Natural Mystic ~ナチュラルミスティック~

There's a natural mystic blowing through the air

奥只見シルバーライン

2008-07-21 22:53:19 | 
98年秋のこと、福島からの帰り道全長約22kmのうち約18kmを計19本のトンネルで結んでいるという奥只見シルバーラインを車で走った(このルートバイクは走行禁止)。トンネルは途中2又に別れていて一方は尾瀬に通じる国道352号と銀山平で合流し、もう一方は日本最大級の重力式ダムである奥只見ダムへと通じる。

このトンネルやダムは、後に映画化された新保裕一の小説『ホワイトアウト』の舞台となった所である。余談だが映画の出来は疑問だが冒険小説としては最高に面白い作品であると思う。



18日(金)、仕事を適当に切り上げ関越道小出インターを降りる。翌日の食料を買い出し、早めの夕食を取り19時前にこのシルバーラインに入った。今回は途中から銀山平方面へ抜け平ヶ岳の登山口まで向かうのである。対向車も2台すれ違ったのみで前にも後ろにも車はなかった。トンネルは所々大きく曲がっていて霧も立ちこめ山深さを感じさせなかなかの迫力である。


【トンネルの中の右折表示の矢印】

銀山平に出て尾瀬方面へ向かうと徐々に雨が強くなり出した。あろう事か降雪の時期から場合によっては5月末まで雪に閉ざされているというこの国道352号は道がかなり高低差がある上、曲がりくねっている。おまけに反射鏡が殆ど設置されていないため暗闇の中を走っていると雨のせいもあってか進行方向が車のヘッドライトだけでは分からなくなり、ときどきスピードを落とし行く先を確認しなくてはならない。更に気をつけねばならないのは道路のあちこちに沢の水が溢れ場所によっては川を形成しているのだ。平ヶ岳登山口の鷹ノ巣までの30km、この状態のためろくにスピードが出せない。対向車も後続も一切ないため緊張の連続である。そのため運転していて久々に車酔いしてしまい、休憩しながらの鷹ノ巣着となった。22時、どうにか登山口に到着すると辺りには5台程車が止まっていた。雨脚はかなり強かったためテントを張る気にもなれずそのまま狭いジムニーの中で足を折り曲げての仮眠となった。