11月8日(日)群馬県藤岡市で「第14回全国太鼓フェスティバル・太鼓エモーション」が開催された。
会場の「みかぼみらい館」は、公共交通機関の便が悪いと聞いたので、わたしが運転する軽乗用車で行く。
朝から小雨が降り、同乗した弟・雅義、名古屋のKさんと車内トークを楽しみながら2時間余をかけて向かう。
藤岡ICで下り国道13号線をひたすら進み、小高い丘の上に「みかぼみらい館」がみえた。
坂道に沿って無数の幟り旗が雨の中でもひらめいている。晴天であったなら周りの樹木の紅葉に映えるだろうにと残念に思う。
前橋市在住のMさんが、チケット発売と同時に購入してくれたので、一番前の席いわゆる「かぶりつき」に座をしめることができた。
北は山形、南は宮崎から招聘された太鼓グループは8団体。
バチさばきも鮮やかに、一糸乱れぬ呼吸、力強くもしなやかさがある。若い世代が多く、女性の数の多さが目を引くのが、わたしの全体の感想である。
同行した弟・雅義のレポートが届き、和力公演の様子を知っていただくため、ここに再録することにした。
加藤木 雅義 レポート
全国の太鼓同好会を集めてのフェステバルでした。
プログラムは、選抜された8つの太鼓グループが出場。
最後のトリに和力を配するという番組構成です。
1,100人入る会場は満席。
選ばれた出演者は、コンクールで優勝するような実力グループがそろって、迫力のある組太鼓を披露して観客を魅了しました。
演目が終わると司会者が下手に現れ、グループの代表者にインタビュー。
その間に次の演技者が暗転した舞台でご自分たちの太鼓をセットする、という流れです。
こうした動きは、すべて観客の眼にふれるようにされていました。
第7組、最後のグループの演目が終わったとき、なぜか幕がおります。
その幕前で、インタビュー。
「さぁ、次は和力です」とインタビュアーが宣言すると、幕がスルスルとあがり、
そこにはライトに浮き上がった鹿踊り姿の朗が、演奏陣を後ろにつけて登場です
これまでの間、太鼓しか見慣れていないお客様には異様な光景。
そのとき、わたしの座る席の後ろでひっくり返っていた小学生低学年と見られる少年が、とび起きた気配がしました。
太鼓一色だった舞台が、下手に小野さんの津軽三味線、となりに内藤さんの太鼓、上手に木村さんの篠笛が配置され
そし中央に、見慣れない鹿踊りの衣装をつけた朗が立ったのですから、この配置だけで客席はどよめいていました。
獅子舞でお客様は身をのりだし、忍者のかけ合いでため息がでていたのを、わたしは客席通路の中間地点で観察させていただきました。
目を転じてもし、わたしがこの大会に出られるような太鼓愛好家だとしたら、和力のだんじり囃子を見て、太鼓の皮だけでなく脇にあるビョウを中心に打つ奏法に衝撃を受けていたかもしれません。
和力のメンバーは、3人の他に内藤さんが加わりました。
演目は、野分け、炎天下、だんじり囃子、忍者、鶏舞、東風。
以上、レポートでした。