思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

雨蓋修理のお値段と、基本的に「ザック」好きの古い人間(追記あり)

2011-08-08 23:59:59 | 登山

前々からの懸案だった、かねてから登山でも行商でも愛用している40Lのザックの雨蓋を修理に出してみた。
モノはモンベルの「グラナイトパック40」で、1999年購入だからもう12年も使っているのか。これはこの間にもう2、3回モデルチェンジしているっけか(参考に、今年モデルのリンクを張っておこうかね)。でも使い勝手が良いから使い続けちゃうよなあ。
具体的な修理箇所は、雨蓋のファスナーの交換。
ああ、モンベルの場合は商品名は「ザック」ではなく「バックパック」で通っているか。


半年ほど前に突如、スライダーが片方外れた。元に戻らなくなった。


また、それとともに2年近く前から右から左へ閉めるさいの左端のほうでファスナーの目?(なんと呼ぶのだろう、この部分は)が潰れていて、いつもこの潰れた箇所より左側5cmくらいが開いた状態で騙し騙し使っていたが(だからあまり小振りのモノは収納できない。もしくは小型の小物袋やジップロックにまとめたやつを収納していた)、スライダーが外れたのを機に交換したくなった。


なので、ファスナーとスライダーを一気に交換した。ファスナーは古いものを外して縫い直す手間がかかったのだろうが、でも東京都内の店舗持ち込みで修理に出して、たしかモンベルの場合は大阪本社に送って対処するが(数年前にも60Lザックを修理に出したことがあるので、その流れはよくわかる)、それでも1週間とかからずに完了した。これは早いほうなんすかね。


で、修理できたはよいが僕の場合はその費用が問題だったのだが、あまりにかかりすぎるともう少し上乗せして新しいモノに買い換えればいいじゃん、ということになるが(家電品の買い換え時によくあることか)、でも直せばまだ使えるという貧乏性が勝って、最近も山岳系雑誌で最新のザック・バックパックがカタログ的によりどりみどりで紹介されているのを眺めてもあまり食指は動かない。
その専門家である小売店店員や雑誌編集者やアウトドアライターのようにとっかえひっかえ試したいとは思うが、貧乏人はそう簡単にはいかないよあ、と最近もあるライターがザック・バックパックをサイズは様々だが二十個以上所有している、みたいな記事を読んで、びっくりしたりもした。そんなに持っていてすべて使うのか、と。
僕は現状ではそれぞれ10年以上酷使している60L、40L、25L、の3つしか使い分けていないもんなあ。用途も例えば雪山縦走は60L、沢登りは40L、日帰り低山徘徊は25L、などとだいたい決まっているので、これだけでも現状はさほど問題なし。
でももちろん、お金があれば買い換えを、とは最近よく考えてはいる。そろそろ表面の生地に微細な引っかき傷や穴が増えてきたり、生地自体が薄くなってきてもいるようだから。遊びか仕事か、とか使う頻度によってはザックは一生モノとは限らず消耗品扱いになってしまうのもまあ無理はないか。

ああそれで費用に戻るが、修理依頼時に受付を担当した方によると4000円くらいかかるのでは? と言われたが、もしホントにそんなにかかるのであれば修理は断念して新しいモノへ、とかほかの選択肢もかなり真剣に考えた。
断念して、というのはもうひとつの選択肢としては、雨蓋は放棄するか(雨蓋なしでさらに使い続ける)、またはその要修理箇所のファスナーの部分をボタン留めに変えるとかして改造して、行動中は使用頻度は低くて軽いモノの収納に使おうかとも思っていた。例えばツェルト、ガス缶、食料の一部あたり。実はこの裏側というか内側にも小さなファスナーがあってそこからも補助的に少々の小物がいくらか入れられるのでそこを騙し騙しもっと頻繁に使おうか、とも思っていた。

が、実際に見積りが出ると税込みで2415円となり、まあこのくらいだったら修理してもよいか、と取り越し苦労に終わり、そのまま預けて修理続行で、完了して、引き取りに行って、本体に再装着してめでたしめでたし、と相成った。スライダーに新しいジップタイも付けてくれたが、この価格も込みなんだろうね。これは別売りだと290円(「ジップタイL」の場合)かかるのだけど。


ちなみに、この修理にまつわる再考に際して参考になった本に、今年2月の発売だが遅まきでつい最近読んだばかりの『ウルトラライトハイキング』(土屋智哉、山と溪谷社)がある。
ここ数年のウルトラライト志向の人々は「バックパック(ザック)」の軽量化のために「トップリッド」(雨蓋)が省略されたモノを好む傾向があるようだと知り(ゴーライトとかグラナイトギアとかクレッタルムーセンとか、ウルトラライト志向の各種ガレージブランドとか)、旧来のトップリッドに入れるような例えば行動食、小型水筒、地図、カメラ、財布、などの小物をウエストバッグやフロントバッグ(最近では特にパーゴワークスのHobo改めPaaGoのが有名か)やサコッシュに別納して携行する、というザック本体との二刀流の運び方も流行りつつあるのはわかる。たしかに週末のJR中央線下り列車にたまに乗ったさいにも年々よく見かけるようになったし。まあ特に山岳写真をやっている人は昔からカメラザックとともにウエストバッグを併用しているのはよく見かけるが、あんなにゴツイのではなくてもう少し軽やかに運べる感じか。

ただ、ここ数年で新たにハイキングやロングトレイル歩き方面から(最近の山ガールブームの飛び火の影響も多少はありつつ?)野遊びに参入してきた、もしくは新しいモノやウルトラライトマニアな人々にはそういう「トップリッド」なしのカタチもなんの疑いもなく浸透しやすいのだろうが、僕個人的には旧来の「雨蓋」付きで上部からモノを詰め込んでゆく「トップローディング」の「ザック」のほうがおそらく(両親が登山をやっていた影響で)産まれた当時の物心つく前からしっくりきているカタチで、その「バックパック」の項に少々書かれていた「雨蓋に雨よけの機能はない」みたいな論調にはやや違和感があったりする。
この時期の台風やゲリラ豪雨のような土砂降りではさすがに無理だが、梅雨のようなしとしと雨程度だったら生地によってはそのままでも(雨蓋内部のモノを小物袋で防水するとか)、もしくはザックカバー(パックカバー)を付ければなんとかしのげることもあるし、雨よけになるか否かは使う人の嗜好や思想によると思う。行き先の標高・起伏や気候の変化の度合いにもよるか。

僕はやはり「ザック」の考え方のほうが好きというか染み付いているんだなあ、あえて悪く言うと頭が固い古い人間なんだなあ、とこの本を読んで改めて思い知った。背嚢の表現も昔からドイツ語の「ザック(「リュックサック」を省略して浸透した表現、とよく言われる)」一辺倒なので、いまだに英語読みの「バックパック」と発音するのも書くのも面はゆい感じだし。
でも徐々にそういう最近の動向を意識して軽量化をもっと採り入れていこうかとは一昨年から考え始めていて、僕のような頭の固い人間の脳みそを揺さぶる目からウロコの記述も多い良い本であるね(著者の土屋氏も、アメリカで「ウルトラライト」の概念に出合う前の大学探検部時代は僕と同じ側だったそうだが、本の冒頭「はじめに」にもあるように、ここ10年で劇的に変わってしまったのかあ)。しかしこの本、物欲がかなり刺激されるのがまた別の大きな問題ですなあ。

修理してこれから再びしばらく酷使する件の雨蓋だが、でもほかにもできれば修理したいのに伝え忘れたところが2か所あって、でもそれはまだ今回のような(ファスナーが完全に閉まらないことによって)行動に直ちに支障をきたすような喫緊の問題ではなく、まあ行動不能に近い事態に陥ったときにまた考えればいいか、と思っている。
と言いつつ、また来年あたりに再び修理に出すことになるかも。


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