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動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

野良のワンちゃん天国へ

2019-01-28 05:53:20 | 犬が教えてくれたこと

福井県美浜町水晶浜で生活していた野良のワンちゃんが1月27日(日)動物病院で亡くなり天国に召されました。
享年およそ9~10歳(推定)。

同日朝、このワンちゃんの様態が悪いという連絡をいただいたのは京都にお住いの男性の方(以下〇〇氏)。
今回、私が〇〇氏に直接お会いしたのは初めてで、数年前にEメールをいただいたことがありました。
週1回ほどの頻度で7年ほどにわたりこのワンちゃんに会いに来ていたというほど長く接しておられた方です。
〇〇氏からの連絡がなければこのワンちゃんの死に目には会えませんでした。
〇〇氏は前日水晶浜に来られ、いつものところにワンちゃんがいないので探し回り見つけたところかなり衰弱しており、地区の施設の敷地を借りて毛布を敷き風雨を避けるように板で囲いブルーシートを乗せたりしていたのです。


2019年1月27日(日)水晶浜にて

私がこのワンちゃんを知ったのは5年ほど前のこと、最初は探し回りましたが出会いがありその後3か月サイクルで会いに来ていました。
その都度、こうした環境で野良として生活しているのがいいのかどうか思案しましたが、今回の〇〇氏他県外の方々や地域の方々からの情報等により、いろいろと面倒見ている方々がいらっしゃることを知り、ずっと様子見をしてきました。
私が出会った時のこのワンちゃんの年齢はおよそ4歳ぐらい、その時前脚片方がなくトラバサミで被害を受けたと思われました。
最初は警戒して逃げる状態でしたが、回を重ねるたび慣れてきて近寄って来てくれました。







県外から来られた方・・・ワンちゃん、一緒に散歩や遊ぶ姿がうれしそう。




相棒がいました(オス同士)。一人ぼっちになって寂しいでしょう・・・


下記の写真6枚は2018年最後に出会った時の写真です。
私が来たのに気づいて立ち上がり近寄ってきますが、ゆっくりゆっくりと歩き・・・かなり弱ってきている状態でした。










このワンちゃんは私にいろいろなことを教えてくれました。

一昔前、この敦賀半島一帯には野良犬が多くいてかなりの数が捕獲されており、捨てられていたこの野良のワンちゃんは唯一と言っていいほどの生き残った子。
片脚を無くすなど自然界では辛いことや危険なことなどいろいろあったと思いますが、穏やかな性格でひたすら生きるために頑張っている姿でした。
この付近にはイノシシが出没することがたびたびあるとのことで、イノシシを追い払ったという情報も聞きました。


このような川の壁に穴を掘って寝起きしていることも(水嶼浜にて)

人間社会においては、自殺・虐待・殺害など心が痛くなる出来事が多発していますが、動物たちはこんなことはしません。
動物をモノ扱いする人間がいるから簡単に捨てられ不幸になる動物がいる・・・、人間という生き物であることが恥ずかしく情けなくなるときがあります。
動物たちも人間と同じ命、命の尊さというものを人間はもっともっと理解すべきです。
人間ははるか昔から動物たちから数々の恩恵を受けています。恩恵を受けながら私たちの生活が成り立っているのです。

今日は日曜日ということで大半の動物病院はお休みという状況でしたが、みはま獣医科医院(0770-32-5799)さんは午前中やっておられここでお世話になりました。
血液検査の結果は非常に悪く、先生からはもうしばらくの命とお聞きし、私どもも覚悟を決めていた次第でした。




みはま獣医科医院にて

その後30分ほど経過してその医院で亡くなったのです。
誰にも看取られず亡くなることを思えばせめてもの供養になったかと・・・。
ワンちゃんは精一杯頑張って私たちが来るのを待っていてくれたに違いありません。

亡くなったワンちゃん、地域の方だけでなく県外の方からもいろんな支援を受けていたのです。
一般的に、野良犬猫の寿命は5~6歳と言われており非常に短い命なんです。
多くの支援者のお蔭でここまで生きてこられたと思います。
これといってなにかできるワンちゃんではなかったにもかかわらず、なぜ多くの方からいろんな支援を受けることができたのでしょうか・・・
教えられることが多いです。
動物をモノ扱いする人間が多い反面、連絡のあった〇〇氏はじめ、動物の命を尊厳する心をもっておられる方々、このような人たちが増えて不幸な動物たちが無くなる社会になっていくことを切に願い精一杯活動してまいります。 
(byぬくもり)


犬の多頭飼育問題の真実(山梨県)

2011-02-22 07:35:47 | 犬が教えてくれたこと

心に刻まれた裏切られた過去

 

◇豊かな国の不要犬、哀れ

約10年前、山梨県東部の犬の多頭飼育現場をメディアが取り上げた。

市街地のビルや山林に放し飼いにされ、周辺には汚物が放置されたまま。

不衛生な環境下、十分な餌も与えられず、ピーク時には400頭を超える犬がいたとされる。

当時を知る「動物愛護支援の会」代表のマルコ・ブルーノさん(64)は「この豊かな国でなぜ不要犬ができるのか。この国の豊かさとは何なのか。本当に不思議な国だと思った」と振り返る。

「捨て犬を救っている」と語っていたオーナーの男性は3年前に亡くなった。

現在、残された78頭は地元の小林昭夫さん(67)と暮らしている。

小林さんは20年以上前から、日を追うごとに増えていく犬たちの存在を知っていた。

悲惨な状況を改善しようと手伝いを続け、4年前から住み込みで世話をしている。

そして、毎週土、日曜には帝京科学大学の学生たちがボランティアとして集まる。

犬舎の掃除や支援物資の整理など朝から晩までの活動は9年目を迎える。

人を見て、寄ってくるでもなくほえるでもなく、小屋に隠れる犬を見かける。

人に救われたはずなのに人に裏切られた過去は犬たちの心に深く刻みこまれているのだろう。

同大アニマルサイエンス学科3年の橘百合子さん(21)は「過去から学ぶことがあるからこそ若い自分たちが変えられる」と語る。

「もう二度と起こしちゃいけない」という誓いを胸に、少しずつ犬たちとの距離が近づいている。

【写真・文 佐々木順一】

 

◇ほとんどの犬が10歳以上

15年前から山梨に通い、これまで200頭以上の犬を一般家庭に譲渡してきたマルコさん。

現在も譲渡だけでなく、病気の犬を動物病院に運んだり、物資の調達などで小林さんらを支援している。

学生たちは譲渡に適した犬を自宅に連れて帰り、室内の暮らしに慣れさせながら、人とうまく生活できるように訓練している。

同大3年の秋森来美子さん(21)はこれまでに4頭の世話をしてきた。

「人に興味を持たない犬たちが心を開いてくれた時が何よりの喜び」と話す。

ほとんどの犬が10歳を超え、以前と比べて譲渡する犬の数は減少している。

「犬にとっては、ここで暮らした方が幸せではないのかと迷う時もある」と語る小林さんだが、今も学生らと協力して譲渡活動を続ける。

犬への餌や現地の運営費はすべて寄付で賄っており、学生たちが運営するホームページでは活動報告とともに支援物資なども募集している。

アドレスはhttp://www.animalweb.jp/bokuiki/tatou_hp/tatou_top.html


犬に声をかける学生たち。時間をかけて少しずつ、人と犬との距離が近づいている。

譲渡を目指す犬は学生たちが預かっている。
屋内飼育に慣れさせ、家庭での生活に順応できるようにしている。


寂しそうに遠くを見つめる犬。暗い過去を消すことは簡単なことではない。

かつて多数の犬が放し飼いにされていたビル。当時の劣悪な飼育環境がうかがえる。


プレハブ小屋で支援者からの贈り物すべてをノートに書き留める小林さん。

小林昭夫さんや学生たちと生活する犬。今はのんびりと山奥で暮らしている。


ともに家に帰るまで

2011-02-17 08:09:08 | 犬が教えてくれたこと

ともに家に帰るまで 

 

◇中越沖地震で被災し、トラック生活を送る足立さん夫妻

3匹のゴールデンレトリバーが狂ったようにほえ出した。

めったにほえない犬の様子にヘビを警戒し、海辺から孫を連れて避難すると、今まで経験したことのない激しい揺れに襲われた。

離れて暮らす長男の結婚記念日。

「海の日」に用意されたバーベキューは一瞬のうちに土砂にのみ込まれていた。

中越沖地震が発生し、避難所で夜を過ごす新潟県柏崎市の青果業・足立金五さん(50)と妻の真由美さん(48)は、車中の犬たちのことが頭から離れなかった。

全壊した自宅で飼うことも、避難所に連れて行くこともできない。

人間のことで精いっぱいの被災地で「犬なんか連れて」と思われないかという不安もあった。

子犬の時から一緒に暮らしてきた「家族」との車中生活を決断するのに時間はかからなかった。

仕事で使うトラックでの生活は、朝起きれば「夜はどこに行こうか」と考え、夜になれば「明日のこと」を考える日々。

深夜、警察官に職務質問されることもあるが、真由美さんは「苦労もあるけど楽しいよ。犬の顔を見ると励みになるしね」と笑った。

犬を連れて足立さんと自宅に向かうと、以前は先を競うように家に入った3匹が道路から動こうとしなかった。

「こいつらも分かっているのかな」と足立さんはため息交じりにつぶやいた。

唯一、難を逃れた庭の小さな展望台。

このテラスで夕日が沈む日本海を見下ろしながら、夫婦でビールを飲むのが楽しみだった。

「もう面倒くせえと思っていたけど、こいつらの悲しい顔見てたら、また家に帰りたいよ。こいつら孫まで助けてくれたからね」

またいつか犬たちと寄り添い、妻と乾杯する日を誓った。

【写真・文、佐々木順一】

 

◇保護センターに預けるケースも

優しい性格のサクラ(4)と、その息子で賢いホクト、どこか頼りないレオンは共に1歳でやんちゃ盛り。

トラックの荷台を店舗にした移動青果店を営む足立さん夫妻は3匹と行動を共にし、買い物客から人気を集めている。

地震から約2週間後に仕事を再開した足立さん夫妻。

スーパーの駐車場に店を広げ、人懐っこい犬たちと客の触れ合いに足立さんは「果物より、犬のほうが人気なんだよね」と笑顔を見せる。

柏崎市の仮設住宅で犬の飼育は可能だが、足立さんは「大型犬3匹を飼うとなると周りの人たちに迷惑がかかるのではないか」と思い、入居は考えていない。

また、同じように大型犬を飼う人の中には動物保護センターに預けるケースも少なくない。

においや騒音、アレルギーなど、被災地に限らず動物と暮らすことは近隣住民の理解が必要不可欠だ。犬を飼う被災者の中には「動物飼育可能なマンションのように、ペットと一緒に生活できる仮設住宅群があれば」という声もあった。

 
被災した海辺で犬たちとの時間を楽しむ足立さん。またいつの日か日本海が見渡せる我が家に帰る日を思い描いた。

「犬は家族だから」と語る足立さん。被災者となり苦労も多いが、サクラを抱き上げると自然と笑みがこぼれた。

人懐っこい3匹は「看板犬」として子犬の時から買い物客の人気者だ。

2畳ほどのスペースに大人2人と犬3匹が寝る生活だが犬の顔を見て励まされるという。


来年も桜見ようね

2011-02-12 07:46:00 | 犬が教えてくれたこと

来年も桜見ようね
 
◇捨て犬だった16歳おはるちゃん
桜が散った公園の脇に捨てられていたおはるちゃん。
川崎市の橋本さん夫妻に保護され、獣医師に「推定14歳」と告げられた体は多くの病気と脳の障害を抱え、真っすぐ歩くことさえできなかった。
「どうか桜の季節まで」から始まったシニア犬との生活は2年を迎える。
昨年4月、家族が待ち望んだ花見が実現した。
夫妻は先住の飼い犬まろ(4)との関係に神経を使い、健康診断の結果に肩を落とした。
それでも少しずつ心を開き、輝きを取り戻していくおはるちゃんの瞳と懸命に生きる姿に励まされてきた。
1年を振り返りこう誓った。「来年の春、この公園の桜をまた一緒に見ようね」
桜の木はずっと見ていた。
捨てられていた時、おはるちゃんの体が排せつ物で汚れ、ツメがふた巻きして肉球に突き刺さっていた姿を。
動物病院からおはるちゃんを抱いて家路に就く途中、目に浮かんでいた涙を。
最初は拒否していたが日を追うごとに仲良くなっていくまろを。
公園でくるくる回るおはるちゃんを温かい目で見つめる家族の笑顔を・・・。
そして今春、おはるちゃんが家族の一員となって2度目の花見の季節を迎えた。
美しく咲く山桜の下で笑う家族は幸せに満ちていた。
まるで何年も一緒にいるかのように。
橋本さん夫妻はおはるちゃんの過去を知ることはできない。
しかし、この2年間の思い出は家族のきずなとして深く刻まれ、おはるちゃんにとっても間違いなく素晴らしい出会いとなり過去となった。
風に舞う桜の花びらを見て願う。
おはるちゃん、来年もまた桜を見ようね。
【写真・文 佐々木順一】


今年も桜の季節を迎え、笑顔を見せる橋本さん夫妻。
おはるちゃんが公園で拾われてから約2年間、家族を見守ってきた桜に感謝した。


「あっ、笑ってる」。シャンプーの後に毛を乾かすと、笑ったような表情を見せるおはるちゃん

◇「年寄りだと特別視せず」
現在、16歳程度と思われるおはるちゃんは人間に例えると80歳を超える。
そのため、心臓疾患やポリープなど多くの病気を患っている。
また、脳の障害の影響で反時計回りに直径1メートル程度の円を描くようにゆっくり歩く。
最近は動物病院に月3回ほど通うが、体調が悪い時には週に数回も足を運ぶこともあるという。
保護当時、獣医師から「ガラス細工を扱うように」と言われたが、家庭では飼育空間の温度調節や食事など最低限のことに注意した上で、「年寄りだと特別視せずになるべく普通の生活を心掛けている」と話す。
家族との思い出を少しでも残したいと思って始めたブログには、夫妻と犬たちの日常がつづられている。要介護のシニア犬ともなると精神的な負担も大きく、ストレスを抱える飼い主も少なくない。
シニア犬と暮らす多くの人たちの交流の場ともなっているブログ、「元捨て犬 おはるばばちゃんの万歩計」のアドレスはhttp://maroharu.blog120.fc2.com/


盲導犬セージ

2011-02-10 07:50:53 | 犬が教えてくれたこと

「犬が教えてくれたこと」というカテゴリーを設けました。
犬は私たち人間にいろんなことを教えてくれます。
捨てられたり、虐待されたり、殺処分されたり、・・・無くさないと犬たちに申し訳有りません。
数回掲載しますのでどうぞご覧ください。

盲導犬セージ 

 

◇父さんと退職者同士、好きにしていいからね
「おかえり」と優しい声をかけられたラブラドルのセージ(11)が照れ臭そうに玄関をくぐる。
盲導犬の役目を終えた老犬が、幼少時代を過ごした「我が家」に帰って来た。
神奈川県茅ケ崎市の野村典之さん(64)は97年5月から1年間、盲導犬候補の子犬を育てるパピーウオーカー(PW)としてセージを迎えた。
タレ目のセージは甘えん坊でどこか頼りなく、盲導犬になれるのか心配だった。
呼ぶと一目散に飛んで来て、トイレにまでついて来るほど人なつこい犬だった。
セージが家を離れて2年後、夫婦で招待された盲導犬関係者の式典でセージを見つけた。
PWと盲導犬の接触は禁止されていたため、人垣の最後列から隠れるように見つめていたその時だった。
目が合った瞬間、ステージに座っていたセージが立ち上がり、ユーザーを引っ張って野村さん夫妻に駆け寄ろうとしたのだ。
ユーザーに迷惑をかけた自責の念とともに、以前と変わらぬ姿に胸が熱くなった。
会場内でセージを落ち着かせるためユーザーを交えて再会の機会を持った。
暑がりのセージが夏になるとコンビニの前で涼んでしまう話に笑い、「セージは目の代わりではなくパートナー」とうれしそうに話すユーザーの言葉に涙があふれて止まらなかった。
別れ際、出口の前で止まり、夫妻を探すセージ。
ユーザーから何度も「行くよ」と声をかけられ、力なく歩き出す姿が今でも忘れられないという。
居間でくつろぐセージに妻の久子さん(62)が語りかけた。
「セーちゃん、お疲れさまだったね。お父さんも退職したから、これからは定年退職者同士で好きにしていいからね」。
年老いた息子は暖かい日差しを浴びてゆっくりと背伸びした。
【写真・文、佐々木順一】


子犬時代、何度も足を運んだ湘南海岸。
10年の歳月が過ぎてお互い年をとったが、引退犬飼育ボランティアとしてセージとともに再び走り出した。

【日本盲導犬協会】

日本盲導犬協会(本部・東京都渋谷区)では繁殖犬飼育ボランティア宅などで生まれた子犬を約10カ月間PWに預けて、基本的なしつけとともに人間との信頼関係を築いてもらう。
その後、施設で半年から1年間訓練した後に適性を見極めた上で盲導犬となる。
2歳から10歳前後までユーザーと生活し、引退後は引退犬飼育ボランティア宅や静岡県富士宮市の日本盲導犬総合センターなどで余生を過ごしている。
子犬の時はとてもやんちゃで「3カ月は目が離せない」と話す久子さん。
子犬の可愛い時期に犬を手放す切なさを問うと「確かに寂しい。でも盲導犬を必要としている人たちの助けになることを考えれば、それ以上の喜びを感じますよ」と語る。
現在、全国9団体で約1000匹が盲導犬として活躍しているが、全国で7800人が盲導犬を希望している。
同協会では少しでも多くの人の願いをかなえるため支援を呼びかけている。

日本盲導犬協会のホームページ:http://www.moudouken.net/