TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

石割山

2011-09-28 | 写真日記

秋の気配が感じられる9月中旬、道志道を山中湖までドライブがてら石割山に登ってみた。
東名を厚木で降りて、宮ヶ瀬から山中湖へと抜けるクネクネ道はお気に入りのルート。
山中湖に出る手前の赤い鳥居を目印に右折(石割山ハイキングコース入口)、
緩やかな坂をのぼっていくと石割神社の駐車場に着いた。

    

黄色い橋を渡って鳥居をくぐると、終わりの見えない長~い石段が延々と続いている。

  その数407段、(;゜Д゜)! ひぇ~っ、、

途中で何度も休みながらやっとこ石段をのぼり終えると富士見台で、東屋がある。

ここから山道となって石割神社まで 

 

   

石割山8合目にある石割神社と大岩。大岩が石の字に割れていることから名前がついたそうで、
無病息災のご利益があり、

 岩の割れた隙間を、時計回りに3回通れば幸運が開くという。

かなり狭いが、妊婦でも通り抜けられるそうだ。また悪いことをした人が通り抜けようとすると、岩に挟まれて
しまうという言い伝えがある。 

 

 

神社からは木の根が剥きでて土がえぐれた登山道を登っていく。
道の真ん中に横たわるヘビがいてしかも動かない。またいで通るのもなんだしとしばらく見ていたら
やっとノソノソ
動きだし薮の中に消えてくれた。このところ山に行くたびヘビに出会う。

 

石割山頂(1,413m) 

眼下に山中湖、その向こうに富士山が望めるのだけど、きょうは雲の中、、。
陽射しをよけるところのない山頂は暑く、草の陰に寄り添うようにして休憩。

山頂右手はテンニンソウとハンゴウソウにおおわれ、花の向こうにはどっしりとした山容の御正体山。

 

   

足元では、秋の花に夏の残り花が入り交じって咲いている。
左・キバナアキギリ、右・フシグロセンノウ(鮮やかなオレンジ色がどこでもよく目立つ)。

 

山頂から平尾山に向かって下る道はアキノキリンソウが 
花盛り。

 

  花がねじくれているのが変わってる
トモエシオガマ。 シオガマギクの変種だそうで、てっぺんにだけ花がつく。

 

赤土のえぐれた急坂を下り終えると、閉塞感のある笹が繁る樹林の平らな道となり、
わきにはテンニンソウの群落がつづく。 ミズヒキ、ハギ、イヌコウジュなど秋らしい小さな花が多い。
とても小さくて目立たないノブキなど、よ~く顔を近づけて見ると、お星さまのような白い花が
集まって咲いてめちゃかわいい。

 

   

秋といえばキノコちゃん。。真っ赤なカサがよく目立つタマゴダケは美味しいらしい。
見かけるたびに、どうしようかな~晩のオカズに採っていこうかしら、、と思うのだけど、
なんか躊躇しちゃう。。
タマゴダケによく似ているキノコで、カサに白いポチポチがあるベニテングダケは毒キノコ。
ベニテングダケをムシャムシャ食べてた子グマが、3個目を食べたあたりでグエッとなり、
いきなりひっくり返って目がトロンポワン(@_@;) しばらく仰向けになったままだったので
死んじゃうのかもと思って見てたら、雨が降ってきて我にかえり、あわてて走り去るという動画を見た。
クマでも即座に幻覚が起こるみたいだけど、死ぬことはなかった。クマの胃袋だから???

秋の誘惑はキノコだけにあらず、、、

バライチゴってば、甘くてジューシー
もっとないかしらって探したけど、1個だけだった。。
そうそう、バライチゴはそのまま食べても美味しくないというハナシもありますが、
すこし黒ずんできたくらいのよ~く熟した実はオイシイですよ~

 

 

ギェギエッと騒がしい鳴き声で 
群れているのはソウシチョウ
外来種で籠抜けしたのが野生化したものだそうだ。

 笹と広葉樹のあるところでよく見かける。

 

 

石割山から40分ほど下って平野への分岐 
直進すると平尾山で、ピークを踏んで戻ってもよかったけど、曇っていて富士山も見えないからパス
して平野へ向かう。 右手に山中湖が見え隠れする道の両側には野菊が咲いて秋の風情。

  

野菊はどれも同じようで見分けがつかない。かろうじてわかるのは右のノコンギクだけ、、(ノ∀`)
やがて道は階段状になり、暗い樹林をひたすら下る。

 

   

湿り気のある山道きわにツリフネソウミゾソバが、ゆらゆらといつまでも風にゆれていた。
駐車場と書かれた小さな案内板を左に曲がり、ジグザグに下っていくと、やがて水音が聞こえ、
飛び石伝いに小沢を渡ると間もなくクルマをとめた神社駐車場に着いた。
3時間ほどで一周できるショートコースながら、花も楽しめたいいコースだった。
近くには温泉「石割の湯」もあるので、こんどは行ってみよう。。


 


晩夏の花

2011-09-19 | 写真日記

日中は30℃を超す暑さでも、吹く風と日暮れの速さからは秋の気配が濃厚。
そんな季節の狭間に咲く花、レンゲショウマとサガミジョウロウホトトギスを探して
黒岳と丹沢を歩いてきた。

レンゲショウマは、夏の終りに毎年楽しみにしている花で、今年は黒岳を選んだ。
天気はイマイチだったけど、登山口までクルマで上がれば山頂まで1時間という
手軽さなのでゆっくり出発。 新道峠を目指す。

  

林道わきで目を引くピンクの花はジャコウソウ

 

登山口駐車場    
途中の凸凹した道とはえらく違うきれいな路面。 なぜか林道は下の方より上の方が道がいい。
ヨツバヒヨドリに群れるアサギマダラがいっぱいの駐車場、その奥に整備された登山道。

 

     

10分ほど登ると新道峠。トレイルにはソバナがお出迎え。。
目的のレンゲショウマはここまで来るあいだにもちらほらあったが蕾が多かった。

 

峠から黒岳に向かう森のなかに点々と咲いているレンゲショウマ、心なしか花は小さいめ。
もう時期が遅いため? でも蕾のものもけっこうある。

 

   

午後からは雨の予報が出ている曇り空の日だけに、山は訪れる人もいなくて静まりかえっている。
そんな静けさのなか、薄暗い森のなかで見かけるレンゲショウマはいっそう魅力的で、
まさに森の妖精毎年見ずにはいられない花のひとつ。

 

 

樹林に囲まれたトレイルの何ヶ所か眺めのよい場所があって、眼下に河口湖が望める。
陽当りのいい斜面には、タチフウロ、シラヤマギク、タムラソウ、トネアザミ、ヤマハッカなどが咲いて、

花にはクジャクチョウが群れていた。

 

 

時刻は13時をまわっていた。陽射しを遮るところもなく暑かったけど、ここで昼食。
おにぎりを食べていると、登山道の方から女の人の笑い声が聞こえてきた。
こんな天気でも来る人がいるんだなどと思い、草の間から覗いてみると、20代前半といったふうの
カップルだった。山歩きというより、ドライブがてら登ってきたというカンジで、男の方の話し声は
聞こえないのに、女の笑い声だけが絶えず聞こえてくる。二人は山頂へと向かっていったが、
カノジョのヘラヘラ笑う声が、静かな山中にいつまでも不気味に響いていた。

空の様子を気にしながら、私もカップルの後を追うように登ってみたが、暗い雲が広がってきて
雨粒がポツポツ落ちてきたので引き返すことにした。
駐車場にもどり、クルマに乗り込んだとたん、ザァーと雨が本降りになった。
さっきの二人はどうしただろう。この雨じゃかなり濡れてしまいそうだ。

山頂まで短時間の黒岳だが、前に来たときも途中で雷が鳴りはじめたので慌てて引き返し、
寸でのところで雨に濡れずにすんだ。なぜか同じパターンになる黒岳、ピークを踏めずにいる。

 

                                   

 

暑い時期に丹沢を歩くのは避けたいのだけど、9月に入ると丹沢だけに咲く花があって、
今年は見にいかなくちゃと表尾根を登ってみた。

 富士見橋にクルマを置いて薄暗い樹林の中を登りはじめる。

 樹林が途切れると大山が見えた。

 

 

このあたりまでは青空が広がっていたものの、徐々に雲がでてきて二ノ塔に着いたときは

陽射しはちょっぴり 
後ろに見える三ノ塔もガスに隠れがちとなった。それでも蒸し暑いのは変わりなく、やたら喉が渇く。

 

 見晴らしのいい三ノ塔は残念なことにガスガス。

 

200m先で烏尾山への急下りがあって 
お地蔵様が見守るように立っている。 うへ~こんなに下っちゃうのぉぉ゜(゜´Д`゜)゜ 

 

のぼり返した先のピークに、烏尾山荘がぼんやり見える。
ガレた傾斜地にはフジアザミが大きな花をつけ、うなだれている。

ほんのちょっと触れただけでも痛いフジアザミのトゲ。こんなの投げつけられたらたまらないね~
しかし、茎だけが残っていて花の部分がないのもいくつもある。シカが食べてしまったらしい。

トゲトゲのフジアザミも、こうなってきた 
花弁の部分を触ってみると、柔らかすぎず硬すぎずキモチよい肌触り、
メイクするときのパフがわりにしたいくらい(n‘∀‘)η

 

 ガスの烏尾山、眺望ゼロ。

まぁだけど、晴れていたら暑さにやられそうなのでガスっててちょうどいいかも。

下からどんどん上がってくる風と霧が 
暑さを和らげてくれる。

 

お目当ての花は何処に、、、岩場のところでカメラを手にしたおばちゃんがいたので
訊いてみると、この下の方に咲いているとおしえてくれた。わぁ、よかった~
どこかなどこかなとキョロキョロしながらいくと、ありました!
丹沢の貴婦人」ことサガミジョウロウホトトギス(相模上臈杜鵑)の黄色い花が、
岩壁にはりつくようにして垂れ下がって咲いていた。
しか~し、花に近づくには転がり落ちそうな急斜面を横切って岩壁に取り付かなくてはならない。
どうしようかな…行っちゃおうかな、けど、
キケンアブナイ、、、叫び声とともに谷底へ落ちていく自分を想像゜(゜´Д`゜)゜ 、、ソク諦める。

そこへさっきのおばちゃん二人が登場。命を賭けて行ってくるわと壁に向かって行った。スゴイ~~
おばちゃんたちは花を前にせっせと写真を撮る。いいなぁ~

ズームレンズでもこの遠さ 
「あ、こっちにはもっと咲いてる」おばちゃんがうれしそうな声をあげる、、いいなぁ~(・。・;
そこへもう一人の同行者であるおじちゃんがやってきて壁に向かうというので、すかさずコンデジを
渡して撮影をお願いしてみた。すると、無理しないほうがいいですよと快く引き受けてくださり、
数枚の貴婦人ショットをカメラに収めてきてくれた。もうもう、ありがたいやらうれしいやら

  

 

丹沢山地の一部のみに見られるこの花は 
険しい岩場の崖から垂れ下がるように咲く。沢筋の崖にも見られるので、書策さんがまだ存命の頃、
咲いている場所へ案内してあげると言われ、その機会がないままになってしまった花でもある

 

    

一方、コチラのホトトギスはやたら咲いている。  白い距が四方に広がる様子は船のイカリに似て、
独特な形をしているハナイカリ。 白い距の先っぽに蜜が入ってる。これでもリンドウの仲間。

 

さて、きょう目当ての花はもうひとつ。
その花のことを写真を撮ってくださったかたに言うと、それなら来るときの岩場にありましたよと!
それで3人のかたたちに同行して花の場所へ向かった。とても親切なかたたちで、岩場を通過するさい
にはストックを持ってくださったりと、優しくしていただいた。感謝!!!

 岩の隙間に咲くビランジ

 

この花も盗掘によって数少ない花となってしまったそうだ。岩の隙間から真横に咲く美しいピンクの花!
山の花の健気さに拍手を送りたくなってしまう。 この場所なら人間は近づくことができないから、
盗られる心配もないけど、崩れ落ちる岩や土にどうやって種を残していけるかと気がかり。

 

 

一輪だけ咲いていたイワシャジン。秋を感じる花。

 

野菊のなかでもノコンギクの、淡いうす紫色の 
花びらは美しく、見かけるとつい立ち止まってしまう。

 

お目当ての花を見れて満足の一日。
山は8月半ばには秋の花が咲きだす。とはいえ、今年は9月に入っても残暑が厳しく、
秋の花も場所によってはこれからが本番となりそう。
夏の名残りと、来る秋を感じつつ歩く9月の山は、季節の狭間なりのよさがある。

風が変わって今夜は涼しい。
明日からは暑さも遠のき、季節は秋へ秋へ。。

 


避暑地の出来事

2011-09-06 | kanon

コンニチハ~ いっきなり 
のアップでシツレイ(^。^;) 
ワタシ、この夏、元気に 2歳を迎えました。 

 

  まだね、あかちゃんの部分もダイジにとってあるんだけど、
えっ?それは何って、、、ヒミツよ~ ふふっ。、、、とにかくね、いろんなことできるようになったの。
お話もちゃ~んとできるし、クルクルってバレリーナみたいに回ることもできるよ!

 

『出来事』ってほどシゲキ的じゃないけど、この夏のトピックスはね、
「フジ・ロック」へ行って、お熱がでちゃったこと。それから手足口病もいただいたりして...
そんなことより、楽しかったことはね、
お手軽避暑地の山中湖では、ハンモックでユ~ラユラ。。とっても気に入っちゃった

 

  

ハンモックに寝ると、見えるのはさわさわ風にゆれる木の葉とその隙間からのぞく空の光だけ、
カラダ丸ごとやわらかな布に包まれていると、かーちゃんのお腹にいたときを
思い出しちゃうわ、、、な~んてね( ^ω^)。。。   こんなキノコも生えてたよ!

 

 

お隣の河口湖で~す 
湖に面した広~い芝生で
シロツメクサをみつけました

 

  

どれがいいかな~っと、、、うん! コレにしよっ

そして、かーちゃんの髪にさしてあげました。  

     花いちりん 花いちりん   あなたがくれた花いちりん

             私を幸せにしてくれた~

             髪に飾って微笑んだ   あなたがくれた 花いちりん    

 

 

                         

 

 

 

 乙女高原で~す ぐったりするような暑さが、ここに来たらウソのように涼しい!
爽やかな高原の空気に、生き返ったような気分

お盆すぎの高原は、もうススキに占領されててお花はちょっぴりだったけど、
 ちょうちょさんはいっぱ~~い

 

 わっせわっせ 森の中をのぼっていくよ~

 

 

あっ、アサギマダラ 

 

  なんてきれいな翅~

 

こっちにも黄色いちょうちょさん 

ふわり ふわりと飛んで花にとまるアサギマダラ、マルバダケブキの蜜を吸うウラギンヒョウモン

 

かのんちゃん遊びましょと、チョウがやってくるたび、「ちょうちょさん まって~」と追いかける。

 

 

高原のてっぺんにはベンチがあって、運がいいと富士山が見えます。この日は残念ながらお隠れ~
がんばって登ったよい子かのんに、おにぎりとお菓子をあげましょう。。

 

   

↑この画像は、ちょうど3ヶ月前の5月20日、ベンチ周辺の景色の違いにご注目。
5月下旬の乙女高原は、ようやく春を迎えたばかり。まだ枯れ草におおわれた草原ですが、
すみれの女王といわれる大きなスミレ、サクラスミレが咲いていました。

 

春霞にぼんやり浮かぶ富士山。ここからの眺めは、富士山の高さが実感できるナイスビュー

 

さてさて、夏にもどして、高原を一周。

白樺の森をのぼって、こんどは草原を下ります。

 

高茎草原のため、小さなかのんには 
体がすっぽり草に埋まってしまうジャングル状態。
枯れ草に埋まる坂道で、何度も滑ったり、転んだり、そして顔にかかる草を手ではらいながら
「たのしいね~」と、うれしそうなかのん。 いいぞ!「自然の子」はこうでなくちゃ!

 

  いい匂いする~ ほんと

 

ちょうちょうさん、ワタシにもとまって~ 

 

 

涼しい場所を好むアサギマダラは、木陰に集まってきます。

 

花と戯れるアサギマダラを 
目で追ってはシャッターを切っていたそのとき、、、

 

 

散策路の遠く離れたところに、ちょこんと座ってコチラを見ている先住民がいるじゃありませんか
どうやら子ギツネのようです。 咄嗟に『手袋を買いに』の子ぎつねを思い出しました。

ワンワンだのコワイだの言うかのんに、「シーッ、静かにしてないと逃げちゃうよ」と言いつつ
子ギツネにカメラを向けるも、草がジャマして思うように撮れません。

 

私たちが注目するのをよそに 
彼(彼女?)はそろそろと動きだし、草陰から私たちの様子を窺いつつ繁みの中へ消えていきました。

いつも何かしら素敵なサプライズギフトがあって、わくわくさせてくれる自然です。
何もかもがリアルで、細部まで美しさに満ちています。



草原を渡る風、草の匂い、ちょうちょさんやきつねさんから、
かのんは、どんなメッセージを受けとったのかな??    

 


五箇山

2011-09-02 | 写真日記

温泉に入ってぐっすり眠れて、気持ちのいい朝を迎えた。
チェックアウトすると、白山周遊キャンペーン中ということで、白山スーパー林道片道
無料通行券をもらった。 白山スーパー林道は、宿のすぐ先に入り口があって、
全長33.3kmの山岳ドライブウェイが白川郷のインターへと通じている。
片道¥3,150もする通行料がタダとは、ラッキー
秋の紅葉時に2度走ったことがあるが、景色のいい快適な道路だ。

 

ルートには4つの滝があり、「ふくべの大滝」は 
その中でも最大の滝で、落差86m。

展望のよいポイントにはたいてい駐車場があり、楽しめるドライブウェイ。
三方岩(標高1,445m)から白山に通じる登山道(北縦走路)がある。

  ここからだと白山まで15時間以上かかるそうだ。

ここを上がって最初のピーク、三方岩岳までは40分で、森林限界を超えた山頂はハイマツ帯で、
素晴らしい眺めだと登ってきた人が言っていた。 時間に余裕があれば登ってみたかった。


ほんの10分ほど登ったところにモウセンゴケが生えてた。 
小さな白い花の根元に広がる葉には毛がいっぱい。
毛の先端には粘液が粒状になって光り、獲物を待ちかまえている、、、ウヒヒ、、゜(゜´Д`゜)゜ キャア!

 

 

景色を楽しみながらドライブしたスーパー林道、終点ゲートではキキョウが満開だった。

白川郷ICから一つ目の五箇山ICで高速を降り、五箇山に向かって山間の道を走っていると
ほどなくして道路左下
に合掌造りの小さな集落が見えた。

三方を川に囲まれた谷間のわずかな平地に9戸の合掌造りがある菅沼集落
道路わきにクルマを停め、ガードレール越しに集落全体を眺めた。
こじんまりと、昔ながらの景観を残している集落だ。

ここから庄川に沿うように山深い道を進み、左に折れる坂道を上がった奥に相倉集落があった。
富山県でももっとも雪の多い地域だと想像できる、そんな場所だ。

集落の入り口は大型バスも止められる駐車場になっていて、ここに来るまでクルマも人も
見かけなかったのが、山奥にたどりつくやクルマと観光客がどっといて、そのギャップに戸惑う。

全国的に猛暑となった週だけに、こんな山奥でも暑さはそう変わらない。
じりじりと照りつける陽射しは強烈で、すぐに歩きだす気にもなれなず、駐車場にあった茶店に
飛びこんでひと休み。

軒下でも陽射しが遮られて涼しく感じる。

時刻は2時を過ぎていたので、昼食にしようとざる蕎麦を注文。ひょいと隣を見ると、串に刺した
キュウリをまるかじりしている客がいて、それを見てコレだ!と速攻追加注文。

  

汗をかくと塩分がほしい。塩漬けの冷えたキュウリのウマイことったら、、、(^0_0^)
お蕎麦も冷たくってとっても美味しかった! 満足満足

 

ここを上がって行くと村全体が見渡せるよ、駐車場係りのおじさんにそう言われて、
エッチラオッチラ細い山道を登ってみた。

裏山からは山にかこまれた相倉合掌集落が一望できる。
相倉集落には32戸の住宅があり、そのうち20戸が合掌造り。
真正面の雲に隠れている山は人形山。
遠い昔へタイムスリップしたような、美しい日本の風景がひろがっていた。

 

パラパラっときた通り雨を木陰でやりすごし、畑道を通って村へ下りる。

山の水を利用した水路が 
畑の斜面を流れていて、畦道で咲く薄いクリーム色した花が水路を飾っていた。

 

  

田んぼのわきを通って神社の前に出る。丸型の郵便ポストもここでは健在。
メイン通りにある土産物屋を兼ねた茶店。 この辺りが村の中心で、この周囲に民家が点在する。

 

  どの家も夏の花が盛りで、
それがまた
色褪せた茅葺き屋根の素朴な味わいをいっそう引き立て、美しい佇いを演出する。

 

田んぼの緑と花たちが 
夏の陽射しにキラキラ輝いていた。

 

 

 

集落のいちだん小高いところが、ちょっとした林のようになっていて、下生えの草が
グリーンのグラデーションにひろがってきれいだったので眺めていたら、誰もいないはずなのに
墓石の後ろから突然声をかけられてびっくり! 振り向くと編笠をかぶったばあちゃんが立っていた。
墓掃除をしてたというばあちゃんに、ぜんぜん気づかなかった。

それからばあちゃんはいろいろ話しかけてきて、なんでもばあちゃんの家は村で一番古く、500年前
のものだそうだ。 天皇陛下と美智子皇后が泊まられたときは、宮内庁からトイレの衛生管理を
やかましく言われ、とても気をつかったなんて昔話を聞かせてもらった。

すぐそこが家だから寄っていきなさいと言うばあちゃんに、はぁとうなづいて歩きだす。
ばあちゃんは道々家を指さし、ここは誰それが住んでて、ここは〇〇から嫁さんがきてなどなど、
小さな村のことゆえ個人情報丸抱えといったふうだった。

そしてちょいちょい腰をかがめては、道端に生えた雑草を引っこ抜き、小さなゴミも見逃すことなく拾った。
こうした環境美化の意識があたりまえのように身についているというか、ごくごく自然なこととして
日常化している姿、そのふるまいが美しかった。
美しい村は、ばあちゃんのような人たちによって、美しく保たれてきたのだと思う。

戸をあけて見せてくれた室内はとても綺麗で、壁に天皇陛下と美智子皇后のカレンダーがかけてあった。
お泊りになった年から毎年送られてくるそうだ。
来る途中何度も、ばあちゃんは泊まっていけばいいのにと言い、ここに民宿があることを知っていれば
そうしていたのにと思った。

  

風格のあるばあちゃんの家  右は何軒かある民宿のひとつ

写真を撮って、「また来ますね、元気でいてください」と歩きだす私にばあちゃんは、
秋がいいから、またおいで。今年の秋来れなかったら、来年の秋でもいいからおいでと、
なごり惜しそうに言った。 きっと話し相手がほしいのね。

 

傾きはじめた太陽が 
田んぼを金色に染める。
左奥がばあちゃんの家、となりは寺。

 

  時刻は4時をまわっていたが、暑さは厳しく

駐車場に戻ってまた茶店に寄り、かき氷を食べてクールダウン。

 

 

満車に近かった駐車場も、16:30にはガラガラ、観光客もまばらになってきた。
帰りはせせらぎ街道を通ってから高速に乗ろうと思っていたけど、この時間では高速一本で
行ったほうがよさそうだ。
東名へ入るジャンクションで渋滞、その後も盆休みの影響か、渋滞が各所であり、
自宅に着いたのは深夜1時だった。

 

                

 

滋賀、石川、富山と3県にまたがる花の山旅、お天気にも恵まれていい旅ができた。
それにしても白山の暑かったこと、これまでになく山で暑い思いをした。
登りだけで水を1.5リットルも消費したのは今回がはじめて。
花の豊富なのはさすがで、暑いのを我慢しても登る価値は十分ありだ。
遠いけど、花たちに会いにまた登りたい。

伊吹山は標高のわりに花が多くて楽しめるが、アクセスがよいだけに人も多く、
じっくり花と向きあえる雰囲気ではない。静けさのなか、山に分け入って出会う
花に、喜びや発見をより深く感じるように思う。

世界文化遺産となった合掌造りの村。日本の原風景が美しいままに残っている豪雪地帯。 
山の花も、夏でも雪が残る自然環境の厳しいところに、数少ない美しい花が咲く。 
どちらも自然に寄り添って生きる強さがつくりだす美しさなのかもしれない。