さこういっぱく

「左後一白」は名馬の証です!

愛馬物語27

2010-08-28 | 愛馬物語
続き:愛馬8頭(エディフィス/未勝利、イノセント/1勝、パスワード/1勝、チャプター/1勝、フォートレス/未勝利、ラヴリー/未勝利、リベラル/未出走)

暑さが日に日に増してきた7月、例のごとくシルク募集パンフレットが送られてきた。毎年この時期を楽しみにしている会員さんは多いのではないだろうか?私ももちろんその中の1会員である。この年もなかなかの募集頭数である。その中で1頭目に留まった馬がいた。ミシル産駒の芦毛馬。募集価格も1000万円と非常に手頃。元々、ミシルという種牡馬には非常に注目しており、さらにここまで芦毛馬に出資したことがなかった(※イノセントの公式登録が芦毛であったが、シルク募集時は黒鹿毛であった)。また、馬体も非常に良く、丈夫で長持ちしそうなこの馬に俄然注目したことは言うまでもない。この年の1頭は早くも決まったかに思えた。しかし、同年末にノド鳴りの症状が出たため、敢え無く断念。軽いものであれば出資していたかもしれないが、手術という言葉に出資意欲が低下した。

さて、現役愛馬はパスワードが北海道へ遠征。チャプターは福島とそれぞれが活躍の場を求めた。まずはチャプター。前走の鮮やか過ぎる未勝利戦勝利から福島500万下に中舘騎手で出走する。福島D1700mが舞台だ。前走も先行からの快勝だったため、中舘騎手が乗ることで、逃げることは火を見るより明らかであった。レースでは予想通りハナを切り快調に逃げていく。2番人気を背負っていること、昇級戦で古馬との初対戦も加味すれば、もっと慎重に行くべきだったであろう・・・が、私もチャプターならどんなレースをしても連勝は濃厚であると考えていた。しかし、やはり目標にされたのか、1番人気・3番人気の古馬に差され3着でレースを終えた。非常に残念ではあったが、3歳馬では最先着を果たしており、また昇級初戦で3着であれば先々が楽しめる。秋には・・・と思える内容に期待が膨らんだ。
一方のパスワードは北海道遠征。実はこの遠征が今後のパスワードに影響したと言ってもいいかもしれない程の迷走に終わることになる。まず函館D1700、距離は若干長いかと思われたが、能力的には通用するはず。1番人気に支持されるも結果は4着。勝ち馬からは放されたものの、最低限の結果は出ており、すぐに順番が回ってくるものと思えた。実際、勝ち馬はこの後、急上昇し準OPまで上り詰めるのだから、負けても仕方がない相手だったといえよう。ここまでは良かったのだが、ここから歯車が狂い始める。次のレースが函館D1000m。確かに1400mで結果を出してきた馬ではあるが、1000mの馬でないことははっきりしていた。この出走に疑問符を投げた出資者も多いのではないだろうか。私も???ではあったが、1勝しているアドバンテージがあるため、色々な条件を試すのもいいかと自分を納得させた。しかし、やはり1000mのスピードについていくことができず、9着惨敗。次に選択したレースは芝1200m。パスワードの芝適正は未知数ではあったので、芝を試してみたいという気持ちはあったものの、どうせならもっと距離を伸ばしてもらいたかったというのが正直な気持ちであった。芝1200mはやはりスピード勝負。ついていけない時点でレースは終わる。実際パスワードも着いていけず13着と初めて2桁着順を味わうことになる。これがもっと距離の長い芝のレースであれば・・・。といまさらながらに思う次第である。結局この北海道遠征は失敗に終わり、パスワードの夏が終わった。

8月はもう1頭出走している。それは期待の2歳馬シルクリベラルである。デビュー戦が8月6日。過去の愛馬では最短記録である。愛馬が2歳夏にデビューすることなんて今までになかった。そしてデビュー戦は鞍上に田中勝J。嫌でも期待してしまう。血統から明らかに不向きであった芝1200mに出走したのだが、4番人気に支持された。しかし、やはり彼には忙しすぎたか8着惨敗。舞台を芝1800mに移した次走で6着と進歩は多少できたように見えた。ただ、同時にスブさも分かり、使いつつ慣れるまで時間がかかりそうだということは分かった。

暑さも和らいでくる9月に突入する。その9月から愛馬ラッシュが開始されたのである。まずは骨折休養明けから戻ってきたイノセント。1年3ヶ月振りのレースである。舞台は小倉芝1200m。デビュー戦も未出走馬ながら経験馬相手に横綱相撲だったイノセント。長期休養明けでも・・・と思ったものの、やはりブランクの影響か11着に惨敗。次のレースでは鞍上に熊沢Jを迎え、阪神芝1200mに登場。復帰初戦より明らかに状態が良くなっており、7着でレースを終える。熊沢Jからも「この馬走りますよ」というコメントをいただき、今後の活躍を夢見ることになった。
続いてパスワードが登場。北海道遠征は失敗したものの、舞台を得意の阪神D1400mに移し仕切りなおしである。鞍上に小牧Jを迎え堂々の1番人気。しかし、ここでも単勝122倍の馬に激走され、3着確保が精一杯。能力は上位であることは間違いないが、どうも運にも見放されてると思えてきた。
パスワードが3着に破れた翌日、再ファンドで復活したエディフィスが登場する。阪神D1800m。鞍上はもちろん石山J。園田で4戦4勝の成績を残したとはいえ、やはり中央未勝利馬とあっては信頼がない。11頭中7番人気でレースを迎える。園田で鍛えたのか、いきなりハナを切るエディフィス。しかも道中も楽に走っている。元々中央でも未勝利の身であったものの、2着2回3着1回の成績を残しており、500万下でも十分戦えるレベルにあった。そして先頭で最終コーナーを回る。待望の1着が目の前まで迫るものの、1番人気馬にしっかり捕まり2着。やはりこの馬は中央で勝てないのか・・・!

歯がゆい愛馬のレースが続いた9月であったが、よく走ってくれた。そして10月に入ると、勝利にもっとも近いチャプターが復帰戦を迎えることとなる。10月1日、そのチャプターの復帰戦の前に、エディフィスが出走する。前走は2着。1着馬とも着差があったために、強気にはなれなかったが、下手なレースはしないと思っていた。主戦の石山Jが怪我のため、上村Jに乗り変わっていた。前走はハナを切ったが、今回は控えた。逃げているのは岩田Jの1番人気。ちょっと楽に逃がしすぎている感があったが、エディフィス自身も折り合っている。そして4角を回り直線に入る頃には逃げている馬がエディフィスにセーフティーリードをつけている。今回も2着か・・・そんなため息がでた残り100mでエディフィスに追い風が吹いてきた。先頭の馬がアラアラになり、それをめがけてエディフィスが襲い掛かる。リードはまだある。差しきれるのか?不安がよぎるが、エディフィスの脚色がいい。見る見るうちに先頭とのリードがなくなり、ゴール板では3/4馬身前に出ていた。念願の悲願の優勝がやってきた。園田4戦4勝は伊達ではないことを証明して見せた。この勝利は本当に嬉しかった。ダート中距離で必ず走ると思って出資した。ここまで長かったが、ようやく結果となって帰ってきた。500万下のレベルではない。そう確信したレースでもあった。
余韻に浸るまもなく翌日、チャプターのレースがやってくる。舞台は札幌D1700m。鞍上は若き松岡J。1番人気に応え堂々の優勝。勝って当たり前と思わせる内容に、心が躍る。この勝ちっぷりに、秋の活躍を考えない日はなかった。私と同様陣営も手応えを掴んだようで、G1秋華賞に登録してきた。芝のレースは使ったことないが、結構やれるんじゃないか?と思った。結果的に登録のみで、ダート路線を歩むことになるのだが、この登録は本当に嬉しかった。実際に走ってもらいたかったという気持ちもあるが、一口生活至上初めて愛馬がG1の舞台に上がる寸前までいったことが素直に嬉しかった。

一方で、結果の伴わなかったフォートレス、ラヴリーが相次いで引退した。

続く:愛馬5頭(エディフィス/1勝、イノセント/1勝、パスワード/1勝、チャプター/2勝、リベラル/未勝利)