アラ還のズボラ菜園日記  

何と無く自分を偉い人様に 思いていたが 子供なりかかな?

高倉健と福島泰蔵の生い立ち、其のⅦ

2013年04月18日 | 近世歴史と映画

高倉健の母への想い 1

 僕が荒れ性であかぎれが切れたり、いろいろするってのよく知ってるんですよ。

 任侠映画のポスターでね、入れ墨入れて、刀を持って、

後ろ向きで立っているやっでね、

全身の。肉絆創膏を踵に貼ってたんです、それを

 「アッ、あの子。まだあかぎれ切らして、絆創膏絆貼ぃとるばい」って

 見つけたのは、お袋だけでした。全身のポスター誰も気がつかない

「あんたがね―可哀想」

 

「そういえばね、あそこの幼稚園でプール造るっていうと、あなた寄付してあげなさい」

「お母さんね、俺、さっきから黙って聞いてるけどね、“もうそろそろそんなに何年も

やってんだから、あんたもいい役やらしてもらってね、そんな寒いところなんか行かないで

ああ、やっぱりお母さん有難いなって思ったんだけど、そしたら、幼稚園が何と

かだから、この前はお寺さんのあれが何とかだから、氏神様が何とかだから寄付しろとか

って。それ言っていることと、全然矛盾してるんじやないの……俺は仕事しないと金がで

きないんだよ。山の中だって、雪の山なんて、誰も行きたくないんだけど、そういうとこ

ろも行かなきや金にならないから行くんだから。で、“それは行かないようにしなさい〃

 

って、で、寄付は寄付でしなさい〃って、どっちなんだよ、言ってることが矛盾してる

じゃないか」

 

「・・・・・・・・・」

 

しばらくたってね……もう、四、五時間くらいたって、忘れてるころですよ。突然に、

「私もね、どっちの気持らも本当ですよ」

 って、突然。もう五時間くらいたって全然忘れているときに、ずーっと考えてたんですね。

「どっちの気持ちも本当だって、だから幼稚園に寄付もしてほしいんだけど、雪の中を這

い回るの、それもいやなんだ’」

 

「・・・・・・・・・」

 有難いですよね、母親って。

 

 

 



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