Natural Mystic ~ナチュラルミスティック~

There's a natural mystic blowing through the air

ウルシパニック

2008-07-26 23:49:05 | 登山・アウトドア
小学校の頃のこと、朝登校すると私とは帰る方向が違うクラスの友人3人欠席となっていた。原因はウルシかぶれであった。学校帰りに山道を帰りかぶれたらしい。翌日は熱が引いたようで登校してきたが顔を始め体のあちこちに白い軟膏が異様な程塗りたくられ何とも不気味だった記憶がある。

平ヶ岳下山時のことである。急斜面のヤセ尾根を下りるとき何気に掴んだ木の枝を見て凍り付いた。しかし手を放すとバランスを崩して転倒となるので慎重に足場を確保してから手を放す。掴んだ枝は何とウルシであった。手袋さえしていない素手である。私はウルシかぶれこそ起こしたことはないものの同類の果物マンゴーを食っても口の周りが痒くなる体質である。それが毒素の濃いウルシとなればただでは済まないだろう...。パニックになりそうであったが、必死で小学校の頃教わった対処方法を思い出す。とにかく体の他の部位にウルシを掴んだ手が触らないように注意しながらザックを下ろす。水の入ったパックを出すがそれ自体が柔らかいためどうにも片手では上手く水を出せない。やむなくハイドレーション経由で口に含み適当な石を見つけ触った方の手に口から水をかけ石にこすりつけて念入りに洗う。

その後ザックから救急パックを取り出す。確かアンモニア系の薬はあまり意味がないはずである。高校の頃教わった知識を必死に思い出そうと色々記憶を辿るとステロイド系の軟膏が効くはずである。以前チャドクガの幼虫の毒針毛にやられたときに貰った軟膏が出てきた。有り難いことにステロイド系であったため手に擦り付ける。下山後念入りに手を洗い再度塗布。


【抗副腎皮質(ステロイド系)塗布薬リンデロン】

笑い話だがこれでようやく安心してトイレに行けると心底思った。

実際にウルシにかぶれた場合翌日に症状が強くなることが多いようだがとりあえず翌日も翌々日も何事もなかったので何でもなかったと言うことであろう。

単純に軍手でもいいから手袋をしていればこんなにあせらずにすんだのかもしれないがこれで済んだという事実に心底ほっとした。秋口に比べウルシかぶれが報告されにくい季節であるがやはり油断は禁物と心底思った出来事であった。