和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

対話ではなく『対書』の時代。

2022-11-17 | 本棚並べ
注文古本の、ちくま新書が届く。
鳥飼玖美子・苅谷夏子・苅谷剛彦著「ことばの教育を問いなおす」。

まずはパラリと鳥飼さんの個所を開く。
「大村はまとの出会い」のはじまりは

「 『 ことばを育てることは こころを育てること、
    人を育てること、教育そのものである 』

  このことばを目にした時の衝撃はいまだに忘れられません。
  私が漠然と考えていたことが、文字になって小さな額の中に
  収められ・・記念文庫の入り口にそっと掲げられていた・・

  大村の教え子であった夏子さんによれば、
  大村はまは『あくまで実践に徹した人』で、
 『理論や制度に依る以前に、とても原初的な
  人間くさいやり方で人を育てた』とのことです。

  大学時代も『教育学』『教育心理学』『国語科指導法』
  などにあたる授業は履修しておらず、その稀有な実践は
  
  教育制度や抽象的な学問的理論とは離れたところにある、
  と言われています。・・・  」(p37~38)


また「大村はまの実践」という箇所では

「 大村はまが、ご自身の教育実践をあえて
  『大村方式』にまとめようとせず、一貫して
  『実践をもって提案する』教育者としての姿勢を
  貫かれたのは、清々しい生き方で立派だと共感します。 」(p84)


うん。何か読む気がしないのですが、
とりあえず、パラリとひらきました。
玖美子さんと夏子さんが各章ごとに交互に書いており、
二回苅谷剛彦さんが登場します。
はじまりは鳥飼玖美子さんでした。こうはじまっています。

「この本は、書きことばで対話している『対書』です。

 『対書』という用法は、NHKテレビ『英語会話』で活躍した
 小川邦彦さん(1998年に54歳で逝去)が、

 インターネットの普及を視野に
 『これからは対話ではなく対書の時代だ』と、
 鳥飼に語ったことに由来しています。・・・・  」

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