12月27日(月)の福井新聞に、宮崎県で種牛を飼育していた方の「ゼロからの出発」の記事がありました。
また、今、韓国では口蹄疫で大変な状況になっています。
今年は今日1日で幕を閉じますが、韓国では年越しどころではないですね。
動物たちへの哀悼の意を込め記事を掲載します。
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口蹄疫、韓国で猛威
牛豚45万頭を殺処分、初動批判も
2010年12月29日 朝日新聞
【ソウル=箱田哲也】
韓国で家畜の伝染病、口蹄疫がすごい勢いで広がっている。
韓国の農林水産食品省の調べでは、28日午前までに牛や豚45万頭以上が殺処分された。
韓国政府は拡散防止のため、関連法の改正を急ぐが、発生数は連日増え続け、沈静化の兆しすら見えていない。
「法を改正してでも、防疫に関する国民の認識を変えねばならない。私も海外から戻れば、率先して検査を受ける」。
韓国大統領府によると、李明博(イ・ミョンバク)大統領は28日、年内最後の閣議でこう述べ、拡散防止への協力を訴えた。
今回の口蹄疫騒動は、11月下旬に慶尚北道・安東で見つかったのが最初だった。
だが、簡易検査で陰性と出たことなどから対策が遅れ、安東から人や車が自由に出入りするうちに、またたくまに広がった。
韓国国内は先月、大延坪島(テヨンピョンド)が砲撃を受けて以来、ほとんどの報道が北朝鮮関連で染まった。
だが、北朝鮮の軍事挑発がその後おさまっていることもあり、トップニュースは猛威を広げる口蹄疫問題に入れ替わった。
政府によると、28日午前現在、畜産農家から88件の申告を受け、うち60件が口蹄疫と確認された。
日本の県にあたる道や、規模の大きい広域市のうち、発生が確認されたか疑いが強い地域は、韓国本土の約半分を占める。
中部の忠清北道では殺処分された牛から陽性反応が出た。
政府は発生地域に入れていないが、韓国メディアは、畜産が盛んな忠清北道にまでついに広がったことで、「初動のまずさが招いた人災だ」などと批判を強める。
また、一部地域では当初、埋却作業にあたっていた兵士が吐き気などを訴え、これに兵士の親が抗議して撤収させるなど、ちぐはぐな対応が指摘されている。
これまで最も被害が大きかったとされる2002年でも殺処分は約16万頭。
現段階で45万頭を殺処分した今回は、はるかに悪化した事態だ。
政府は25日から、2000年以来というワクチン接種に踏み切った。
韓国は今年春の口蹄疫発生を比較的早期に抑え、9月に国際獣疫事務局(OIE)から「清浄国」と認定されたばかり。
清浄国はワクチン接種をしなければ3カ月間、接種すれば半年間、口蹄疫の発生が確認されない場合に付与されるが、猛威の前に選択肢はなく、「早く清浄国としての名誉回復を」(李大統領)と実施した。
安東で最初に口蹄疫が発生した詳しい原因は解明されていないが、海外渡航者がウイルスを持ち込んだ疑いが強まっている。
このため、韓国政府は、家畜伝染病予防法の改正で流入防止を図る。
畜産農家自身が家畜病の発生国を訪問する際、出入国時の届け出や検査、消毒を義務化。これを怠れば、1年以下の懲役または500万ウォン(約36万円)以下の罰金を科すほか、外国人労働者の採用を届け出なければ、500万ウォン以下の科料に処すよう、同法の改正を急いでいる。