TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

アザミと蜂窩織炎

2015-07-09 | 写真日記

富士山(山梨側)の山開きが行われた7月1日、
「晴れときどき曇り」の予報にしばらくぶりで
三ツ峠へ向かう。

予報に反して太陽は顔を出さず曇りベース、ひんやりした大気につつまれた登山道。
四季それぞれ、様々な花が見られる山道だけど、花の時期にはまだはやく

 


梅雨の時期らしい白い花、クサタチバナが
ちらほら咲きはじめている程度。


久しぶりの山行、歩きなれたジープ道をゆっくり時間をかけて登る。
夏の頃には、クガイソウが道の両側に涼しげな紫色の穂をなびかせ
目を楽しませてくれるのだが、梅雨真っ盛りのいまは花のラインナップも少なく
露を孕んだ木々の葉、爽やかな緑を楽しんで歩こう。

 霧に煙る山頂付近、展望は雲に

遮られ、辺りの景色もはっきりしないが、緑の中にわずかな光を点々と反射している花が、、、
サンショウバラが咲いている

先月初旬に訪れた西湖では、すでに咲き終わったサンショウバラにしか出会えなかったから
季節の進みが速い今年は、ここも同様かと思ったけど、やはり標高が高いだけになんとか
間に合って見ることができた。

 

富士箱根地区の山地に分布する日本固有種の薔薇、サンショウバラ。
陽射しがないと生きていけない、、、というか、そのくらい太陽が大好きな花で、
一説には、 陽のあたる地を求めて、火山から火山へと移っていくうちに、新しい火山である
富士山や箱根に生き残ったらしい、、、という説がある。

そうなのねぇ~真紅の蕾をひろげた花は大きく、明るさに満ちて、陽の光と交信するように
太陽の方を向いて咲くサンショウバラ。梅雨の時期に元気をもらえる花ですね。

 

さて、麗しのサンショウバラ、できるだけフレッシュな花のアップを撮ろうと草むらに
分け入り花の元へ。。 開花して二日と持たずに散ってしまう命短き花ゆえ、シベも
すぐに茶色く変色してしまう。そういったなかでここに咲いているのは良い状態のものが
多い。目指す花にカメラを向け一歩、二歩、「あ痛っ!」、、、脛にチクリと痛みを感じ
かがんで覗きこんでみたら、草むらに2、3本生えてたアザミの葉、その棘にに触れた両足脛から
血が滲んでる。ちょっとしたカスリ傷、たいしたことないと撮影続行。
ところが~、これが思わぬ展開となった。

山を下り、傷口部分はすこし痛みもあったがそのまま翌日を迎えると、
ふくらはぎから足首にかけて熱っぽく、腫れてきている。
さらに一日経ってみると、腫れが引くどころかむくんでいる状態。
これはマズイかもと、皮膚科を受診。
診察した医師は、「これは蜂窩織炎ですね」とキッパリした口調で言う。
「ほうかしきえん??」聞いたことない病名に、どんな字を書くのですかと質問。
すると医師はメモ用紙にサラサラと書いて渡してくれた。

蜂窩織炎とは、傷口からブドウ球菌などのバイ菌が侵入して起こる感染症で、
場合によっては入院治療となるやっかいなもので、とにかく安静第一、歩きまわったり
しないこと!と言われた。
いやぁ~まいった、、、ジッとしてなくちゃいけないのは何よりツライ

コトの起こりは、着用していたボトムス。パンツ丈が足首までない短めのものを着て
行ってしまったことによる。出かけようとして、肌がわずかだけど露出するのはマズイな
と思ったものの、着替える時間もなくそのまま出かけてしまった。
が、しかし、これまでこういったカスリ傷はほっぽっておいても自然治癒してきたことから
とくに気にとめることもなかった。
でも~、今までそうだったからといって、アクシデントが起こる状況はそれぞれに違う
のだから、軽々しく考えてはいけなかったのだ。
とりあえず傷口を洗い流すなどの消毒が必要だったと思う。
山では清潔な水が手に入りにくいこともあり、水分補給をかねてこうした場合の「水」を
持ち歩くことも必要だと思った。

 

 

 


初夏の森で、、

2015-07-04 | 写真日記

 

 

わずかに肌寒さを感じる6月の森   曇り空から射し込む光は明るく
森の一隅ではクリンソウが
この時期らしい佇まいを見せて咲き      
バックのサルオガセとの対比もおもしろい。
 

 

 ほどよい湿り気を帯びた森のさわやかなグリーンに
つつまれながら辺りを散策する。下界の騒音はじめ、その他もろもろの雑事から解放されて
心身ともにリラックスできる明るい森は、じつに平和で気分がいい。

 

森の湿地にパラパラとばら撒かれたように咲いているのはカモメラン
花弁にピンクの斑点がチャーミングな小さなラン

可愛いらしいネーミングは
どこからきているのだろう、、、。

 

おやっ!これは何だろう??
枯草の茎にしがみついてジッとしている。
モフモフの白い毛皮を纏った小さな生き物、オオミズアオという蛾らしい。
ガにはチョウに負けないくらいキレイなものもいて、これもそのひとつ。
ワイン色のアシや翅の縁取りなど、カラーリングもお洒落。

 

いったんモフモフから離れ、しばらくしてからいってみると
おおっ変身している! ペパーミントグリーンの美しい翅がお目見え

大水青/Actias artemis 「月の女神」という学名の美しい蛾。
翅を開いてくれないかなと、しばらくはりついていたけど、どうも
その気はないようだ。そこで、webからお借りした画像を貼っておきます。

美しきもの、その命は儚く、、、オオミズアオは羽化すると口が退化、それで
食べ物を口にすることなく、幼虫のときに蓄えた養分で受精・産卵を終えてその後餓死。
なんとまぁせつない運命なの…
花にしても虫にしても、自然界に生きる小さきものたちが命を紡いでいくのは容易くない。
刹那を生きる小さきものたちのドラマが展開する森、そこには何かしら気づきがありますね。