付く。今現在この最短である黒井沢ルートは岐阜側の林道崩壊のため使用不可能であるが、利用すれば2時間30分である。ここ部分からの尾根歩きは特に眺望もなくまた道は非常にぬかるんでいて登山靴でもくるぶし近くまで泥にまみれながらの歩行となり最悪であった。それでも20分程で最後と思われるピークが現れ登り切る。しかしそこは県境の三角点があるものの薮に被われた場所で全くの眺望がない。おまけに山頂の掲示さえ出ていない。不審に思いながらもピークを下り5分程進むと開けた場所に出た。恵那山(2,190m)の掲示があったためそこが頂上なのであろうがやはり全く展望がない。


【標高は地図によると2,191mと記載されている】

つまらない山頂部分であるが木製の物見台があったため登って見るもやはり立木が邪魔で何も見えない。残念であったがその先に山小屋があることを思い出しそこまで行って昼を取ることにした。

更に10分。二つのお堂を抜け無人の山小屋へ着く。見れば裏手の岩山の上に同じルートを登ってきた単独の男性が立っている。きいてみるとそこからの眺望は最高であるとのこと。荷物を置いて登ってみると目の前の高みには右から光・聖・赤石・悪沢・塩見・間ノ岳・北岳と南アルプスの3,000mが壁のように聳えていた。


【恵那山山頂小屋】

暫く眺めていると我々以外の10人程度の団体が登ってきたため適当に降りて食事を取り、11:00下山開始となった。

帰りは結構な数の人達とすれ違ったが2度程休憩を取ったのみであった。途中の笹尾根から遙か前方高みに見える南アルプスの壁は山頂部よりもハッキリ見えていた。昨年・一昨年歩いた稜線を眺め、あのときの山行を思い出し、歩いていて楽しかった。


【中央部雲下の黒い山並みが南アルプス】

13:19、元の登山口まで下りた。そこから自転車で一度も漕ぐことなく心地良いダウンヒルを楽しみながらわずか11分で車まで戻れた。

流石に車の中は暑い。窓を開け林道を下る。道が広くなってきたところに『月川温泉』という宿を見つけた。日帰り入浴500円で汗を流す。

その後家に向けて来た道を戻ることとなった。

恵那山2

2008-07-15 21:36:41 | 登山・アウトドア
登山道は5年前の増水時に死者を出しているという丸太橋を渡るところから始まる。幸い今日の流れは水も少なく穏やかである。事前にネットで調べたところこの橋を渡ると一気に胸突き八丁の登りが1.5時間続くとあちこちに記載されていた。そのためかなり覚悟はしていたが昨年の聖や赤石の登山道に比べれば極々一般的な登りであった。

汗だくになりながらも1時間程登るとカラマツの林に出る。ここからは右手山頂方向よりの風が吹きぬけて汗を乾かしてくれて非常に気持ちが良い。しかししばらくするとどうにも腹部に違和感を感じる。慌てて手をやるとやたらと冷たい。汗で冷えた上に風により追い打ちをかけられているようだ。壊すと面倒なのでシャツと皮膚の間にバンダナを突っ込み先へ進む。

8:30、急登が終わると言われる1,716m地点に到着。ここで休憩を取っていると先ほどから付かず離れずで登ってきている単独の男性。更に後方にいた2人組の男性。更にカップルが追いついていた。それぞれが長い登り、更に冷たい風にあちこちに違和感を感じていたらしい。

ここから先は登りは確かに和らいだ。ダケカンバの森を抜け、クマザサの薮に進むと遥か左の高みに南アルプス連峰が見えてきて登っていて楽しい。



しかし、日除けになる木々が登山道には少なく、先ほどまでの風もやみ、蒸し暑さとの格闘となった。

恵那山

2008-07-14 22:30:40 | 登山・アウトドア
中央高速は以前記したように南アルプスを大きく迂回し、諏訪から一気に南下している。しかしその先は中央アルプスが行く手を阻んでいるため長野・岐阜県境には最長8649mの恵那山トンネルが存在する。

去夏、百平から赤石岳山頂までの大展望に感激しながらの南アルプス縦走時のこと。背後の雲上には常に恵那山がポカンと突出していた。次回はこの山に登って赤石岳を主峰とする南アルプスを見てやろうと思ったものだ...。


【赤石岳よりの恵那山(右手奥)】

そんなわけで今回は中央アルプス南部の2,000m峰、恵那山を攻めることにした。

国道153号・256号を抜け中央高速園原インター横を抜ける。このインター何故か名古屋方面からのみの出入りとなる。逆に先ほど降りた飯田山本インターは東京方面のみの出入りというインターである。園原から本谷川沿いに遡る。道は狭いが舗装されている。所々昨夜降ったらしい雨の影響で水と一緒に土砂が流れている部分はあるものの車で走るのに困難な場所はなく6:15あっさり通行禁止の表示が出ている場所横の駐車スペースに着いた。既に3台程車が止まっていて私が用意している間に皆が登っていった。

装備を調えジムニーに積んできた折りたたみのマウンテンバイクを引っ張り出し早速出発。登山口までは地図を見た限りでは緩やかな坂道の林道をを2km程登る。5年程前に手に入れたはいいがろくに使わず錆だらけとなった自転車を試しに持ってきたのである。



ゲート横から林道に入るも傾斜は緩やかである。昨夜の雨のせいか湿度が高く低速ギアでS字を登り暫く進むとすぐに体中から汗が噴き出す。かなり大きな落石も多く車を通行止めにしているのもうなずける。ウォーミングアップのつもりであったがちょっと傾斜がきつくなるとやはり苦しい。時々自転車を押しながら登り最後にトンネルを抜け30分で広河原登山口に到着となった。これでは歩くのと何ら変わらなかった事実に苦笑しながらも入口横の湧き水をハイドレーションに汲み直し、7:00登山開始。

Tell me Where is the sunshine

2008-07-13 19:23:00 | 登山・アウトドア
金曜日22時には寝た。予定では翌日3時起きで出発である。おそらく東京・北多摩発単独日帰り行ではぎりぎりの行程であろう目標の恵那山は片道250kmである。ETCの40%の深夜割引を適用させようと考えての3時起床だったが、何故か1時に目が覚めてその後眠れなかったため2時に起きて家を出た。

当初、家から20分の入間インターから高速に入る予定だったが4時までに入れば40%引きのため新青梅から東京環状を抜けあきる野インターに入る。それでも3時だった。

久々の山行での深夜の中央高速であった。甲府を抜けるとやはり北岳日帰りや八ヶ岳日帰りという選択肢もあるという誘惑に駆られるが今回は11ヶ月ぶりの山行なので足慣らしと言うことを思い起こし暗がりを飛ばす...。

諏訪が近づくと東の空が白みだした。辺りはどうも曇りのようだ。滅入る気分と眠気をおさえるため大声で歌をがなる。

We've been waiting for so long
for the sunshine for the sunshine
We've been waiting for so long
for the sunshine to get back

Tell me Where is the sunshine


【木曽駒ヶ岳を望む】

4年前の7月24日、駒ヶ岳で遭った惨劇を思い起こしながら駒ヶ岳S.Aで朝食のカツカレーを食い車に戻ると徐々に太陽が出始めた。
先ほどの曲”Old Man River”の”Sunshine”のおかげであろうか...。



5:30、飯田山本インターを出るときには素晴らしい太陽がガッツリ昇ってきたのであった。