動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

盲導犬セージ

2011-02-10 07:50:53 | 犬が教えてくれたこと

「犬が教えてくれたこと」というカテゴリーを設けました。
犬は私たち人間にいろんなことを教えてくれます。
捨てられたり、虐待されたり、殺処分されたり、・・・無くさないと犬たちに申し訳有りません。
数回掲載しますのでどうぞご覧ください。

盲導犬セージ 

 

◇父さんと退職者同士、好きにしていいからね
「おかえり」と優しい声をかけられたラブラドルのセージ(11)が照れ臭そうに玄関をくぐる。
盲導犬の役目を終えた老犬が、幼少時代を過ごした「我が家」に帰って来た。
神奈川県茅ケ崎市の野村典之さん(64)は97年5月から1年間、盲導犬候補の子犬を育てるパピーウオーカー(PW)としてセージを迎えた。
タレ目のセージは甘えん坊でどこか頼りなく、盲導犬になれるのか心配だった。
呼ぶと一目散に飛んで来て、トイレにまでついて来るほど人なつこい犬だった。
セージが家を離れて2年後、夫婦で招待された盲導犬関係者の式典でセージを見つけた。
PWと盲導犬の接触は禁止されていたため、人垣の最後列から隠れるように見つめていたその時だった。
目が合った瞬間、ステージに座っていたセージが立ち上がり、ユーザーを引っ張って野村さん夫妻に駆け寄ろうとしたのだ。
ユーザーに迷惑をかけた自責の念とともに、以前と変わらぬ姿に胸が熱くなった。
会場内でセージを落ち着かせるためユーザーを交えて再会の機会を持った。
暑がりのセージが夏になるとコンビニの前で涼んでしまう話に笑い、「セージは目の代わりではなくパートナー」とうれしそうに話すユーザーの言葉に涙があふれて止まらなかった。
別れ際、出口の前で止まり、夫妻を探すセージ。
ユーザーから何度も「行くよ」と声をかけられ、力なく歩き出す姿が今でも忘れられないという。
居間でくつろぐセージに妻の久子さん(62)が語りかけた。
「セーちゃん、お疲れさまだったね。お父さんも退職したから、これからは定年退職者同士で好きにしていいからね」。
年老いた息子は暖かい日差しを浴びてゆっくりと背伸びした。
【写真・文、佐々木順一】


子犬時代、何度も足を運んだ湘南海岸。
10年の歳月が過ぎてお互い年をとったが、引退犬飼育ボランティアとしてセージとともに再び走り出した。

【日本盲導犬協会】

日本盲導犬協会(本部・東京都渋谷区)では繁殖犬飼育ボランティア宅などで生まれた子犬を約10カ月間PWに預けて、基本的なしつけとともに人間との信頼関係を築いてもらう。
その後、施設で半年から1年間訓練した後に適性を見極めた上で盲導犬となる。
2歳から10歳前後までユーザーと生活し、引退後は引退犬飼育ボランティア宅や静岡県富士宮市の日本盲導犬総合センターなどで余生を過ごしている。
子犬の時はとてもやんちゃで「3カ月は目が離せない」と話す久子さん。
子犬の可愛い時期に犬を手放す切なさを問うと「確かに寂しい。でも盲導犬を必要としている人たちの助けになることを考えれば、それ以上の喜びを感じますよ」と語る。
現在、全国9団体で約1000匹が盲導犬として活躍しているが、全国で7800人が盲導犬を希望している。
同協会では少しでも多くの人の願いをかなえるため支援を呼びかけている。

日本盲導犬協会のホームページ:http://www.moudouken.net/


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