前々から行ってみたいと思っていた西表島、ついにそのチャンスがやってきた
で、気になるのが天気、4月11日から4日間の週間予報はばかりマークがない(´Д`)
出発当日は未明からの雨、自宅を出るときは止んだものの、空はどんより重たい
雲が広がっていた。那覇空港到着11:52、小雨まじりの強風。
貸切バスで名護市へ移動。一泊二日の表彰旅行を利用しての西表島なのだ。
それで一泊目は自腹では泊れないゴージャスなホテル(笑)、
2007年沖縄サミット開催の会場になった万国津梁館を借り切ってのディナーパーティ付き。
参加の皆さん、小奇麗な格好で小さなボストンバッグ一つのいでたちなのに、
一人大きなザックを担いだ山仕様がなんとも異様な私だが、「わぁ、カッコイイ!」なんて
言ってくれた人もいた、どこが?(笑)。しかし荷物が重い。
降ったり止んだりの雨のなかエイサーなど沖縄舞踊が披露され、
ラストには250発の花火も打ち上げられてパーティはつつがなく終了。
そして翌日の朝、ホテルの部屋から外を見てゲンナリ、、雨だ…
朝食もそこそこに7:38発のバスに乗り込む。降り続く雨。
那覇空港から石垣島へ向かう便は、北朝鮮のミサイル打ち上げに影響されてか
20分遅れで離陸。雨雲を突っ切れば、ブルースカイ。
やがて白一色だった視界から、エメラルドグリーンの海と石垣島が見えてきた。
やった!晴れてるじゃん! 12:30 石垣島到着。
青空広がる石垣空港
お天道様、八百万の神、み~んなとにかく感謝!うれし~ぃ
さて、フェリーの時間まで3時間弱ある、どうしたものか。
とりあえずバスに乗って石垣港まで行く。フェリーの乗船券を買い、重いザックを
コインロッカーに放りこみ、石垣の街でもブラブラして昼食でもと思ったけど、
いきなり真夏の陽気に飛びこんでクラクラするほど暑く、無性に緑の木陰が恋しくなった。
通りに出て上を見上げると、バンナ公園4kmの道路標識が目に入った。
そうだ、公園へ行こう!
港へ引き返し、ターミナルからタクシーでバンナ公園へ。
タクシーの運転手さんは優しげな面立ちをした白髪のおじいで、バンナ公園へお願いしますと
言ったら、バンナ岳の山全体が公園だから、どの辺にしますかと訊かれた。
そうかぁ、そんなに広いんだ。 おじいと相談の結果、公園をちょこっと散策できるところへ
行ってもらうことにした。
街からちょっと走っただけですぐに畑だらけの風景となり、牛舎がやたら目につく。
石垣では牧畜が盛んだという。 石垣牛はウマイらしい。
公園に着くとおじいは、1時間くらいなら待っててあげるという。 ありがたや!
ここから森の中を歩いてずっと行った先を右にまがった辺りで待ってるからとおじいは言った。
方向音痴の私は、迷ったときの用心におじいの名刺をもらって出発。
タクシーを降りたそばに咲いていたセイシカの花
花の時期は終りで、木にはわずか二つだけが残っていた。
漢字で聖紫花と書き、山奥の渓流沿いなどに咲く花で、真近で見ることはまずできないという。
ここのは植栽されたもの。 ツツジ科・花期3~4月
展望塔の螺旋階段を上がると公園の一部が見渡せる。
森の中には散策路がいくつもあって、クルマが通行できる道もある。
セイシカ橋(写真の白い橋)を渡って森の中へ。
タクシーを降りるときおじいから、人が歩かない道や繁みに入らないように言われた。
毒蛇ハブが潜んでいる危険性があるからだ。石垣や西表ではサキシマハブ咬症者が昨年は88人
とある。ハブは夜行性だが、木の繁みなど薄暗い場所は昼間でも注意が要る。
だだっ広い公園内に人の姿は見えず、鳥の囀りだけが賑やか。散策路の狭い道は小枝や落ち葉が
積もり、樹木が鬱蒼としていて風も通らず蒸し暑い。ときどき足元でゴソゴソ動きまわる気配がして
もしかしてハブ(;゜Д゜)! と、立ち止まって見るとトカゲだった。かなり多い。
ドキドキしながら歩くのは心臓に悪いから、広い道を歩くことにする。
道沿いに咲いていたムラサキカタバミ、花は紫というよりピンク。右の赤い花は不明。
公園内の涼しい道すじにはたくさんの 蝶が飛び交っている。
うわぁ!こんなにいるんだ
スジグロカバマダラ ペンションの周りでもたくさん飛んでいた。
リュウキュウアサギマダラ
浅葱色の部分が本土のより色が濃い。
オオゴマダラ
日本最大の蝶、ふわりふわりと飛ぶ姿は優雅。白と黒のすっきりしたデザインもエレガント。
イシガケチョウ
一風変った翅は石垣のような模様で、名前もそこからきている。
ツマグロヒョウモン♀
暑いのも空腹なのも忘れ、夢中になって蝶を追いかけた。
まだまだいろんな種類の蝶が飛び交っていたが、わずか1時間ばかりではこの程度しか
カメラにおさめられなかった。ああ、もっと時間があればなぁ~
一日中いても飽きることない広さと、さまざまな蝶に出会えるバンナ公園だ。
タクシーを待たせているので時間が気になる、戻らなければ、、。
はて、おじいはどこで待ってると言ったけ?? 蝶に引き寄せられ、あっちこっちと歩いて
いたらどこがどこだかわからなくなった。とにかく車道へ出て電話しよう。
方向音痴だけど、カンはよくて、、こっちだと思った方向へ進むと、見覚えのあるタクシーが、、
運転席を見ると白髪頭、やったね!
約束の時間をオーバーしたにもかかわらず、おじいはニコニコして待っていてくれた。
そして、待っている間こんなものを作っていたんだけど、よかったらどうぞと差し出されたのが
上の作品。ビニールストローを利用して作ったエビ?と、さらに手の込んだかわいい金魚。
ちょこっとした合間に、こんな素敵なものを作りあげてしまうなんてスゴイ!
石垣島のいい想い出とおみやげができた。おじい、ありがとう!
帰りは公園中央を突き抜けるバンナスカイラインを走り、エメラルドの海を見る展望台へ寄る。
標高約230mのバンナ岳の尾根上にある展望台は眺めがよく、展望台へは上がらなかったが
駐車場からでも石垣の街とその向こうに広がる海が見渡せた。
港の近くの店に入り八重山蕎麦で遅い昼食。洗面器のような大きな丼に入ったソバを見て
びっくり!とても食べられない、、|゜Д゜)))と心配するも、蕎麦は底の方に普通の量だった。
やれやれ、、(´Д`) 気温27℃、空腹だけど慣れない暑さで食欲がない。
船の出航時刻が近づいた。
15:10 石垣港をあとに高速船はグングンとスピードを上げていく。
今どきの船はこんなに速いのか (@_@。と、またもやびっくり。
ウトウトしてる間に船は
15:55 上原港に到着。は~るばる来たぜイリオモテ~
天気は上々言うことなし
お迎えのクルマに乗って宿泊先のペンションへ。
走る車窓から見える景色は緑におおわれ余計なモノがない。いいぞっ!
緑が多いせいか、石垣島よりずっと涼しく感じる。
ペンション星の砂に到着。
西表滞在2日間の宿で、
テラスの前が星砂の浜。よく話に聞く星の砂とは、どんな砂なんだろ?
お部屋は全室オーシャンビュー。建物はかなり古いけど、立地はナイス。
荷物を整理して休むひまなく別棟のレストランへ。
ペンションには売店とレストランがあり
宿泊客はレストランで食事をとる。日暮れにヤエヤマホタルを見にいく予定なので、早めの夕食
をお願いした。西表の日没は19時頃で、今夜は最適なホタルショーが楽しめるハズ。
夕食は地元で捕れた魚や島野菜が並び、
私には食べきれないくらい量がある。 本日のメニューは、グルクンの南蛮漬、
島野菜のチャンプルー、島野菜と島豆腐のサラダ、
グルクンはここでよく捕れる魚ということだ。南蛮漬の魚の上にかかっていた野菜がおいしかった
ので訊いたら、そのへんにある葉っぱをきざんだものとのこと。そのへんに生えてるのか、いいなぁ~
グルクンのお造り、
島野菜の天ぷら(島ラッキョウ・紅イモ・カボチャ・フジ壷)、と新鮮な島の幸が盛り沢山。
お造りに添えられたミニパイナップルは、来るときに見かけたパイナップル畑のものだろうか、
ピーチパインといってほんのりピーチの香りがしておいしい。
19:03 日没、八重山ホタル鑑賞に出発
場所は白浜港先の森の中。夕闇が迫る林道を歩いていると、森の中からフクロウの鳴き声が
聞こえてくる。やがてあたりが暗さを増してくると、森の奥でチカチカ光るホタルが見えはじめた。
森がすっぽり闇のベールに包まれたとき、漆黒の森は無数のホタルが放つ光の点滅に輝く。
人工の光にはない幻想的で温もりのある小さな光は、素早く点滅を繰り返し、圧倒的な美しさで
見る者に感動をもたらす。
ヤエヤマホタルは国内最小のホタルで、体長わずか5mmと小さいが、光の点滅は1秒間に
2回と速く、森を乱舞するホタルの群は、真っ暗な森に輝くイルミネーションのようだ。
森の縁にも点滅する光がある。落ち葉に埋もれたホタルの幼虫だ。
飛んでいるホタルを手で捕まえ、幼虫と比べて見ると、幼虫の方が大きい感じがする。
ヤエヤマホタルのナイトショーは、3月下旬から2ヵ月間ほど見られる。
ショータイムは日没から40分ほどで終る。美しきものはみな儚い。
空を見上げると、降るような星空。そこに一筋、光のラインが走る。
子午線を示すレーザー光線だ。
ホタル鑑賞の帰り、竹富町子午線ふれあい館へ寄ってみた。
1997年に国土地理院沖縄支所によって、竹富町西表島に東経123度45分6.789秒の
子午線が通っていることが発見された。それを記念して造られたのが、子午線の通る
祖納集落と白浜集落にある、ふれあい館やモニュメント。モニュメントからは
毎晩19~22時の30分おきにレーザー光線を照射しているそうだ。
充実した一日目となった西表島の旅。明日もいい日になりますように。。
次回へつづく