TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

単独行

2009-10-26 | 写真日記

 
 大気の透明感が増して、景色も遠くまでスッキリ見えるようになる秋は、
 山歩きが一段と楽しい季節です。
 とくに「もの思う秋」は、ひとり景色に溶け込むように歩く山が、なんともいえずいいものです。

   


 ところで、本屋の平台に積まれた「山と渓谷」11月号、表紙の真ん中に「山はひとりで」と
 書かれた特集記事のタイトルが目にとまり、ひさしぶりに買い求めてみました。

 「山はひとりで」、、、思い切ったいい特集だなぁ~^^
 だって、山は一般的に「危険な場所」というイメージがあって、単独行は避けるべしといわれている
 ものですから、単独行者はそれとなく肩身の狭いおもいで山を歩いていたりします。
 女性の場合はなおさら、山ではいつも「おひとりですか?」と言われるし、団体登山のおせっかいな
 人にいたっては、私たちには仲間が大勢いるから何かあっても助け合えることができるが、
 あなたのような単独行だとそれができないのをどう思うのか、みたいなことをいわれたこともあります。
 私にしてみれば、それは小さな心配・大きなお世話で(^^ゞ、単独行ゆえ慎重に行動し、
 決して無理をしない登山を心がけています。
 天気の悪い日は山に行かない、道が不安に思えたときはすぐに引き返す、自分の体力を過信しない
 など、これまで単独ではなかったときと比べると、臆病とも思えるくらい慎重に行動している自分に、
 なぁ~んか(´д`)ハァ~ため息ですが、ホレ見たことか、、と言われないためにも仕方ないです。
 

 

     

 

 記事によると単独行の遭難者数は、全体遭難者数の約3割ですが、単独行の場合は遭難が
 大事故につながるケースが多く、平成20年度ではパーティ登山者とくらべ単独行者は、
 死亡や行方不明者の割合が2倍近い人数になっています。 単独行においては、それなりのリスク
 管理と登山経験が必要だというのが、この数字からもよくわかります。 
 ですが、単独行=危険ではなく、この夏にトムラウシで起きた遭難事故にみるような例もありますから、
 単独であれ複数であれ、どう山に向き合うか、しっかりした心構えが要りますね。
 

 

       

 

 単独行のメリットとデメリットについて調べたアンケート結果では、
 デメリットでは、「事故が起きたとき自分ひとりで対処しなくてはならない」をあげた人が最も多く、
 ついで荷物が重くなりがちと、私が思うこととおなじでした。
 また、デメリットは特に感じないと答えている頼もしいヒトも多くて、元気がでます。^^

 ひとりの山ではやばいシーンも何度かありましたが、そのひとつひとつを経験として活かしつつ
 次の山行につなげていくことで、より安全な山歩きができていると思います。

                                              

             

 では、単独行のメリットは何でしょう。
 アンケートでは、山行のすべてにおいて自由度が高いというのがトップで、相手とスケジュールを組む
 煩わしさがなく、山行中の行動も歩く速度や休むタイミングなどマイペースが保てることです。
 山でお会いした単独行の女性は、「ひとりがいちばん気が合うものね」といっていましたが、
 たしかに長時間歩き続ける山では、相手に気兼ねすることなく自分のペースで歩けるのは
 疲れも少なく快適です。私は写真を撮りながら歩くので、なおさらそうです。

    

    

 

 そして、単独行のよいところは、自然との一体感がより深まることも重要なポイントだと思います。
 ひとり静かに歩くことで、五感が刺激され、風の音に耳を傾け、葉や草の匂いを嗅ぎ、
 
細部まで注意をはらって見ることで、思わぬ発見をしてと、感覚が豊かになってきます。
 話し相手がいないぶん、自然との対話が増えてくるんですね。
 ですから、ひとりだから寂しいと感じることもありません。むしろ、その心さえあれば、目に映る
 すべてのものが語りかけてくる山は、なんてフレンドリーでまた想像力を刺激してくれるのでしょう。

 

    

   

   この写真は奥穂高のジャンダルム(標高3163m)です。
   一般登山道としては難易度が高く、ナイフリッジの岩場の通過やめまいがするような高度感ある
   岩壁を登ったり下ったりの連続で、私には縁のない世界ですが、背中に羽があったら登ってみたい
   です。(笑) 奥穂の山頂からズームレンズで覗いていたら、単独行者がジャンダルム目指し
   向かっているところでした。だいぶまえの古い写真ですけど。。

   

   中央より左側に綾線を歩いている単独行者がいます。
   こうした厳しい山を歩くときの緊張感、そして無事に山行を終えたあとの満足感と達成感は
   何にもかえがたい素晴らしいものがあるんでしょうね。

   単独行者として名高い加藤文太郎が「単独行について」というなかで書いているのに、
   『・・・山も単独行も酒や煙草になっているから、良いと思ってやってこそ危険もなく、心配もなく
   ますます進歩があるのだ。弱い者は虐待され、ほろぼされていくのであろう。強いものはますます
   強くなり、ますます栄えるであろう。  単独行者よ強くなれ!』 こんな一節があります。
   単独行者よ強くなれ、、、はい、強くなりたいです。。


秋を探しに蓼科へ

2009-10-21 | 写真日記

 10月も半ばになると、気になるのが  山の紅葉。
 秋は山からといいますものね。
 そこでドライブがてら奥蓼科へと行ってまいりました。

     

    まずは標高1,528mにある小さな池、御射鹿池(みしゃかいけ)に行ってみました。
    カラマツに囲まれた静かな池は、翡翠のような深緑の水を湛え美しかったのですが、
    池を囲むカラマツの黄葉には早く、ちと物足りなく思いました。

    カラマツがゴールデンに輝く頃、水面に映りこむ景色ともに素晴らしい秋を演出して
    くれるのではないでしょうか。
    ちなみにこの池は人造湖で、その昔農業用のため池として造られたそうです。

 

    Uターンして戻る途中、あっここにも池がある!とクルマをストップさせたのが
    御射鹿池よりひとまわりほど小さい無名の池。

    

    あらぁ~こっちの無名池の方が素敵じゃない♪
    そうね、名前を付けるとしたら、「秘翠池」なんてどうかな?
    神秘なる翠(みどり)を湛えた池、、、

          

    池を覗いてみると、透き通った水に水草がなびいて、なんだか油絵を見ているみたい。

          

    水に浮く水草の様子がお解りいただけるかしら?

 

 

          

    池のふちを彩る草が、秋の陽射しを浴びてきらきら輝き、それは綺麗です!
    太陽の光は草の一本一本をも、ダイアモンド級の輝きを惜しみなくあたえるのですね。

          

    

    誰もいない小さな池で見つけた優しい秋色、幸せを感じたひと時でした。。