TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

赤城自然園/夏の森、ふりかえって春の森

2012-08-31 | kanon

山の帰りにふらりと寄った 
赤城自然園、閉園まで1時間ですがよろしいですか、と入口で言われ、それでも入ってみると、

 

  5月の森は花で溢れていて、
野に放たれた蝶のごとく、花から花へと飛び歩いているうちに、閉園時間を
1時間もオーバー
してしまいました(~_~;)。 隅々まで美しく手入れされた森は、子どもの足でも容易に

歩くことができ、かといって自然景観そのままに保たれているため違和感がありません。
ちょうど昔の里山がそうだったように、、。

ここならピヨピヨ隊にちょうどいい、夏の森はどんなになっているかそれも見たい。
そんなわけでレッツゴーです。

 


コンニチハ~ 暑い毎日だけどワタシは元気 
森の中は涼しくてお花もいっぱい、さっそく松ぼっくりとドングリひろっちゃった

 

かわいくってちっちゃいbabyが 
いるからね~なかなか遠出はできずにいたんだけど、お盆も過ぎたことだしと、
出かけてきましたピヨピヨ隊。

 

 

寝てる子を起こして向かった赤城自然園。 
赤城山西麓に広がる36万坪の森は「自然と人間の共生」がテーマ。
春、夏、秋と、日にちを限って季節開園しています。
で、夏の森を彩る花、メインはレンゲショウマ。

 

   

木洩れ日にユラユラ、ペンダントライトに似た花は森を照らすランプみたい。。

 

 

やさしい光が 
舞い込む散策路、ウッドチップを敷き詰めたフカフカの道がつづきます。
「お宝」を拾い集めてはビニール袋へ、楽しい作業にニッカニカ~

夏は薄紫のコバギボウシが咲くこの道、

 5月はヤマブキソウが散策路を明るく彩り、

 

新緑の森は黄色い花の絨毯が広がっていました。

 

                  

 

 

フカフカ木漏れ日の道からは、右に左にいくつかの小径があって、
その小径を辿ると、ツツジノ谷、シャクナゲの谷、ツツジの丘、シャクナゲ園、見晴台へ
行くことができます。

 

 

あっ|゜Д゜))) 冷た~い!
足の裏をくすぐるように流れていく水、その感覚にちょっと戸惑う表情を見せながらも
カンカン照りの陽射しに一服の涼あり、気持ちよい流れにはしゃいでいました。

この小さなせせらぎはシャクナゲ園を横切るようにして流れていて、

見晴台から見下ろすと、こんなふうに小さな池ををつくって流れています。
春はシャクナゲの他にもいろんな花が咲いて華やかなガーデン。

 

 フカフカ道が丸太を埋め込んだ道に
変わると、ひろ~い芝生広場に出て お弁当するのにちょうどいいベンチもあります。

 

  

ベンチの周りに白い花の絨毯が広がる春。花を踏まないようにそぉ~っと歩かなくちゃね。
デイジーに似たこの小さな花は何でしょう?夏のいまも葉だけは残っています。

ベビーカーを押しながらのそのそ進むピヨピヨ隊、はやくもガス欠プスンプスン
ベンチに陣取りランチタイムにします。コンビニだけどね。。

 

草にゴロンして~ 

 

お手々つないで~ 
おねえちゃんがお歌うたってあげるね~

 

涼やかな風が気持ちよくて、ずっとここにいたい~な気分ですが、
とりあえず森のいちばん奥まで行ってみることにしました。
園内は、お花がいっぱいのガーデン、四季の森、自然生態園3つのゾーンに分かれ、
大人の足で2~3時間くらいかかるので、ピヨピヨ隊は一ヵ所だけにしました。

  

森は夏の花から秋の花へと移り変わっていて、アジサイ、キキョウ

  

フシグロセンノウ、キツネノカミソリ

  

オミナエシ、ツリガネニンジン、
他にも、キンミズヒキ、マツムシソウ、シラヤマギク、ヤマハギ、ウバユリなどなど。。

 


あのシンプルな白いカラマツソウの仲間 
とは思えないくらい華やかさのあるシキンカラマツ(紫錦唐松)。
赤紫のグラデーションがかったガクにレモンイエローの雄しべ、うっとりするような色あいです。
群馬、長野、福島のみに自生する花とか、。パープルの蕾もかわいい

 

 お花畑を忙しく飛び回っていたジャコウアゲハの♀
翅はボロボロに傷んでいますが、そんなことにはおかまいなし、せわしなく翅をパタパタして
せっせと吸蜜。 食草はアリストロキア酸という植物アルカロイドの毒があるウマノスズクサ
で、体内にその毒をため込み、捕食されるのを防いでいるそうな。

 

気温は低いといえ、歩き回っていると 
やっぱり暑い(~Q~;)

疲れたぁぁ~~゜(゜´Д`゜)゜
隊員Ⅰが半べそかいて立ち止まるも、アメとムチで対処(^ω^)
隊員Ⅱは、ベビーカーでおとなしくしているので助かります。。

 

かれこれ3時間、涼しい森のなかで過ごし、気分よく歩くことができました。
広葉樹の森は、秋の紅葉が期待できます。また来れたらいいね

 


三ツ峠山/レンゲショウマ咲く山路

2012-08-24 | 写真日記

きょうはどんな花に会えるかなと、登るたびに楽しみな三ツ峠、
8月も半ば、お盆の
頃には、レンゲショウマを見に足を運ぶ。
2週間前の8月2日に登ったとき、まん丸い固い蕾をつけたレンゲショウマがたくさん
見られたので、今頃は花も見頃じゃないだろうか。

連日30度を超す厳しい暑さも山の上までは届かず、御坂トンネル手前の温度計は
26℃。クネクネ道を上がっていくにつれ風は涼しさを増し、登山口駐車場に着いて
クルマを降りると、冷やっと寒気を感じ、あっ、薄着で来て失敗したかな?
毎度そんなふうに思う。

登山口駐車場で迎えてくれたのはソバナ
この時期、ソバナもレンゲショウマと競うように森のあちこちに咲く。

 

 

山道を登りだすとまもなく 
レンゲショウマがうつむきながらふわりと風にゆれていた。

 

「森の妖精」と呼ばれ、優美な雰囲気をもつレンゲショウマ。茎の先端に花と蕾を
アンバランスにつけ、スレンダーな茎は緩やかな曲線を描いてしなる。
わずかな風にも、花やまん丸い蕾がふわふわゆれて、それが森に遊ぶ妖精のようにも見える。

 

 ふわんふわん ふわんふわん

 

森のあちこちに咲くレンゲショウマを見ながら登っていたとき、
先を行く4人連れの一人が何やらかがみこんでしきりに手を動かしているのが見えて
何をしているんだろうと思った。だんだんと近づくにつれ、その手がシャベルを握っているのが
見えた。私が近づいているのを知らせるように、連れの年配女性が大声で何度もシャベル男
の名を呼ぶ。けど男は気にせずせっせと掘り続け、掘りだしたものを白いレジ袋に入れた。
その光景を見てたまらず、植物採取は禁止ですよ!持っていかないで!と大声をかけるも
男は知らん顔して歩きだす。何を持ち去ったのかわからないが、見ると登山道の一部が掘られ
穴が開いている。足の遅い年配女性に追いつき、連れの男の行為をやめさせるよう言うと、
「山のことはよく知らないから…」と、とぼけた返答。先を行く3人に追いつき後ろ姿を見ると、
年配の男二人はレジ袋をぶら下げ、さらにシャベル男のザックからは束になったレジ袋が
はみ出ていた。シャベル男に、あなたの行為は犯罪ですよ、あなたのような人がいるから
貴重な植物がどんどん山から消えてしまう。自分さえよければ後はどうでもいいは許せない!
などと言ってみたが、何の権限もない身で喚いたところで馬の耳に念仏さね。
3人は罰の悪そうな顔をして、つっ立ったままただ黙りこくっていた。
そのあと、しばらく行った先で私が花を撮していると、すれ違いざまにお愛想を言うではないか。
さらに登山者にも陽気に話しかけたりして、良き人物を演じている。
ったく~、呆れて物が言えないとはこのことだ。

気分悪い思いをしてしまったけど、気をとりなおして山を歩こう。


 

ブナやコメツガの樹林の下に 
シャクジョウソウを見つけた。坊さんが手にもつ錫杖からきてる名前で、
葉緑素を持たないギンリョウソウの仲間ということだ。

 

 

登山道に咲く花たち、2週間前はクガイソウが勢いよく薄紫の穂を伸ばして群生し、

 

それにシモツケソウの淡いピンク、ハナチダケサシのふわふわ白い穂が加わって、
パステルカラーの春を思わす華やかさだった。

 

   

この日いちばん目立っていたのはカイフウロ。けどこの花、よく見ると花の形や色など、
がわずかだけど違っていて、

  

花弁の切れこみがあったりなかったり、網目模様があるのや無いもの、色味もいろいろ。
どれもおなじカイフウロなのだろうか? 

 

 

木無山につづく尾根道 
おぉ、立派なコオニユリ!と、ファインダーを覗いているとき、ひらひら~~~
キアゲハが飛んできて花にとまる。(右の端っこ、わかる?)後翅は朱色の花粉がべったり。
アゲハチョウは赤色を識別することができるそうで、コオニユリもそれゆえ朱色でアピール。

ユリの仲間は花粉を運んでくれるチョウやガに合わせて花のサイズも大きい。
それでも、チョウはくるくる巻いたり伸ばしたりできるストローみたいな長い口で
蜜を吸い上げるので、ヘタすると花粉に触れることなく蜜だけ持っていかれる恐れがある。
そう警戒したユリは、花を下向きにして蜜を吸いにくくして、かわりにチョウの足場となる
雄しべや雌しべを長くしてある。 蜜を吸いにきたキアゲハが翅をパタパタさせながら
やっと目的を達する頃には、雄しべの先端の葯がくるくると動き、チョウの翅にべったり
花粉が付着する。花も、ただぼぉ~っと咲いてるだけじゃないんですね~

 

  

木無山の草原へ行ってみると、2週間前と花は入れ替わっていて、
クサレダマが咲きはじめ、ワレモコウカイフウロカワラマツバは元気がいい。
コウリンカ、オカトラノオ、ホソバノキリンソウ、オオギバボウシはかんかん照りにぐったり。

 

 

マルバダケブキ 
を写していたら、

 

キアゲハがまたまたタイミングよく花にやってきて、カメラに収まる。

 

三ツ峠山荘のベンチでひと休み。のんびりしてるうちに富士山は雲に隠れてしまった。
よく足を運んでいる三ツ峠、そのわりにきれいな富士の姿を見たことはほとんどない。
もっとも、昼頃に山頂に着くようじゃだめなんだろうな。

 

夏を象徴する花シシウド、バックには御巣鷹山と電波塔。

 

三つのピークの一つ開運山に向かう。 
いまは赤土の急斜面になっている山頂下も、以前は草原だったのだろう、その面影をいまも
わずかにとどめている一部に、シモツケソウ、キンレイカ、ウスユキソウなどが咲いている。

 

 

  

夏の陽射しがジリジリ照りつける山頂は誰もいない。
先々週はきれいに咲いていたホツツジも、今日は暑さでぐったりしている。
左がホツツジ、右はミヤマホツツジ(八方尾根)、シべがまっすぐのとくるんと巻いているのと
分かりやすい違い。

 

 開運山から御巣鷹山へ涼しい森の
道、オクモミジハグマの蜜を吸うアサギマダラ。

 

      

白いソバナ、林の縁を飾る小さな花は長野と山梨の一部だけに咲くコウシンヤマハッカ

 

  

キバナアキギリキツリフネなど、秋の花も咲きはじめ、暑さのなかにも移りゆく季節を感じる。

 

御巣鷹山の草原に出ると、容赦ない昼下がりの陽射しが待っていた。
柵で囲まれた部分には鹿の食害を免れたオオギバボウシが密集するも、照りつける陽射しにヨレヨレ。



北口登山道の森に入り、レンゲショウマの様子を見る。いっぱい咲いている

 

 

先々週はきれいに咲いていたイタチササゲ。めずらしいツートンカラーの花。
咲いてすぐはクリーム色で、すこしするとイタチノ毛みたいな黄褐色に変化する。不思議~
この日、花はしぼみ、マメのサヤがはじけていた。

 

来た道を引き返し下山にかかる。 
座るのにちょうどいい岩を木陰に見つけてひと休み。
腰を下ろしたそばにちょこんと咲いていたタマガワホトトギス。かわいいね~

 

とっとこ降る山道 
帰り道もあっちこっちでレンゲショウマに見送られて楽しく歩く♪~(´ε` )
また来年の夏、会いに来るからね~

 


八方尾根~唐松岳/フラワートレッキング 後編

2012-08-10 | 写真日記

よく眠れないまま夜明けになる。
4時になるとご来光を見る人たちが次々に小屋を出ていく。
深夜に起きて外へ出たら、空には星がきらきらしていたので、今日は予報どおり
いい天気になりそうだ。さて、日の出を見てくるとしよう。

4:30 ご来光を見に小屋の裏手へ 
登る中学生たちの長い列が続く。小屋の人によると、夕焼けと日の出、両方が見られるのは
ここしばらくなかったそうだ。

外は相変わらず風がビュービュー吹きまくり、立っているのもやっとなくらい。
寒いのをガマンして太陽のお出ましを待つ。

4:47 雲海の彼方から太陽が姿を見せはじめた。
金色の光が、暗い空をオレンジ色に染めながら広がっていく様子は何度見てもいいものだ。

 

山の陰になる側はまだ暗く、五竜岳の山頂部だけがほんのり明るい。

 

唐松岳山頂で日の出を迎えた人たちが帰ってくるのと入れ替わりに山頂へ向かう。
あまりに風が強く、吹き飛ばされたらどうしよう(ノ∀`)などと思いつつ歩きだす。
左に見えているのは剣岳。

 

5:10 唐松岳(2,696m)
朝陽に照らされて立つ山頂てば格別ヽ(*´∀`)ノ ヤッホ~ヤホホ

 

目の前にどぉんと五竜岳、そのはるか後方にはツンと尖った槍ヶ岳がはっきり見えた。
うっすらだけど富士山もバッチリ、もっと明るくなるまでいたいけど、ガスが上がってこないうちに
八方池へ行かなくちゃと小屋へ戻る。

 

5:39 雲海や雪渓が
ゴールデンイエローに染まり、山の朝がはじまる。

 

小屋下に見える稲妻型の道はテント場への道。下の方だと登り下りがタイヘンそう。

 

そのザレた斜面には 
コマクサが咲いていた。

砂礫に群れて咲く女王様、ユニークな花の形といいカンロク充分です。

 

そして、見たいなぁと探していたのがコレ、
クモマスミレ。コマクサ同様、砂礫地や岩の隙間など厳しい環境に生育するスミレ。
4つの亜種に分類されるタカネスミレは、北、中央アルプスのものをクモマスミレというそうだ。
もう時期的に終わりなのか、いくつか咲いていた花はどれもヨレヨレで、シャンとしているのは
この一つだけだった。

 

小屋で朝食を済ませ出発。 天気は上々夏山日和、八方池からの眺めも期待できそう
なので、五竜岳へ行くのをやめて八方尾根を下ることにした。

6:12 雲海に朝陽が射し込み、ミヤマキンバイが顔を揃えて朝の光に輝く。
今日もふたたび、花いっぱいの道を歩けると思うとワクワク(´∀`*)

 

   

崩れ落ちそうな崖っぷちに、薄紫の小さな花を見つけて何だろうと、、、ミヤマクワガタだった。
小さいわりには花をいっぱいつけて大サービス。でも、昆虫とおなじ名前ってどうなの、、。

 

  

ベビーピンクの花(開くと白)にソフトグリーンの葉、やわらかな色あいが魅力のタカネヤハズハハコ
色にしても主張しすぎない山の花。

 

  

目覚めたばかりのミヤマクロユリ、名前もかわいいウサギギク

 

そして、雲海が引いた急斜面には、シナノキンバイかな?群れて咲く黄色い花がよく目立つ。

反対側、登山道際の壁を黄色く埋め尽くしているのはミヤマダイコンソウ、ミヤマキンポウゲ、
タカネニガナ、ミヤマイワニガナなど黄色い花がたくさん。白い花びらのハクサンイチゲもちらほら。

 

    

ハクサンシャクナゲの向こうに五竜岳、その根元でひっそり咲くミツバオウレン

 

額に手をかざして眺める先に丸山ケルンがポツン。

 

ツガザクラ、チングルマ、イワカガミは、いつも仲良く一緒に咲いている。

 

  

恥じらうように、ほんのり薄紅色の花が可憐なツガザクラ、よく似た葉のアオノツガザクラ
花の先端がキュッと閉まった壷型で淡いクリーム色。キュートな花が多いツツジ科の花

 

空のブルーと眼下に広がる白い雲の 
対比が美しい丸山ケルンを通過。

 

 真夏の陽射しに輝くグリーン
照りつける陽射しは強く、登ってくる人たちは暑さに喘ぎながらゆっくりペース。
お花たちも暑さにしおれ気味。涼しい昨日を登りに選んで正解だった。

 

  

木陰に咲くこの花は何だろう? 調べてみたらヒロハユキザサのようだ。ユキザサに似ている
けどユキザサは花が白、ヒロハユキザサの花は黄緑色とあったが、ここで見たのは黄色と黄緑
で、黄緑が変化して黄色くなったのかも??

くすんだ赤い花びらのアカバナイチゴ(ベニバナイチゴ)は初めて見る花。

 

前方に八方池が見えてきた。

 

左には白馬岳   
登山道わきに二つ咲いていたタカネマツムシソウ。マツムシソウより花色が濃い。

 

 ワスレナグサそっくりのミヤマムラサキ
涼しげなパステルブルーの小さな花をたくさんつける。

 

まず上から見下ろす八方池。

 

そして池の縁に立つと、空の蒼と白馬連峰をシンメトリーに映す八方池が圧倒的な美しさで迫る。
これを見たかった!━(゜∀゜)━! 素晴らしいお天気にまず感謝!

まだ人も少ない池周辺、真っ青な空にひこうき雲がラインを描き、湧き上がる雲は白馬岳を
ときおり白く覆う。 風が水面を撫でるたび、さざ波が立ち水面の景色が揺らぐ。
ちょい意地悪な風にからかわれながらファインダーを覗く。

 

標高2,060mにある美しい池は、雪がおし流した土砂が堆積してできた天然の池。
好天に恵まれ、感動的な景色に出会うことができた。

 

池の端に咲くタテヤマリンドウ
曇天の昨日はしっかり花を閉じていたが、きょうは陽射しを浴びて全開。
ハルリンドウの高山型といわれるタテヤマリンドウ、淡い青紫色の花弁が清々しい。

 

きょうも唐松岳へ向かう学校登山の長い列。

 

10時を過ぎると 
池の周囲も人が増えてきたので歩きだすことにした。
かれこれ1時間、爽やかな大気に包まれつつ、自然が描くアートを満喫、
満ち足りた気分で下山にかかる。

 

 雪渓沿いにユキワリソウを
見ながら進むとワタスゲの湿原で、昨日は小雨が降ってしぼんでいた綿毛も

きょうはふわふわの穂を 
風になびかせている。

 

 尾根筋につづくオオコメツツジ
コメツツジの変種で、コメツツジより大きめで花冠が4裂する。(コメツツジは5裂)
よく見かけるツツジをぐっと小さくミニマム化したといったらいいか、漏斗状の花は
ツツジらしさがあって小さい分かわいい。

 

太陽サンサン 
尾根道は強烈な陽射しが照りつける。
リフト乗り場が近づいたところで、少し遠回りだが草原の散策路を行く。

   

足もとの草むらにトキソウを見つける。 縁どりがおしゃれな葉はキバナイカリソウ

 

    

枯れてるような、よく見るとそうでもなさそうなコレは何だろう?

北アルプスに咲くミヤマコゴメグサ(南アと八ヶ岳はコバノコゴメグサ、中央アはコケコゴメグサ
と、小米草の仲間は生育地域が決まっているそうだ)

12:30 暑さにぐったりなりつつリフト乗り場に到着。

栂池自然園にも寄ろうと考えていたが、予想以上にたくさんの花に出会えて
その思いも薄らぎ、これで帰ることにした。
麓に降り立つと、クラクラするような暑さ。山頂との気温差20度はあるだろう。

倉下の湯に行こうと思ったのが道を間違えておびなたの湯へ。
ここは岩の野天風呂ということで、周りを囲っただけの掘っ立て小屋といったかんじ。
なんだかなぁで、Uターンして倉下の湯へ戻る。 ここも設備と清潔度はイマイチだが、
敷地内から源泉をくみ上げている。お湯はここから別の温泉へも運んでいる。
風呂は半露天で、鉄分を含んだ茶色の湯。入浴料¥500也

かつてないゆっくりペースで登った唐松岳、春から晩夏の花までが咲きそろうトレイルは
花の豊富さ量ともに、充分時間をかけて見る価値がある。
ゴンドラとリフトを乗り継ぎ、わずかな時間で2000m近くまで上がれるので日帰りも
できる。紅葉の頃にまた来てみたい。

 


八方尾根~唐松岳/フラワートレッキング 前編

2012-08-03 | 写真日記

梅雨明けを待って、後立山・唐松岳~五竜岳を歩こうと計画したものの、梅雨明け後も天気は
芳しくなく、期待の高気圧は下方で足踏み状態。予定をずらし、天気予報のaマークが出た
26日の前日に白馬に向かった。25日はの予報だったので、現地に着いてから空の様子を
見ながらコースを考えることにして、とりあえず唐松岳を目指す。
自宅出発02:08、白馬駅到着06:30、駅構内にある案内所でゴンドラ割引券を購入。
さて、駐車場はどこだろう?? 細い入り組んだ道をカンを頼りに走っていくと、建物の陰に数台
クルマがとまっていたので行ってみると、そこが第3駐車場だった。


ゴンドラ乗り場周辺にいくつかある無料駐車場のひとつ 
第3駐車場は、トイレもある広い駐車場で、平日の早朝なので余裕たっぷり。乗り場まで徒歩7分くらい。
ゴンドラ乗り場にも有料の駐車場がいくつかあって¥500。

ゴンドラ・アダムに乗って兎平へ。

  

兎平からはリフトを乗り継いで八方尾根へ。リフト乗り場で売られている花図鑑1枚¥100
八方尾根に咲いている花が日にちごとに印刷してあるので、これがあれば花の名前がすぐわかる。

 

 リフトの下は お花畑
シモツケソウ、クガイソウ、コオニユリ、ヤマブキショウマなどなど。花畑の上を低く通過
していくリフト、さわさわと花が足の先に触れて、なんかチョウチョになったみたいな気分

二つのリフトを乗り継いで降り立った八方池山荘の標高は1,830m。
ラクチンに運んでもらって、かかる時間はわずか30分ほど、助かります(*´∀`*)
ここから唐松岳(2,696m)まで標高差約900m、CTは4時間30分。

リフト乗り場と赤い屋根の八方池山荘。山荘前から道は登山道と散策路の二手に分かれる。
画像は登山道で石ゴロの尾根道。散策路は木道で、尾根をトラバースして合流。

八方尾根は蛇紋岩による特殊な地質のため花が豊富で、ここだけの特産種も多い。
八方池まで自然研究路となっていて、約300種の花が見られるという。

 

  

素晴らしい花の稜線、歩きだす足元には花がいっぱい まず目に飛びこんできたのは
濃いピンクのイブキジャコウソウミヤマママコナ
ママコナとの違いは花喉部分の両側が黄色とのことで、たしかにそうだった。

 

アマニュウ、キバナノカワラマツバ、イワシモツケ、シモツケソウ、

  

ミヤマアズマギクタテヤマウツボグサは最盛期なのかやたら見かける。

 

初めて出会う花も多く、
なかでもハッポウタカネセンブリは 
見るのを楽しみにしていた。意外にも八方尾根のあちこちに咲いていたので、なるべく
風の影響を受けない場所を選んで撮影するも、すっごく小さい花ゆえにピント合わせが
難しい。マクロレンズじゃないと上手く写せないや、、(*´д`*)

こんなもんで精一杯なのだが、ルーペで見たらその繊細で手の込んだ花の美しさを堪能できる。

 

これも見たかった花 
ムシトリスミレ。スミレの名がついていてもスミレの仲間ではなくタヌキモ科。
花の中に昆虫を誘い込んでパクパク食べてしまうのかと思っていたら、
そうではなく、粘液を出す葉にとまった虫を捕まえて消化吸収するそうだ。
葉で虫を溶かしてしまうのか?その現場を見てみたい。

 

曇り空からパラパラと雨が降り出してきて、傘を出そうか迷っているうちに雨が止む。
雲が広がっているけど、本降りにはなりそうもなく、花を撮りながら歩くにはちょうどいい
天気でとても涼しい。

花が途切れることなく咲く自然研究路、ニッコウキスゲもちょうど見頃で、
キスゲの先にはワタスゲの湿原、その向こうに雪渓が見えてきた。

 

  

雪渓が残る木道沿いにはユキワリソウ、ミヤマダイモンジソウ、チングルマイワカガミ
ハクサンチドリ、キンコウカ、キバナノコマノツメ、ウラジロヨウラク、クロマメノキ、
ネバリノギラン、etc.etc..と花の路がつづく。

 

方向や位置を示す印が目鼻口に見える大きなケルン、八方ケルン。
1980年12月、逗子開成高校の山岳部生徒5人と顧問の教諭の6人が豪雪のなか、
第三ケルン付近でルートを見失い、一行は誤って沢へ下降、帰らぬ人となった。
捜索が打ち切られ、翌年5月に遺体が発見された痛ましい遭難事故の慰霊碑。

 

八方ケルンを過ぎると、雪渓の上に八方池が見えてきた。

 

真っ青な夏空を映す八方池を見たい 
という思いがあるので、天気がよければ明日もう一度ここへ来ることにする。

 

  

八方尾根には花の名前にハッポウと付く固有種もあって、ハッポウウスユキソウもその一つ。
ミネウスユキソウの変種で、葉が細く上向きにつくところが違いらしいが、よくわかんない(゜д゜)
池の前に咲いていたテガタチドリ、その後ろに見えるエゾシオガマは各所で見られた。

 

ヒロハヘビノボラズ(広葉蛇不登)、へぇ~オモシロイ名前!、そして、と~ってもかわいい花
蛇紋岩地帯に生育する高さ約3cmの落葉低木樹で、花の径は6mmくらい。
幹や枝に3分岐したトゲがあるため、これじゃヘビも登れまい、、ってことで名前が??

 

ゆっくり時間をかけて自然研究路を歩き、八方池に10時近くに着くと、さすがに人が増えてきた。
夏休みとあって子連れファミリーも多い。県内の中学生は学校登山で唐松岳まで登るのが
夏休みの行事としてあるそうだ。7月中は登山道を行くジャージ姿の長い列が目立つ。
すれ違いざまに生徒たちが「こんにちは!」と元気に挨拶してくれるので、こっちも列が途切れる
まで挨拶を返す。楽しそうに山を登る中学生たち、きっといい想い出になるはず。

 

八方池を過ぎると人もずっと少なくなり、ダケカンバの美しい樹林に入る。
紅葉の頃はさぞかし綺麗だろう。

  

樹林の中に一枝だけ咲いていたハクサンシャクンゲ
クルっとカールした花びらに、雌しべも先端がクルンと上向きにカールするミヤマホツツジ
他にクルマユリや名前のわからない花などいろいろ。

 

樹林を抜けると前方に五竜岳が見えてきて、斜面にはお花畑が広がる。
下山してきた中学生たちの鮮やかなジャージも夏山に彩りを添える。。

 ニッコウキスゲやタカネナデシコなど、いっぱいいっぱい。

前を行く外人さんカップル、
きれいなカラーリングでまとめたウェア、短パンからスラリと伸びた足もキレイ
でも~日焼けは大丈夫?、、なんてつい余計な心配しちゃう(*´∀`*)
お二人とも靴はスニーカー、女性は手ぶらというのが羨ましい~

 

  

登山道両側の斜面に濃いピンクの花 オオサクラソウ上の方には群生も見られる。
どの花も咲きたてでフレッシュ

 

そしてお次に登場するは 
シラネアオイ、秘かに期待していた花が咲いていて、キャッうれしいヽ(*´∀`)ノ
かれこれ20年ぶりに見るシラネアオイ、龍門小屋手前の雪渓に咲いていたときのことを思い出す。
雨の中ずぶ濡れになりながら登った朝日連峰、いい山だった。

 

サンカヨウに初めてお目にかかったのは白神山地のブナの森だった。
そのときは名前も知らず、グリーン一色の森に咲く白い花がひときわ印象に残った。

 

      

雪どけが遅れた今年は例年になく花が多いという。ショウジョウバカマもあちこちで花を
咲かせていた。

 

 葉も花も大きい
キヌガサソウも、雪がとけるそばから花を咲かせるので、今年は見ることができてラッキー。

 

中国では民間薬として、日本でも古くは 
胃腸薬として用いられていたというエンレイソウ(延齢草)だが、有毒成分サポニンを含む。
毒にもなれば薬にもなる、適量がダイジ。

 

 地味で目立たないタケシマラン
葉の陰にぶら下がる小さな花は、秋になると赤い実になってブラブラ。

 

初見のオオヒョウタンボク、急いで撮った 
のでアングルがよくない。これだと花が一つに見えるけど、実際は一枝に二つの花が咲いているツィンズ。花は大小の赤い実になり、実は癒着してその形が瓢箪そっくりなので瓢箪木。

 

  

雪渓を渡り、いくらか登ったところが丸山ケルン。

 ビュービューと吹きつける風がたまらず、
ケルンの後ろで風をやり過ごそうと思ったけど効果なし。ほんとうはのんびりしたいとこだけど、
風が強すぎてそうもしていられず歩きだす。日帰りの人のほとんどがここでUターン。

 

辿ってきた稜線を振り返る。陽射しが戻って明るい空が広がった。

 

「綺麗な花が咲いてる!」
その声にソク反応、どれどれと行ってみると、美しい紫色の花チシマギキョウじゃないの

 

高山植物を 
代表する花のひとつにあげられるチシマギキョウ、花に品位が感じられ、惜しげもなくたくさんの
花をつけるところもまた魅力。うっかり見落とすところを、おばちゃんの一言で救われました~(^^♪

 

ハイマツなどの背丈の低い樹木が被う山肌、その根本でひっそり隠れるようにして咲いているのは
ツマトリソウ、ゴゼンタチバナ、マイヅルソウなど、
春の頃よく目にした小さな花たち、

 なかでもヒメイチゲは標高の高いところで多く見られる
ため今回が初見。花の径1cmと小さく、雪どけ間もない場所にちらほら咲いていた。

唐松岳へと標高が上がるにつれ、咲く花も新たな種類が加わり
そんなおりツマトリソウにカメラを向けていたとき、前方で、「ねぇ、これ何かしら?」という声に
振り向いたとき、お互い|゜Д゜)))アッという顔をして驚いた。6月末に黒岳山頂で出会い
偶然にもまたここで再会するとは、、、広いようで世間は狭いとね~。
彼女は70を過ぎているだそうだが、ガシガシ登る様子からはとてもそんな年齢には見えず、
この日も日帰りピストンで唐松岳を登り、明日は立山に登るという。
いやはやヨイ刺激になりまする、、、とても真似できないけど(^^ゞ
次回またお会いしたときには祝杯をあげましょう、そう言いあって別れた。

小屋に早く着いても退屈なだけなので、できるだけゆっくりしていたものの
あたりには人影もなくなり、ガスがたちこめてきたので小屋へ向かう。
鎖やロープが張られた箇所もあったが、よく整備された登山道に危険なところはない。

14:30 真っ白にガスで覆われた唐松山荘着 
中学生は隣の棟におさまり、部屋も大混雑ではなさそうだ。一泊2食付き¥9000也。

  

まだ木の香りがする新しい小屋、部屋は上下段に分かれ、大きめの敷布団一枚に2人づつ詰めて
部屋割りされる。しかし、男女相部屋はなんとかならないものか。着替えもできない。

  

夕食は17:40、水がないためか、お皿を除いて食器は使い捨てを使用。
歯磨き使用時の水も有料。水筒用のお茶は500mlで¥300。

夕食を終えると長い夜のはじまり。曇ガラスかと思っていた部屋の窓、そうではなく外がガスって
いて白くなっていたと気づく。夕陽は望むべくもないか、明日の天気が気がかり。
部屋には関西からの団体さんがいて、賑やかな話し声を聞くともなく聴いてウトウトしてたら、
「わぁ、夕焼けが綺麗!」の声に起こされ窓を見ると、さっきまで真っ白だった枠の中が
夕陽に色づく山の景色に変わっていた。カメラを持って小屋のサンダルをつっかけ外に出る。
外は風が強くやけに寒い。小屋の温度計は12℃。
寒いので、玄関を出たり入ったりしながら夕陽を眺める。

 

ようやく目の前の唐松岳を見ることができた。中学生たちも小屋前に集まって山の夕暮れを
眺めている。毎度見られるとは限らない山でのサンセット。茜色に焼けた空をバックに
難所・不帰ノ剣(かえらずのけん)の険しいスカイラインがくっきり。

 

小屋の前かrは、剣岳を頂点に居並ぶ峰々、立山連峰が真正面に望める。
この日、夕陽は雲と岩峰を薔薇色に染め、山らしいフィナーレを演出してくれた。

 

振り返った後ろには 
すっきりした夕空が広がり、オーロラを思わす雲がたなびいていた。
明日はいい天気になりそうだ(´▽`)

次回につづく