TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

遅い春

2017-04-30 | 写真日記

4月下旬、標高650mの山奥の村にもようやく桜が咲き、春らしい景色が見られるようになった。

 

寒さ厳しい冬の時期には、自宅から歩いて10分もしないところで綺麗な霧氷が見られた。
以前なら霧氷を見るために、丹沢の塔ノ岳や大山に登ったものだ。雪の山道を何時間もかけて
登った先に美しい霧氷が見られるのだが、天候などの条件に左右される自然現象だけに
ステキなタイミングが要る、、。

 

  

山間のくねくね道を走っていると、わっとばかりに花が咲いた農家の庭が眼下に迫り
思わずクルマをとめて庭先にお邪魔してみた。芽吹き前の山々に囲まれた集落のなかで
ここだけぽっこり春の彩りにあふれていた。裏の畑で採ってきたばかりという菜っ葉を
洗っていた婆ちゃんがいらして、見ず知らずの私に、抱えきれないくらいたくさんの
菜っ葉を持っていきなさいと差し出した。まぁまぁありがたいやらうれしいやら
もうすぐ子どもが生まれる娘にも分けて、食べてもらうわ!そう私が言うと、
婆ちゃんはなぜかふいに涙ぐんで「また、おいで」「また、おいで」と、繰り返し呟いた。

 

のんびり朝の散歩としゃれこむ 
キジの姿もよく見るようになった。山間地域の春は遅く、雪の降らない日でも
道路は凍結の不安があり、寒い期間が長く、山奥ゆえの不便さがつきまとい
生活するにはラクじゃない。そういった環境によるストレスから解放され、瑞々しい
若葉におおわれる山を目にする日ももうすぐだ。

 

さらに標高が高い忍野村は、5日後の25日に桜が見頃となった。
忍野八海の新庄野川を彩る桜はたわわに花をつけ、春を美しく演出する。

 

  

 

 川のほとりにはスミレも咲きだして
可愛らしくも控えめに春を告げていた。
空はめずらしく晴れあがり、花見日和となったこの日 
私たちは蓬餅をほおばりつつ花を見て歩き、山村の遅い春を楽しんだ。