温泉ドラえもんのブログ

全国の秘湯巡り、昆虫、野鳥、植物、野菜づくり、小さな実験室などを中心に写真とともに掲載します。

温泉渡り鳥の独り言 -謎の僧 空海と温泉ー

2017年10月29日 | 秘湯巡り
 雨が降り続いて外出もままならないので、温泉にまつわる雑感を書きたいと思います。
 ① 日本には約3,000か所の温泉があると言われています。
 その中で、昔から親しまれてきた自然湧出の温泉は、近郷の農民、杣人、猟師が見つけたものです。
 例えば、長野県の「葛温泉」は「クズ(葛)の根」を採集に山に入った農民に発見されました。
 温泉の発見の切っ掛けは、「鳥獣が傷を癒していた」というものが多いです。
 しかし、これは温泉の効能の信ぴょう性を持たすためのフィクションと思われます。  
 また、発見者が一般人ではなく、行基、空海という有名な高僧の場合があります。
 これは、僧侶が医薬にも精通していて、湯治で傷や病を癒すことと信仰によるご利益と結びついたものと思われます。
 私は、これまで空海が開湯したと言われる温泉に19か所浸かりました。
  ▼東道後温泉(愛媛)▼関金温泉(鳥取)▼ 龍神温泉(和歌山)▼赤引温泉(愛知)▼ 鹿塩温泉・海ノ口温泉(長野)
 ▼湯村温泉(山梨)▼修善寺温泉・伊豆山温泉(静岡)▼川場温泉・法師温泉(群馬)▼出湯温泉・清津峡温泉・関温泉・燕温泉(新潟)
 ▼弘法大師温泉(茨木)▼大塩温泉・芦ノ牧温泉(福島)▼ あつみ温泉(山形)   ※九州は未湯
   写真は、お寺の境内にある「出湯温泉(新潟)」です。

 ② 空海(弘法大師)は、謎の多い僧です。
 空海の略歴は、以下の通りです。
〇774年 讃岐国(香川県)生誕
〇793年 19歳の頃から四国・熊野の山中で修業(この間に何をしていたか不明)
〇804年 31歳で第16次遣唐使の私費留学生となる
〇806年 20年の予定を2年で帰国
〇816年 43歳朝廷より高野山を賜る
〇821年 48歳日本最大農業用ため池「満濃池」の改修・指揮をする
〇835年 61歳 入定
謎1:第16次遣唐使の中には、最澄もいました。
最澄は、天皇の護持僧で国費で1年間派遣されました。
その費用は、金銀数百両と言われます。
ところが、空海は無名の僧で、私費留学生でした。
しかも、20年間の留学費として「砂金」を持っていました。
いったい莫大な砂金をどう入手したのでしょうか。
しかし、20年間という約束を破って、たった2年で帰国します。唐では、密教、土木技術、薬学を学んできましたが、早急に帰る必要性があったのでしょうか。
バックにいたパトロン(ある一族)の存在が気になります。

謎2: 空海開湯伝説の残る温泉は、北海道を除く全国にありますが、入定までのたった18年間ほどの間に開湯されています。  
現在の情報化社会では、空海の顔を誰でも知ることができますが、当時は空海を知っていた人は何人いたでしょうか。
開湯した空海は本当に一人だったのでしょうか。写真は、「弘法大使温泉(茨木)」の玄関にあった像です。 【続く】


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