Natural Mystic ~ナチュラルミスティック~

There's a natural mystic blowing through the air

天災 ~木曽駒ヶ岳(2956m)~

2005-07-26 23:28:10 | 登山・アウトドア
台風7号による風雨はもの凄いものだった。台風に限らず、天気は全く想像出来ない事故を引き起こす。偶然、昨年のこの時期も天災に出くわした。

以下、昨年の今日に書いたものである。

凄まじい閃光と雷鳴の瞬間、駅は停電に陥り、非常灯のみとなった。

昨日25日12:30、雲上の晴れを楽しみ木曽駒ヶ岳(2,956m)から下山、ロープウェイ千畳敷駅に着く。下りを待つ人々でごった返す中、整理券を受け取ると、14:16分便の乗車となった。乗ってしまえば8分で下界である。一瞬歩いて下山も考えたが、地図を拡げると3時間の行程、おまけに所々登山道が崩落している様子だった。待っても2時間無い。休憩には持ってこいと思い、駅の喫茶のテラスでビールを飲みたった今、下ってきた千畳敷カールの景色を眺めのんびりする。

13:30、突然ガスが湧き上がり、激しく雨が降り出したため駅の中へ入る。登山客・観光客でごった返し、自分の場所を確保するだけでも大変な状態だった。

14:10、次の便となり、乗車の案内が流れたため、移動しようとした直後のことである。凄まじい閃光と雷鳴の瞬間、駅は停電に陥り、非常灯のみとなった。騒然とする中、お土産屋の店員数名が客の中に混じりながら、一時的な停電なので心配ない旨を大声で必死にアナウンスする。間もなく駅係員から、構内放送でロープウェイが止まっているが天候の回復を待って運行を再開するとの報告がある。

待つこと40分、主電源が壊れサブ電源での運行のため、下界までは通常の5倍の40分の運行時間が必要とされるが運行再開との案内がある。辺りは騒然として係員に説明を求める人達で大騒ぎとなった。

しかし、アナウンスの後もテスト運行のため乗車の気配は無かった。私は長期戦を覚悟し、座り込める場所を確保した。周りでは、寝に入る人。話す人。物思いにふける人。係員の対応に文句をいう人。飽きた子供をあやす人と様々だった。

中でも目を惹いたのは、ずぶ濡れになったサンダルスカート履きの集団が、口々に寒いと添乗員に文句を言っていたことである。観光とはいえ、約2,600mの高所へ来てそれもないだろうと呆れていると、私の隣にいた登山スタイルの女性も寒がっていた。事情を聞くと駒ヶ岳登山で来たらしいが合羽を持ってくるのを忘れ、短い時間ではあったが雨に当たったとのこと。笑うべきか同情するべきか。ずぶ濡れにならなかっただけ不幸中の幸いだろう。

延々と時間を潰し、17:00ようやく乗車となった。しかし、サブ電源のため、プラットホームからゴンドラへの渡しの移動や安全ハッチの開閉も全て手動。慣れない作業に係員も戸惑っている様子だった。

麓の駅に着いたのは18時少し前、そこで往復のロープウェイ・連絡バス料金3,800円が全額払い戻された。その後連絡バスに乗り、駐車場に戻ったのが18:20。駐車料金の400円も戻ってきた。駒ヶ根から高速を使いぶっ飛ばし20:40帰着。

精神的に疲れた山行であった。今朝、テレビのニュースで知ったが、取り残された数は1,230人。最終組の完全下山は朝方5時を回ったらしい。

以下、長野 - 毎日新聞より抜粋

25日午後2時10分ごろ、長野県駒ヶ根市の中央アルプス・宝剣岳 (2,931メートル)の「駒ヶ岳ロープウェイ」で、山頂近くの千畳敷駅の避雷針に雷が落ち、衝撃でロープウエーの制御装置が壊れて運行ができなくなり、標高2,611メートルの同駅付近に約1,050人が取り残された。
運営する「中央アルプス観光」が補助動力を使ってロープウエーを動かし、利用客をふもとのしらび平駅まで運んでいるが、通常約8分の行程が 約40分かかるため、全員の下山は26日午前4時ごろになる見込み。
同社や長野県警駒ヶ根署などによると、同日午前1時現在、なお230人が 千畳敷駅近くのホテルで輸送を待っている。けが人や病人などはいないという


※ 写真は千畳敷カール

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