TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

秋の花が咲きはじめた高尾山へ

2013-09-23 | 写真日記

台風が去って2日目、空気が入れ替わり、湿度も下がって過ごしやすくなった。
空は雲一つない秋晴れで山日和、西丹沢へでも行ってみようかと調べてみると、
丸太橋の流失、沢の水位上昇、登山道に散らばる倒木など、台風の影響が出ている。
近所の公園でさえ、風で折れた小枝が散乱していたくらいだから、
丹沢の荒れようも容易に想像がつく。で、丹沢をやめにして高尾山に変更。

いまやインターナショナルとなった高尾山、台風後の整備もすぐに行われたのか
山道にも小枝ひとつ落ちていない。道に流れ出た土砂はせっせと掃かれ、
あちこち補修も行われていた。工事の人の話では、山から道に流れ出る水は
相当な量だったようで、それでも雨の降る中をカッパ着て山を登る人がいて、
とても信じられないことだと驚いていた。

6号路を進んでいくと、なるほど沢の水量は増えていて、大山橋を過ぎて
沢の中を飛び石づたいに歩くところは、いつもならお湿り程度なのが
きょうは勢いよく水が流れ、沢らしい様相になっていた。

  

ミズヒキ、ナガバノコウヤボウキ、ガンクビソウ、キツネノボタン、マツカゼソウなど
これといって目立たない秋の花が道ばたに並ぶなかで、数の多さで目立つのがヤマホトトギス。

 

また、地味系カラーの秋の花にあって 
小さいながらもピンクの花色が目立つハグロソウ。

 

 華やかさのあるピンクが目を引くシュウカイドウ
沢沿いや寺の境内で、こぼれるように咲く花があたりを明るく彩っていた。

 

拡大して見ると、星のような花が集まっていて美しいノブキ、しかし実へと変身して
からはひっついて離れないので嫌われ者、、。

 

ジャコウソウという名から、香料に使われる麝香の香りがするのかと匂いを
嗅いでみたけど、とくべついい匂いはしなかった。

 

  

冬に美しい氷の花を咲かせるシモバシラ、花が片側だけを向くのもおもしろい。
セリ科の異色な存在ノダケ。暗紫色の花といい、膨らんだ形の葉といい、かなり個性的。

 

延々とつづく階段をハァハァのぼって山頂 
とりあえず富士山を眺め、照りつける陽射しに追い立てられるようにして退散。
木陰は涼しいけれど、日なたの容赦ない陽射しは真夏なみ、、、ひぇ~暑い

 

はて?葉に刺さるように付くオレンジ色の実、これは何なのだろう?? 
誰かがいたずらしてこうなっているのかと思ったけど、そうでもないみたいな、、
台風のいたずらでしょか、。

 

  

林の縁で涼しげに咲くタマアジサイ、陽だまりのヤクシソウ。

 

きょうこそは高尾名物の天狗焼きを買おうとケーブル乗り場へ向かうと
サル園に併設されている野草園の案内板に、キレンゲショウマの写真が貼ってあるのが
目に入り、先日御岳山で見損なった花でもあるので見ていくことにした。
サル園は、
遠い昔に一度入ったことがある。でも野草園はなかったような気がする。

  

山の斜面にところ狭しと並ぶ季節の山野草が約300種、へぇ~こんなにあるとはオドロキ!
まずはフレッシュなギボウシ、ヤブミョウガは登ってきた山道にもたくさん咲いていた。
花は直径1cmほどと小さく、透ける花びらから黄色い花粉をつけた雄しべが飛び出す
繊細なつくりは、なかなか美しい。

 

  

自生が稀な植物といわれているキレンゲショウマは、和名がそのまま学名(Kirengeshoma 
palmata)になっている一属一種のめずらしい植物。
英名はYellow wax bells そのまんまというか、わかりやすい。。

  

蜜が豊富で葉も味がいいのか、やたら虫がブンブン集まってきていて、たいていの葉は
虫に食われて穴だらけ。また、きれいな状態で咲いている花がなく、もともと大きく花開くことが
ないようで、わずかにぽそっと開きはじめると同時に花弁の先が茶色く変色するみたい。

 

  

よく見かけるキバナアキギリにしては花の色がちょい違うけど、どうなの??

あちこち散らばるように咲いていたスズムシバナ(鈴虫花)、白花もあった。

 

 

台風で倒れかけたらしい、カリガネソウ。


 

秋らしい風情が感じられる花。

 

 

 

      

野草園の端っこにあったツチアケビ。一瞬ギョッとさせられる色と形がインパクト
見た目もスゴイけど、その生き様もしたたかなツチアケビ、古くからおいしいキノコとして
食用されているナラタケに寄生して養分を得ている。そのナラタケも、立木を枯らす「ならたけ病」
を発症させるほど菌の分解能力が非常に強く、黒い針金のような菌糸を土中で伸ばして寄生する。
で、ナラタケは、うまそうな芋があったわいとツチアケビの根っこに侵入。
ツチアケビは「ふふっ」とばかりにいったんは侵入を許すも、菌糸が細胞の中に入ってきたところで
ごちそうさまと消化する。ナラタケが横取りしてきた養分を、さらに待ち構えてゲットするわけね。

史前帰化植物のイヌホウズキ。(オオイヌ、アメリカ、テリミノと種類があってどれも似ている)

 

1時間ほど野草園を見てまわるうちに、
おサルのショータイムは終わってしまったので、サル山を見ていくことにした。
サル山も以前のものとは違い、立派なガラス張りになってリニューアルされていた。
「これっ、ジッとしていなさい!」とかなんとか、しきりに子猿の面倒をみる母猿微笑ましい~

 

 いつも店先に行列ができている「天狗焼き」
そんなにウマイのかとずっと気になっていたもの。きょうは行列もなくすんなり買えた。
歩きながらさっそく食べてみると、焼きたてホカホカの餡には豆が混ざっていて、
パリッとした歯ごたえの皮と微妙にメロディアス おいし~~~い
高尾山に来るときのお楽しみが増えた。。

 

 

遠くから見たときビールのホップかしらん?などと思ってしまったけど、ぜんぜん違った
ヤマホウズキ。 先ほどのイヌホウズキとおなじナス科。
もうしばらくすると薄赤くなって、さらに可愛らしくなるそうだ。

赤く色づいた 
ところも見たいなぁ~

 

 

お初の出会いツルギキョウ 
咲いたばかりらしく、開花しているのは2つだけ。

 

 

現存確認できているのが13都県、生存株数700程度だそうで、
100年以内の絶滅確率96%だという。
生息地の環境破壊、自然遷移、さらに人の採取によって絶滅が早まる。

 

つぼみはいくつもあったけど 
花の未来はと考えると、あまり明るくないのが哀れ、。

 

 

 ミヤマフユイチゴ(深山冬苺)バラ科キイチゴ属
冬に甘酸っぱい赤い実ができる。フユイチゴとよく似ていて、両方の特徴をもった雑種も
見られるそうだ。木苺の実はおいしいのが多く、自分的にはモミジイチゴ、ナワシロイチゴ
3番目がこのミヤマフユイチゴかな、、

残暑厳しい一日だったけど、秋の花に、いろいろ可愛らしい実も数多く見られて
たのしく歩けた高尾山だった。 山からの眺めは、すぐ下に住宅やビル群が迫り

多種多様な植物が息づく山であることが不思議に思えるくらいだ。
それだけに自然が残された貴重な山だというのがわかる。
これから日一日と秋は深まり、やがて山は紅葉に色づく、そのころまた来てみよう。