TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

三ツ峠山/レンゲショウマ咲く山路

2012-08-24 | 写真日記

きょうはどんな花に会えるかなと、登るたびに楽しみな三ツ峠、
8月も半ば、お盆の
頃には、レンゲショウマを見に足を運ぶ。
2週間前の8月2日に登ったとき、まん丸い固い蕾をつけたレンゲショウマがたくさん
見られたので、今頃は花も見頃じゃないだろうか。

連日30度を超す厳しい暑さも山の上までは届かず、御坂トンネル手前の温度計は
26℃。クネクネ道を上がっていくにつれ風は涼しさを増し、登山口駐車場に着いて
クルマを降りると、冷やっと寒気を感じ、あっ、薄着で来て失敗したかな?
毎度そんなふうに思う。

登山口駐車場で迎えてくれたのはソバナ
この時期、ソバナもレンゲショウマと競うように森のあちこちに咲く。

 

 

山道を登りだすとまもなく 
レンゲショウマがうつむきながらふわりと風にゆれていた。

 

「森の妖精」と呼ばれ、優美な雰囲気をもつレンゲショウマ。茎の先端に花と蕾を
アンバランスにつけ、スレンダーな茎は緩やかな曲線を描いてしなる。
わずかな風にも、花やまん丸い蕾がふわふわゆれて、それが森に遊ぶ妖精のようにも見える。

 

 ふわんふわん ふわんふわん

 

森のあちこちに咲くレンゲショウマを見ながら登っていたとき、
先を行く4人連れの一人が何やらかがみこんでしきりに手を動かしているのが見えて
何をしているんだろうと思った。だんだんと近づくにつれ、その手がシャベルを握っているのが
見えた。私が近づいているのを知らせるように、連れの年配女性が大声で何度もシャベル男
の名を呼ぶ。けど男は気にせずせっせと掘り続け、掘りだしたものを白いレジ袋に入れた。
その光景を見てたまらず、植物採取は禁止ですよ!持っていかないで!と大声をかけるも
男は知らん顔して歩きだす。何を持ち去ったのかわからないが、見ると登山道の一部が掘られ
穴が開いている。足の遅い年配女性に追いつき、連れの男の行為をやめさせるよう言うと、
「山のことはよく知らないから…」と、とぼけた返答。先を行く3人に追いつき後ろ姿を見ると、
年配の男二人はレジ袋をぶら下げ、さらにシャベル男のザックからは束になったレジ袋が
はみ出ていた。シャベル男に、あなたの行為は犯罪ですよ、あなたのような人がいるから
貴重な植物がどんどん山から消えてしまう。自分さえよければ後はどうでもいいは許せない!
などと言ってみたが、何の権限もない身で喚いたところで馬の耳に念仏さね。
3人は罰の悪そうな顔をして、つっ立ったままただ黙りこくっていた。
そのあと、しばらく行った先で私が花を撮していると、すれ違いざまにお愛想を言うではないか。
さらに登山者にも陽気に話しかけたりして、良き人物を演じている。
ったく~、呆れて物が言えないとはこのことだ。

気分悪い思いをしてしまったけど、気をとりなおして山を歩こう。


 

ブナやコメツガの樹林の下に 
シャクジョウソウを見つけた。坊さんが手にもつ錫杖からきてる名前で、
葉緑素を持たないギンリョウソウの仲間ということだ。

 

 

登山道に咲く花たち、2週間前はクガイソウが勢いよく薄紫の穂を伸ばして群生し、

 

それにシモツケソウの淡いピンク、ハナチダケサシのふわふわ白い穂が加わって、
パステルカラーの春を思わす華やかさだった。

 

   

この日いちばん目立っていたのはカイフウロ。けどこの花、よく見ると花の形や色など、
がわずかだけど違っていて、

  

花弁の切れこみがあったりなかったり、網目模様があるのや無いもの、色味もいろいろ。
どれもおなじカイフウロなのだろうか? 

 

 

木無山につづく尾根道 
おぉ、立派なコオニユリ!と、ファインダーを覗いているとき、ひらひら~~~
キアゲハが飛んできて花にとまる。(右の端っこ、わかる?)後翅は朱色の花粉がべったり。
アゲハチョウは赤色を識別することができるそうで、コオニユリもそれゆえ朱色でアピール。

ユリの仲間は花粉を運んでくれるチョウやガに合わせて花のサイズも大きい。
それでも、チョウはくるくる巻いたり伸ばしたりできるストローみたいな長い口で
蜜を吸い上げるので、ヘタすると花粉に触れることなく蜜だけ持っていかれる恐れがある。
そう警戒したユリは、花を下向きにして蜜を吸いにくくして、かわりにチョウの足場となる
雄しべや雌しべを長くしてある。 蜜を吸いにきたキアゲハが翅をパタパタさせながら
やっと目的を達する頃には、雄しべの先端の葯がくるくると動き、チョウの翅にべったり
花粉が付着する。花も、ただぼぉ~っと咲いてるだけじゃないんですね~

 

  

木無山の草原へ行ってみると、2週間前と花は入れ替わっていて、
クサレダマが咲きはじめ、ワレモコウカイフウロカワラマツバは元気がいい。
コウリンカ、オカトラノオ、ホソバノキリンソウ、オオギバボウシはかんかん照りにぐったり。

 

 

マルバダケブキ 
を写していたら、

 

キアゲハがまたまたタイミングよく花にやってきて、カメラに収まる。

 

三ツ峠山荘のベンチでひと休み。のんびりしてるうちに富士山は雲に隠れてしまった。
よく足を運んでいる三ツ峠、そのわりにきれいな富士の姿を見たことはほとんどない。
もっとも、昼頃に山頂に着くようじゃだめなんだろうな。

 

夏を象徴する花シシウド、バックには御巣鷹山と電波塔。

 

三つのピークの一つ開運山に向かう。 
いまは赤土の急斜面になっている山頂下も、以前は草原だったのだろう、その面影をいまも
わずかにとどめている一部に、シモツケソウ、キンレイカ、ウスユキソウなどが咲いている。

 

 

  

夏の陽射しがジリジリ照りつける山頂は誰もいない。
先々週はきれいに咲いていたホツツジも、今日は暑さでぐったりしている。
左がホツツジ、右はミヤマホツツジ(八方尾根)、シべがまっすぐのとくるんと巻いているのと
分かりやすい違い。

 

 開運山から御巣鷹山へ涼しい森の
道、オクモミジハグマの蜜を吸うアサギマダラ。

 

      

白いソバナ、林の縁を飾る小さな花は長野と山梨の一部だけに咲くコウシンヤマハッカ

 

  

キバナアキギリキツリフネなど、秋の花も咲きはじめ、暑さのなかにも移りゆく季節を感じる。

 

御巣鷹山の草原に出ると、容赦ない昼下がりの陽射しが待っていた。
柵で囲まれた部分には鹿の食害を免れたオオギバボウシが密集するも、照りつける陽射しにヨレヨレ。



北口登山道の森に入り、レンゲショウマの様子を見る。いっぱい咲いている

 

 

先々週はきれいに咲いていたイタチササゲ。めずらしいツートンカラーの花。
咲いてすぐはクリーム色で、すこしするとイタチノ毛みたいな黄褐色に変化する。不思議~
この日、花はしぼみ、マメのサヤがはじけていた。

 

来た道を引き返し下山にかかる。 
座るのにちょうどいい岩を木陰に見つけてひと休み。
腰を下ろしたそばにちょこんと咲いていたタマガワホトトギス。かわいいね~

 

とっとこ降る山道 
帰り道もあっちこっちでレンゲショウマに見送られて楽しく歩く♪~(´ε` )
また来年の夏、会いに来るからね~