苫小牧、夕方便の乗船開始後、一っ風呂浴び甲板に出る。明日の昼過ぎには大洗着。夕方までには自宅へ着く。旅もとうとう終わりである。
夕日を眺めてながらビールを飲み、今回の旅の記憶を辿り満足感に浸っていると近くの甲板で車座になって座って酒を飲んでいた40歳代中心と思える集団が鼻歌を歌っていた
♪しぼったばかりの~夕陽の赤が...
吉田拓郎の落陽である。
仙台便ではない大洗便だろうが青森便だろうが関係はないらしい。
【太平洋上に沈む夕日】
苦笑いしていると突然その集団にいた若い男から声をかけられた。
「にーさん!あのときはご馳走様でした。今回は自分が一杯奢りますよ。」
声をかけてきたのは行きのフェリーで一緒だった厚木のライダーであった。彼は新潟行きで帰る予定だったが、キャンセル待ちが出ず、苫小牧便がどうにか手に入ったため予定を繰り上げ帰宅となったそうだ。必然性の高い再会とはいえ嬉しいものである。今回の旅の土産話を肴に新しく3人のライダーを巻き込みまたひたすら飲んだくれた。
ライダー150人説というものがある。旅先で出会ったライダーが話をしている内に自分のバイク仲間の知人だと分かったり、全く約束もしていないのに旅先で以前あったことがあるライダーにばったり再会したりすることが意外なほどよくあるため、わき上がった話である。
結論を言うと、一般的な会社で働いているものでバイクで旅に出る人はだいたい同時期で同方向である。年末年始は南九州から鹿児島の離島・ゴールデンウィークは中四国から九州・お盆の時期は北海道・秋の連休は自宅から3~4百キロ圏内とライダーの動く範囲は決まっており、また泊まる場所も温泉が近くにある低額のキャンプ場とお定まりになっている。まして、大量輸送のフェリーの中で再会する確率は極めて高い。
話は遡るが、今回の行きのフェリーでのこと。知り合ったこの厚木のライダーと飲んでいると突然、生ビールが3つ我々のテーブルに置かれ、次のように声をかけられた。
「久しぶりだな!今回お前にだけはあいたくなかったぜ。噂じゃあバイク降りたって聞いてたぜ!ほら、約束の酒だ!」
この西部劇のような長ったらしいふざけた台詞を吐いた男は”ゴルゴ”と呼ばれるヤツだった。3年前の5月、宮崎~川崎のフェリー以来の再会である。
私はこう切り返した。
「失礼ですが勘違いですよね。初対面かと思いますが...。」
ヤツは驚きながら答えに困りこう言った。
「え?あれ、すみません...え?キムチ...だよな?」
笑いながら
「久しぶりだなぁ!相変わらずだな、ゴルゴ!元気そうで何より!」
私は返した。
ヤツと知り合ったのは99年のゴールデンウィーク、宮崎行きのフェリーである。その後も、長野のキャンプ場や静岡の道の駅等でばったり再会した。会う度に酒を奢りあっていて、今回はヤツが奢る番だった。
ゴルゴと3人で飲んだくれ翌日は二日酔いだった。苫小牧上陸までは12時間以上あるため迎え酒を飲み、ひたすら眠った。上陸後次は私が奢ることを約束し別れた。また厚木のライダーには私が奢ったため彼は再会したら私に奢ってくれるという約束だった。
”ゴルゴ”や”キムチ”というのはいつの間にか着いたコードネームと呼ばれるあだ名でこの他にも足臭(あしくさ)・ギャオス・ジャイ子・パー子・ちん・ますお・でんしち・だんぺー等々意味不明の呼び名がいくつもある。
おかしな事に私はこの連中の本名はおろか住所も携帯番号もろくに知らない。
ちなみに今回の旅で一緒になったウサミさんもマエダさんも旅先で知り合い、行動を共にするうちに仲良くなり連絡先を交換した方々である。
翌日、13:30大洗着。厚木のライダーとは山の話で気が合い、機会があったら一緒に動くことを約束し連絡先を交換して大洗で分かれた。
残暑の常磐道・外環・関越道を乗り継ぎ16:00、8日ぶりに自宅到着。
焦点が定まらない文章になってしまったがこれにて今回の旅は無事終了となった。
夕日を眺めてながらビールを飲み、今回の旅の記憶を辿り満足感に浸っていると近くの甲板で車座になって座って酒を飲んでいた40歳代中心と思える集団が鼻歌を歌っていた
♪しぼったばかりの~夕陽の赤が...
吉田拓郎の落陽である。
仙台便ではない大洗便だろうが青森便だろうが関係はないらしい。
【太平洋上に沈む夕日】
苦笑いしていると突然その集団にいた若い男から声をかけられた。
「にーさん!あのときはご馳走様でした。今回は自分が一杯奢りますよ。」
声をかけてきたのは行きのフェリーで一緒だった厚木のライダーであった。彼は新潟行きで帰る予定だったが、キャンセル待ちが出ず、苫小牧便がどうにか手に入ったため予定を繰り上げ帰宅となったそうだ。必然性の高い再会とはいえ嬉しいものである。今回の旅の土産話を肴に新しく3人のライダーを巻き込みまたひたすら飲んだくれた。
ライダー150人説というものがある。旅先で出会ったライダーが話をしている内に自分のバイク仲間の知人だと分かったり、全く約束もしていないのに旅先で以前あったことがあるライダーにばったり再会したりすることが意外なほどよくあるため、わき上がった話である。
結論を言うと、一般的な会社で働いているものでバイクで旅に出る人はだいたい同時期で同方向である。年末年始は南九州から鹿児島の離島・ゴールデンウィークは中四国から九州・お盆の時期は北海道・秋の連休は自宅から3~4百キロ圏内とライダーの動く範囲は決まっており、また泊まる場所も温泉が近くにある低額のキャンプ場とお定まりになっている。まして、大量輸送のフェリーの中で再会する確率は極めて高い。
話は遡るが、今回の行きのフェリーでのこと。知り合ったこの厚木のライダーと飲んでいると突然、生ビールが3つ我々のテーブルに置かれ、次のように声をかけられた。
「久しぶりだな!今回お前にだけはあいたくなかったぜ。噂じゃあバイク降りたって聞いてたぜ!ほら、約束の酒だ!」
この西部劇のような長ったらしいふざけた台詞を吐いた男は”ゴルゴ”と呼ばれるヤツだった。3年前の5月、宮崎~川崎のフェリー以来の再会である。
私はこう切り返した。
「失礼ですが勘違いですよね。初対面かと思いますが...。」
ヤツは驚きながら答えに困りこう言った。
「え?あれ、すみません...え?キムチ...だよな?」
笑いながら
「久しぶりだなぁ!相変わらずだな、ゴルゴ!元気そうで何より!」
私は返した。
ヤツと知り合ったのは99年のゴールデンウィーク、宮崎行きのフェリーである。その後も、長野のキャンプ場や静岡の道の駅等でばったり再会した。会う度に酒を奢りあっていて、今回はヤツが奢る番だった。
ゴルゴと3人で飲んだくれ翌日は二日酔いだった。苫小牧上陸までは12時間以上あるため迎え酒を飲み、ひたすら眠った。上陸後次は私が奢ることを約束し別れた。また厚木のライダーには私が奢ったため彼は再会したら私に奢ってくれるという約束だった。
”ゴルゴ”や”キムチ”というのはいつの間にか着いたコードネームと呼ばれるあだ名でこの他にも足臭(あしくさ)・ギャオス・ジャイ子・パー子・ちん・ますお・でんしち・だんぺー等々意味不明の呼び名がいくつもある。
おかしな事に私はこの連中の本名はおろか住所も携帯番号もろくに知らない。
ちなみに今回の旅で一緒になったウサミさんもマエダさんも旅先で知り合い、行動を共にするうちに仲良くなり連絡先を交換した方々である。
翌日、13:30大洗着。厚木のライダーとは山の話で気が合い、機会があったら一緒に動くことを約束し連絡先を交換して大洗で分かれた。
残暑の常磐道・外環・関越道を乗り継ぎ16:00、8日ぶりに自宅到着。
焦点が定まらない文章になってしまったがこれにて今回の旅は無事終了となった。