天祖神社・神楽殿での公演

2007年12月19日 | Weblog
 12月14日(水)は、板橋ときわ台にある「天祖神社・神楽殿」で和力公演が行われた。神楽殿での公演はさぞや和力に似合うものであろうと、わたしはこの日を待っていた。
 池袋から「東武東上線」に乗る。池袋駅の隣は北池袋駅でそこを通過すると、盛り場の賑やかさは消えて、両側になんとも懐かしい風景が広がってくる。

 わたしは墨田区向島に生まれたから、東武線の沿線で育ち東武線に乗る機会が多かった。今でも浅草に行くときには東武・伊勢崎線に乗る。家々の間を縫って走る電車は曲がりくねり、そんなにスピードは上がらない。
 駅も古ぼけていて、今にも「工員さん」や「女工さん」が弁当箱を包んだ風呂敷を手に、乗ってくるのではないかと思わせる雰囲気がある。
 あまりキラキラしていない、しっとりと落ち着いた「場末」のなつかしい味が、駅舎にも沿線の家々にも染みついているのだ。ときわ台駅に向かいながら「東武線の沿線はなんか共通しているなぁ」と懐かしい気持ちになる。

「ときわ台」駅に着いた。南口を降りて「はて、どちらかな」と見回すと、右手前方にこんもりとした木々が見える。「あそこに違いない」と森の社(やしろ)を目指していく。
 境内に入り広い参道に沿って進む、正面は本殿が建っておりその左手に神楽殿があった。この広い境内も祭礼の時には人で埋め尽くされるのだろう。




 神楽殿のステージ部分で和力メンバーがリハーサルをしている。ゲストの池上眞吾さんを迎えて、加藤木朗・木村俊介・小野越郎の4名が入念に相談しながら演目を進めていく。
 昨日から上京して、池上さんのお稽古場で稽古をしていたとのことである。アメリカ公演のフルメンバーであり、この機会にしっかり稽古を積むのであろう。
 定刻の7時に近づく。もはや神社の境内は闇につつまれている。本殿のお灯明と社務所の灯りが柔らかく闇に浮かび上がる。神楽殿の玄関にも灯がともされた。
 
 開演。例によってわたしは受付の場所から離れることは出来ない。でも障子越しに舞台の進行は分かるし客席の息づかいも充分に感じることができる。
 舞い・津軽三味線・笛・箏での拍手の出方はホール公演と同じようにでる。朗のトークへの反応も敏感だ。
 受付をしていて感じたのは、今回は若い年代の方が比較的、多かったのではないかと思えた。それらの方々も満足していただけたのだろう、「アンコール」がでて最後まで楽しんでくださったようだ。

 アメリカ公演もこのように人々の心を捉えることができるだろう。宮司さんからは「このコンサートをここの神楽殿でやってもらって、祭られている神様もきっと喜んでいるにちがいない」との言葉をお聞きして、夜の電車に乗り込み家路につく気持ちは温かかった。

 
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